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【短編小説】19人の小人(前編)

小人と云うと皆さんはどんなイメージを持つだろうか。
森の中の優しい妖精みたいなイメージを持つ人も多いだろう。
でも、中には悪い奴もいるようだ。

◇◇◇

源治は夕方のTVニュースを見ていた。
画面からは我須首相が連日のように同じことを繰り返す。
「国民の皆さま、どうか今しばらく外出は控えてください。
 19人の小人が集団で暴れています。彼らは非常に凶悪です。ただし、家の中にいる限り彼らは襲ってくることはないのです!」

「かあさん、もう一年になるだろうか。この小人の集団、一向に捕まらないなあ。今度のゴールデンウィークには家族旅行を考えてたのにふざけやがって!」

「そうですね。なんでも銃で撃たれても死なないって噂です。小人って名のゾンビですね」と数子は答える。

19人の小人の集団は連日、日本中で暴れている。ここ一年、彼らは強盗、恐喝、強姦、殺人、万引き、つまみ食いを繰り返し、悪の限りを尽くしているのだ。彼らと目が合って生還できた者はいない。

◇◇◇

栗栖川トリスは家路を急いでいた。
仕事を辞め自宅に戻ってからは、夕食に遅れると父に叱られる。
次の角を曲がるとすぐに家に着く。
だが、角を曲がった途端、小人達に取り囲まれた。
身長は皆、1メートル前後。全員が黒い頭巾に黒いマントを着ている。目玉は約半数が一つ目だったり三つ目だったりしている。
小人達は黒いマントを引きずるようにズルズルと歩く。

「きゃーっ!」
これが噂の19人の小人か、トリスは半ばパニック状態だった。

小人達は何やら話しているが、日本語ではないため、全く理解できない。
小人A「キーッ」
小人B「キキーッ」

「トリスさん、大丈夫?」
駆けつけたのは姫野 一だった。

「あ、ハジメさん」

「トリスさん、時空を越えるんだ!」

「ハジメさん、どうしてそれを?」

「ハーゲイのマスターから、ワタルさんとトリスさんの特殊能力のことは聞いている。
 気をしっかり持って!トリスさん本当に大丈夫?」

「ええ、会社を辞めてから面白いことが何もなかったから、今、私はワクワクしてるわ!」

「こいつらは絶対許さねー!
 俺もアドレナリンMAXです!」

小人C「キキキーッ」
小人は光線銃のようなものをトリスに向けている。

トリスは鼻を摘み息を吐き、目からピーっと音を出した。
同時に、隣でハジメは、お尻からブッと屁をこき、大きく息を吸い込んだ。

◇◇◇

小説を書くときは視点が大事と云う。
誰目線で書いていくのか。
3分過去に移動したトリスと、3分未来に移動したハジメ。
この先どう纏めていくのか全く自信はない。


(つづく)


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