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【6/19 ウェビナー】「学びの個別最適化」を考える1日 〜産学官民で語り合う教育DX〜

【6月28日追記】
パネルディスカッションの発言要旨及び所管が記載途中で更新できていませんでした。是非ご覧くださいませ。
繰り返しになりますが、一部私の解釈が入っている可能性があることはご容赦ください。
今後の方向性を知る良い機会となりました。

こちらのウェビナーに参加しました。参加しながら記録&気づきを残していったものです。なお発言要旨に関しては、できる限り私の解釈を含めないようにしておりますが、ニュアンスが異なっている場合もあるかもしれません。その場合はご指摘頂ければ幸いです。

タイムテーブル

政策の中心の方々総集合、という感じですね。ギガスクールを構想された方々が、7時間ぶっ続けのイベントをやるのはどうかとも思いますが笑 14時からが待ち遠しいです。

14:00~14:20 [T0−01]ご挨拶・開催趣旨
◎佐藤昌宏(一般社団法人教育イノベーション協議会 代表理事)
◎森田朗(次世代基盤政策研究所(NFI)代表理事)

14:20~15:05 [T1−01]個別最適な学びと協働的な学び
◎板倉寛(文部科学省 初等中等教育局企画官)

15:05~15:50 [T1−02]教育データ利活用
◎桐生崇(文部科学省 教育DX推進室長)

15:50~16:35 [T1−03]GIGAスクールと教育評価
◎福本徹(国立教育政策研究所 総括研究官)

16:35~16:50 参加者インタビュー
◎河合琢也(教育アドバイザー)
◎野本竜哉(一般社団法人iOSコンソーシアム 代表理事)
イベント参加者の声を広く伺わせていただき、取りまとめます。

16:50~17:00 参加者インタビューのまとめ
◎佐藤昌宏(一般社団法人教育イノベーション協議会 代表理事)
◎河合琢也(教育アドバイザー)
◎野本竜哉(一般社団法人iOSコンソーシアム 代表理事)

17:00~17:45 [T2-01]社会のDXと教育
◎吉田 宏平(内閣官房IT総合戦略室 参事官)
◎高谷浩樹(内閣官房 IT総合戦略室 デジタル改革関連法案準備委員)

17:45~18:30 [T2-02]デジタルテクノロジーの限界と可能性
◎橋田 浩一(東京大学 大学院情報理工学系研究科・教授)
◎開 一夫(東京大学・教授)

18:30~19:15 [T2-03]未来の教室における個別最適化
◎浅野大介(経済産業省 サービス政策課長(兼)教育産業室長)

19:15~19:30 参加者インタビュー
◎河合琢也(教育アドバイザー)
◎野本竜哉(一般社団法人iOSコンソーシアム 代表理事)
イベント参加者の声を広く伺わせていただき、取りまとめます。

19:30~19:40 参加者インタビューのまとめ
◎佐藤昌宏(一般社団法人教育イノベーション協議会 代表理事)
◎河合琢也(教育アドバイザー)
◎野本竜哉(一般社団法人iOSコンソーシアム 代表理事)

19:40~20:40 [T3-01]パネルディスカッション
◎板倉寛(文部科学省 初等中等教育局企画官)
◎高谷浩樹(内閣官房IT総合戦略室 デジタル改革関連法案準備委員)
◎福本徹(国立教育政策研究所 総括研究官)
◎橋田 浩一(東京大学 大学院情報理工学系研究科・教授)
◎浅野大介(経済産業省 サービス政策課長(兼)教育産業室長)

20:40~21:00 [T3-02]ラップアップ
◎佐藤昌宏(一般社団法人教育イノベーション協議会 代表理事)
◎森田朗(次世代基盤政策研究所(NFI)代表理事)

ご挨拶・開催趣旨
◎佐藤昌宏◎森田朗

冒頭、佐藤先生から個別最適の時間軸や、進める主体が誰か様々な意見があると問題意識からスタート。ただ事例で出していたAmazonの商品リコメンドや、完治が絶対的ゴールである医療データの議論は、どこが教育の議論に活用でき、どう違いがあるのかは冷静に捉えたいと感じた。

■ 発言要旨 ■
・多様な視点から見た個別最適化を今一度考えたい
・それぞれの立場から共通点/相違点を聞きながら、今後の一助にしたい
・個別最適の時間軸や、誰が進めるか様々な議論。整理する機会になれば。
・Amazonのリコメンドが象徴、データにより

個別最適な学びと協働的な学び
◎板倉寛(文部科学省 初等中等教育局企画官)

後半、テンポが早くて、要旨を書ききれていません。
ただ、文科省の中心で活躍されている板倉さんから「国際調査の成績も気にしているが、注視しているのは学びを楽しめているか」「新学習指導要領を実現するには、ICT活用が必要不可欠」というキーワードが出たことは極めて重要と感じました。

■ 発言要旨 ■
・PISA2018で、日本は「最もICTを授業で使ってない」国
・一方で、エンタメ系ではよく使っている様子が見えた
・スマホ6時間以上/日が平日約10%、休日約20%。
・そうした生徒の多くが勉強時間0分。
 スマホが悪いではなく、付き合い方を考えたい。
・国際学力調査で、特に注視したのは「勉強は楽しい」という割合。
 まだ平均レベルだが、上昇率は参加国平均以上。
 楽しい×成績が良い、の併存は世界的に見ても難しいが、改善傾向。
・令和の日本型学校に関しては、
 正解主義や同町圧力から脱却して、生徒を主語にした教育に変えていく。
・個別最適な学びというのは、個に応じた指導を学習者の視点から2つの観点で整理。学びの個別化では、一定の目標を全ての児童生徒が達成することを目指す。学びの個性化では、学習目標そのものが個別になることを目指す。

教育データ利活用
◎桐生崇(文部科学省 教育DX推進室長)

データ利活用は絶賛検討中という印象。「今後の活用に向けて、どう整理するか」が今進んでいる。悩ましいのは、話を聞いてもデータが誰のもので、どんなステークホルダーがどこまで利活用できるのか?がよくわからない。チャットでは「公費で導入されたデバイス/回線/ソフトで、学習者によって生成されたデータは誰のもので、誰がどこまで利活用できるものなのか」という指摘もあった。

■ 発言要旨 ■
・段階を整理して、教育DXを進めたい。
 アナログ/紙をデジタルにする第1段階(デジタイゼーション)
 データを使うことでさらに良くなる第2段階(デジタライゼーション)
 新しい学びの価値を生む第3段階(デジタルトランスフォーメーションと
・データに関しては、行政系データ、校務系データ、学習系データで整理。
・医療データと違うのは、教育データは定義づけが難しい。
 血圧のような絶対的なものでない。
 例えばテストの点数もそのテストの種類で全く意味が違う。
・データ活用に向けた標準化のために、
 主体(誰が)、内容(何を)、行動(どうしたか)を整理中。
 主体は学校コードを統一。内容は指導要領のコード化が進んでいる。
・最後は、生徒,教員,行政だろうと「行動改善」に繋がることが重要。

GIGAスクールと教育評価
◎福本徹(国立教育政策研究所 総括研究官)

あまりご講演から評価の話が伺えなかった。ギガスクールになり、やれることが増える=指導の幅が広がるからこそ、これからの現場の実践が重要というのは指摘の通りと思う。

■ 発言要旨 ■
・ICTによってスピードが速くなる。
 課題の回答・共有、正答率からの教員の介入タイミング
・ギガスクールによって「やれることは増える」「データが増える」
 =指導の幅は広がる。

社会のDXと教育
◎吉田 宏平(内閣官房IT総合戦略室 参事官)
◎高谷浩樹(内閣官房 IT総合戦略室 デジタル改革関連法案準備委員)

制度設計のお話が中心。本ウェビナーのテーマである「個別最適な学び」を実現するために、データをどう用意するか。その議論を進めるためのデジタル長の目指す方向性などが話題としてあった。

◼️発言要旨
・デジタル庁の準備室として活動
デジタル社会形成10原則案を軸に動いていく。
・予算も制度もない調整役からデジタル庁になることで、司令塔機能へ
・個別最適な学びの実現には、データ活用が必要不可欠
・勘と経験からエビデンスへ
・産業界も、「旧来の教育IT化」に閉じないIT化が必要

デジタルテクノロジーの限界と可能性
◎橋田 浩一(東京大学 大学院情報理工学系研究科・教授)
◎開 一夫(東京大学・教授)

すごく可能性のある技術の説明のように感じる一方で、なぜ社会実装されていないのか?が聞きたかった。さまざまな事業者のサービス上でデータは生成されるが、データが個人に集約するまでの流れがわからない、個人に集約された後は凄く良いように思うが、そこまでいくのが,,,という印象。また、行政の方/大学教授などからよく「民間がデータを囲い込んでいる!」のような発言が出るが、初めからデータをオープンにする設計は(現状では)あり得ないのではないか。

◼️発言要旨
・パーソナルデータは本人に集約すべき。メリットは以下。
 1.個人がデータをフル活用できる
 2.同意があれば事業者が活用できる
 3.分散型のデータ管理にできる
・実際のアプリ紹介
・すでに埼玉公立校e-portfolio、UTokyoアプリなどで実装
・個別最適な学びに向けた4つの視点が大切
 1.学習者中心の視点 2.発達の視点
 3.科学の視点 4.人工知能の視点
 *ただし1の子ども中心とは?大人から見た子どもか?
・教育事業者が保有しているデータが学習ログになるが、
 流通させるためにはさまざまな問題が生じる。
・上記問題を解消するために、下記が必要。
 1.教材と教え方の分離 2.分散型でのデータ管理

未来の教室における個別最適化
◎浅野大介(経済産業省 サービス政策課長(兼)教育産業室長)

個別最適な学びというより自律的な学び、という表現を口頭でスッと話していたのが印象的。AIドリルからどんどん出題されるものが本当に最適かはわからないからこそ、そうしたEdTech教材も自律的に活用するという考え方が重要に感じた。学校,先生,教材を活用できるような児童生徒がどんどん育って欲しいと思う。また、自分の成功イメージや自身の価値を自認できる機会というのは学校(小?中?高?大?)が作るものなのか?作れたら良いが,,,というのも感じるところ。

◼️発言要旨
・今後の教育のビジョンを具体化して示すことが役割と認識
・ビジョンの核は1.学びのSTEAM化 2.学びの個別最適化
・個別最適化は、「自己調整のパーソナルトレーニング」
 みんな違う×約束と習慣×データ重視
・キーワードはパーソナルトレーニング
 自分でプランを作って学び、そのコーチ役として先生を使う
 ただし、教員の負担感が現実的なところかは要検討。
・自分の成功イメージを描ける、
 自分に価値がありそうなことを見つける機会を、
 今の学校教育は与えられていないのではないか
・不登校特例校や広域通信制に、未来の全日普通科の姿がある。
・標準授業時数をどう考えるか?標準学習時数,目安でOKでは。
・通信制/単位制の知恵を普遍化できないか。
 学年や単位をどう考えるか?

パネルディスカッション
◎板倉寛 ◎高谷浩樹 ◎福本徹
◎橋田 浩一 ◎浅野大介

前半で「構想が現場に届かない」という問題意識がシェアされていた。あくまで個人的な所感だが、結局、進め方が中央集権的すぎるのではないか。「国が決めたからやれ」があまりに今の時代にハマっていないように感じる。ファシリテーターの先生が、現場に対しては「意識を変えてもらう必要がある」と言っていたが、共感を生まないだろう。民間に対しては「学習者が中心なんだから、データを囲い込むな」と言ったところで納得感はないのではないか。

◼️発言要旨
・今日の参加者は、目指している世界観はかなり近い。
 ただし必ずしも現場も一致しているとは言い切れない。
・現場は「こうなりましたよ」がドンと降りてきて疲弊している
・抽象的な議論ではなく、具体的な姿を示す必要がある
・日常的に利便性を感じるものをどんどん出す必要がある
・児童生徒/教員の変容を解像度を高くして、広めていきたい
・小規模校でのEdTechがもたらす、生徒へのインパクトは大きい
・「子供たちの学び方が変わってくる姿」を重点的に抑えるべき
・政府の最大の課題は、現場コミュニケーション。
 東京の景色と、各地域で起きていることに乖離があるのでは。
・学習-就労-福祉がミッションとして繋がらないといけない。
・軽視するわけではないが、対話は時間がかかる。
 仕組みを見せることが重要ではないか。


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