【大喜利小説】剛と蝶芽子
カランカラン♪
活草海 剛が勢いよく喫茶店のドアを開ける。
奥のテーブルには丘高 蝶芽子が待っていた。
「剛、久しぶり!元気にしてた?」
「ああ、俺は元気だよ。蝶芽子も元気そうで何よりだ。
実は最近、VIOにハマっていてね」
「えっ……?」
と、真剣に直視する剛とは対照的に、蝶芽子は俯きポッと頬を赤く染める。
「いや、それが楽しいんだよ。
この前の日曜なんか朝から夜までかかったんだ。まあ、それでツルツルのピカピカだから母も喜んでたよ」
「日曜日に一人で?……お母さんが喜んだ?」
カオスだ。
「ああ、そりゃそうさ。
VIOは一人で最後までやるのが楽しいんだから」
「剃ってるの?」
「ああ、勿論、剃ったりもするし、剥がしたりもするよ。
汗だくになってやってるさ」
「何が楽しいんだか私にはさっぱり分からないわ!」
「一人でするからコストも抑えられるし、独創的なものを作れるんだ」
「独創的なものを作る?
はぁ?ただ全部剃るだけでしょ!」
「剃るだけじゃないさ。ノコギリも使うよ」
「前から思ってたけど、あんたバカなの?」
「何を言ってるんだ、君は。
日曜日は台所に棚を作ったんだ。
母の身長に合わせて、シンクの上で丁度手の届く高さにしてさ。扉にはニスを塗り、ピカピカに光って、母はそれはもう大喜びしてたよ」
「それって、ひょっとしてDIYのこと?」
「あっ、それ、それだ!」
「全然、違うじゃん……」
剛の顔はみるみるうちに真っ赤になった。
「俺ってこんなだから、いつも世間からバカにされるんだよな」
「勘違いは誰にだってあることよ」と蝶芽子は剛に微笑みかけた。
(D)どうしても、
(I )活草海を、
(Y)擁護してしまう蝶芽子であった。
(ぱひゅん)
BGM ギャランドゥ
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