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「お金の本」で今のうちに勉強しておこう!森永卓郎がオススメする、まず読んだほうがいい3冊
今週は、キャッシュレス化が急激に加速するいま、そもそもお金とは何だろう? 「ステイホーム」でお金について勉強しよう! というわけで、がっちりGUESTとしてもおなじみの経済評論家・森永卓郎さんに、「お金について学べるオススメの3冊」を聞きました。
貨幣論や資本主義経済をその歴史とともにわかりやすく今とつなげた解説本や、「今は超低金利の時代なので、お金を増やそうという発想自体が間違っている!」と説く経済評論家によるお金と幸せの関係コラムなど、
「お金とは何か?」を多角的に理解できる3冊を、森永さんのオススメポイントとともに紹介します。
森永卓郎(もりなが・たくろう)
経済アナリスト。1957年、東京生まれ。東京大学経済学部卒業後、日本専売公社、経済企画庁総合計画局、三井情報開発総合研究所、UFJ総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)を経て、獨協大学経済学部教授。専門は労働経済学と計量経済学。わかりやすい語り口で経済や金融を説くことに定評がある。準レギュラーを務める『がっちりマンデー!!』ほかテレビ、ラジオの出演。著書多数。
■「森永卓郎の儲かりコラム」シリーズ
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私が小学生のころいつも疑問に思っていたのは、「お金って何だろう」ということでした。
1000円札は単なる紙切れなのに、なぜそれが1000円の価値を持っているのか。それが、とても不思議だったのです。
その疑問に正面から答えてくれるのが、丸山俊一著『岩井克人「欲望の貨幣論」を語る』(東洋経済)です。
この本は、昨年NHK-BSで放送された『欲望の資本主義特別編・欲望の貨幣論 2019』という番組のなかで行われた岩井克人教授へのインタビューを、独自インタビューも追加して番組プロデューサーがまとめたものです。
お金の欠陥は 「際限のない欲望の対象になる」こと
岩井教授は、「お金は、それを受け取ってくれる人がいるから価値があるのだ」と言います。だからこそ、お金は人々を自由にするとも言っています。
お金さえあれば、身分や地位や性別にとらわれず、好きなモノを買って、自由に生きられるからです。
ただ同時に、お金には致命的な欠陥があります。
それは、お金は、何かを買うための道具にとどまらず、お金そのものに対する際限のない欲望の対象になってしまうことです。
なぜでしょう。
岩井教授は、お金を増やそうという際限のない欲望こそが、お金のもう1つの顔であり、それが資本主義だと言うのです。
そのことは、今から2400年も前に、西洋最大の哲学者・アリストテレスが指摘していたそうです。世界で初めて貨幣経済が成立したのは、アリストテレスが生きた古代ギリシャだったからです。
【森永卓郎さんのオススメ本① 内容紹介】
『岩井克人「欲望の貨幣論」を語る』(丸山俊一/東洋経済)
「欲望が欲望を生み出す資本主義の先に何があるのか」がテーマ。日本を代表する経済学者・岩井克人氏が、仮想通貨が生まれ、キャッシュレス化が進む現象を捉え、資本主義の基本を成す貨幣に着目。「貨幣論」「会社は誰のものか」など、正統的な近代経済学の歴史や枠組みを押さえつつ、資本主義の本質に肉薄する。
際限のない欲望というのは、庶民にとっては、あまり実感がないかもしれません。そこで!
ただ、清武英利『プライベートバンカー カネ守りと新富裕層』(講談社)を読むと、それがいかに壮絶なものかがわかります。
この本は、富裕層の金儲けの手段や資産運用、そして節税のやり方にいたるまで、富裕層の行動を詳細に記述したノンフィクションです。
しかも、登場する会社や人物のすべてが実名になっています。
悠々自適にシンガポール生活? 富裕層のリアル
この本を読むと、富裕層たちが、いかにお金に執着した人生を送っているかが手に取るようにわかります。
例えば、彼らは相続税を回避するため、灼熱のシンガポールに移住し、ひたすら時が過ぎるのを待っています。相続税のないシンガポールで命を落とせば、相続税を支払わなくて済むからです。
そうした富裕層の姿を知ると、お金をたくさん持つことが、本当に幸せなのかと考えてしまいます。
【森永卓郎さんのオススメ本② 内容紹介】
『プライベートバンカー カネ守りと新富裕層』(清武英利/講談社)
元新聞記者のよる、富裕層たちのノンフィクション。富裕層のために、資産運用、事業継承などをサポート・先導するのがプライベートバンカー。シンガポールを舞台に、野村證券のトップセールスマンだった主人公が見たのは、税金から逃れるために国外に脱出する「本物の大金持ち」の世界だった。ただ時間が過ぎるのを待つ元大手メーカー会長、若くして300億円を手にしたIT業界の寵児――。人はどれだけ資産があれば幸せになれるのか?
それでは、私たちはどうしたらよいのでしょうか?
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