告白してフラれたのでやけになってモンゴルにひとりで行ったら、いつの間にか結婚をして上海に住むことになった話 vol.8
お昼ご飯を食べながら、ガイドと無理やり会話に花を咲かせる。
「こっちの人って平均月収っていくらなん?」「5~6万ぐらいかなァ日本に比べるとほんと少ないよネ。」「おえっ!そんなもんなの?」「オレなんてマンション一室買ったから月々のローンの返済もあるし、大変なんだヨ」「(まじ?やるな・・・・・・)へ~1か月でいくらなの?」「4万5000円だヨ」「(結構でかいな)わたしもウランバートルに不動産持とうかな」
「オレの本業はモンゴルの学生が日本に留学するときのサポート業務をしているんだけど、本業だけじゃやっていけないからこうやって観光シーズンになるとツアーガイドのバイトもしてるんだよネ」「(不動産収入もあるのにバイトとしても働いてるなんて頭が下がるな・・・・・・)」
お昼ご飯をいただいた後は、レジャーの時間。そうだ乗馬だ。モンゴルといえば乗馬。大体の観光客は乗馬に勤しむ。貴重な観光財源。国立公園内に乗馬体験ができるスポットがあるのでそこへ向かう。本物のゲルの中からおばちゃんが出てきて、ヘルメットをつけてくれる。だいぶぶかぶかだ。乗る馬ちゃんに挨拶して、かっこ悪く馬によじよじと登る。どっしりとした厚みのある背中に足を広げて座ると、景色が一転した。とにかく目線が高くなる。153センチの目線とは大違いだ。地面があんなに離れている。ふふ、なんだか偉くなったみたい。ところでお前さん1人で馬を操縦できるのかとお思いだろう。大丈夫、ちゃんとガイドのバーラーヤが馬に乗りながらこちらの馬の手綱を引いてくれるのだ。どうやら馬に乗れないとこの国ではガイド業はできないのだな。
乗馬できる範囲は敷地内とかそんなんじゃない、この広い雄大な大地全部を闊歩していいのだ。林は自然そのままの姿を残し、白く幻想的な風合いだ。木々は静かに風の音を拾い反響し、柔らかい光を浴びてザワザワと心地よく揺らいでいる。いつもこの大自然を見ているからなのか、馬はとても穏やかに進んでいく。ゆっくり、ゆっくりと。
たまに馬が軽く走るのですが、これが私にはすっごい恐怖。普段まったく運動をしない・少しも歩かない・会社へ車通勤のわたしの刺激に慣れていない腹筋にはこの上下の動きが耐えられない。筋肉が追い付かない、臓物が揺れていく。シェイクされて内臓の位置が移動しそう。馬ちゃん頼むから歩いてお願い・・・・・・!
わたしは悟った、
「左手にトライフォースが宿ってもエポナを乗りこなせないので、ハイラルも救えないし。赤兎馬が乗りこなせないので荊州もとれない。」
続く
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