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面談を受ける側のニーズを整理した

この記事は、「目的なき面談の落とし穴」のスピンオフ記事です。そちらの記事では、産業保健職側が目的を整理した上で面談に臨むことの重要性を説明しました。一方で、私たちが目的を持つことと同じように、面談を受ける側の労働者ら側(上司や人事担当者含む)も面談に臨む際になんらかの目的・期待を持っています。面談の際にボタンの掛け違いをうまないために、そして、産業保健サービスの顧客である労働者の満足度を高めることもまた、とても重要になります。そこで、この記事では面談を受ける側のニーズを整理したいと思います。

面談の場面

産業保健職が面談をする場面は様々あります。この記事の「面談」は幅広い場面を指し、本人からの健康相談、上司からの相談、事後措置・保健指導面談、過重労働面談、ストレスチェック面談、復職面談、上司や人事との情報共有面談などを含み、主には、個室で行われるような面談を指します(企業によっては、職場巡視中や、衛生委員会前後のちょっとした立ち話のようなちょっとした非公式の情報交換・情報共有といった場面も多いと思いますので、それも面談として含めてもよいかもしれません)。

面談を受ける側のニーズとは

例えば臨床の外来場面では、患者は「診断をつけて欲しい」「検査をして欲しい」「薬を出して欲しい」「話を聴いてほしい」といった目的やニーズを持っています。緊急性・重篤性の高いことについては、このようなニーズを度外視して医学的に必要なことを患者に提供することはもちろん必要ですが、医療もまたサービスとしての側面があり、ニーズを認識できた方が患者満足度は高まります。お互い効率的なやり取りができ、ボタンのかけ違いが起きないことでトラブル防止にもなります。ニーズとしては、本人が認識した顕在的なものと、認識していない潜在的なもの(=インサイト)があります。産業保健職側は、自分たち側が持っている目的を整理し、認識し、説明するとともに、対象者の持つニーズとインサイトを意図的に認識し、それに丁寧に対応することで質的にも満足度的にも高い面談を行うことができます。この記事では、目的、期待、ニーズ、インサイトなどを合わせて「面談のニーズ」とします。
参考:インサイトの意味と見つけ方│ニーズとの違いや具体事例

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