天皇杯の滋賀レイクスvsしながわシティバスケットボールクラブ戦を徳島まで見に行った話
B1復帰、B2優勝の偉業とその感動から一転、主力選手の大量離脱に見舞われた滋賀レイクス。
ブースター歴1年の底浅知見にとっては、噂では知っていたけど、ここまで入れ替わるのか!と衝撃的でした。B2優勝したのに!
加えてBプレミア参入に向けての投資で色々なものが不足する中、それでも工夫や将来性が見える補強に、個ではなくチームとして団体として昨季のウイニングカルチャーが根付いているのをファン目線で感じ、力強く思いました。
そんな期待だらけの新編成で挑む初の公式戦、天皇杯。調べると会場の徳島までは京都から高速バスでわずか3時間弱。しかも祝日と振替休日で3連休。これは行かない手はないでしょう。
新チームの実力と勢いをこの目で感じて応援するのだ!
1回戦の相手はB3チーム。昨季のB2の蠱毒ぶりを味わった今、Bリーグにおいて格の上下が当てにならないのは織り込み済み。
それでも、ファンなりの験担ぎとしてチケットと宿は決勝戦のある3日目までを押さえました。
いざ、徳島へ!
高速バスにはUSBが付いていたので、Wi-Fiでレイクスの過去試合ダイジェストを見ながら、あっという間に鳴門へ到着。
市内のバスに乗り換え、ホテルに荷物を預けて、いざアミノバリューホールへ。雲は多いが差し込む日差しはキツい。汗をかきかき、川沿いを歩いて涼を取りつつ、ワクワクと緊張がないまぜな道程。スポーツ観戦はこれがたまらない。
到着の頃、朝開催の1試合目はすでに終わっていて、次戦は13時からの佐賀バルーナーズvs青森ワッツ。元レイクスの狩野選手(そういえば膳所駅のパネルで見た事ある程度の知識)擁する佐賀と、昨季プレーオフでレイクスを散々苦しめた青森の一戦。歴浅ゆえに他チームまで中々興味が届きにくい身ではあるけど、この組み合わせは熱い。
開始まで1時間あったので、近所のお好み焼き屋でミックス焼きを食べる。お母さんが1人で切り盛りする、どこか懐かしい店内。フル稼働の扇風機に青のりを吹き上げられないよう気をつけながら美味しく完食。旅中不足がちの野菜もたっぷり取れてありがたし。
腹もふくれ、いざ観戦へ。
会場はまあまあスカスカ。公式戦ではないし、地元チーム勢の試合は4試合目なので、まあこんなものか。この状況、個人的には嫌いではないです。過去他ジャンルのイベントでも、えてしてこういう時こそ面白い事が起こり、少数の目撃者の一員になれるのはまたオツなものだったりします。(主催者側はたまったもんじゃないのだろうけど)
時間ちょうどにティップオフ。
オフェンス時には、それぞれのチームが持ち込んだお馴染みのBGMが流れるスタイル。「ホームみたい!」とまでは行かなくても、ブースターには嬉しいシステム。
序盤は一進一退の攻防。さすが青森、B1相手にも一歩も引かない。
けれど時計が進む毎に、次第に佐賀のペースに。いわゆる「自力の差」なのだろうか。青森側で活躍する目立つ選手は2人くらいに絞られ、佐賀は全員でポイントして行くイメージ。過去にレイクスを散々苦しめた池田選手のパスも被カットが目立つようになって来た。
最終的にはまあまあの点差が開き、佐賀が勝利。短絡的に昨季と比較はできないけれど、あの青森の敗退を受けて、B1の壁の高さが肌で感じられました。
さあ、いよいよ次はレイクスの試合!
ファミマでカフェオレを買って席に戻ると、今までどこにいたのか、多くのレイクスブースターの姿が。対するしながわブースターの数はまばら。地理的、交通の便的に当然なのだけど、レイクスブースターの愛の深さだけを見るようにして、気持ちを高める。
両チームの選手がバラバラに入って来て、練習を開始。選手が躍動する様は、すでに立命館大での公開練習やバスライでのプレシーズンゲームで見てはいるが、やはり印象が違う。眼前の生情報を一生懸命脳内のレイクスメモリに上書きインストール。
一部選手の表情が少し硬い気がしたけど、素人の勘繰りだろうとスルーする。
そして16時、いよいよティップオフ。
レイクスオフェンス時のBGMはお馴染みのNirvanaイントロの物とNANANAリミックスの2曲が交互に。これはアガる!…のだけど、一抹の違和感。通常ならクライマックスで流れる両曲が都度流れてありがたみが薄くなった気がする。
あと気になったのは耳心地の軽さ。地に足がついてないような、フワフワして迫力不足な感じ。これはもう仕方がない。改めてダイハツアリーナの設備と音響スタッフの仕事ぶりに頭が下がる思い。
とは言え、いずれもちょっとした違和感に過ぎず、アウェーの地にこのBGMはそれだけでありがたい。一丸となってブーストするのみです。
案の定、BGMに合わせて、心得たブースターによる「GO!レイクス!」の大合唱。試合もあれよあれよと7点差を付ける。これは案外余裕なのか?B3とは想定以上に差があるのだろうか?
んなわきゃないのは昨季に散々味わったのに。
そこから点差が中々開かない。むしろじわじわ詰まって行く。
モータムのフローターが、ハビのオフェンスリバウンドからのシュートが、常田や大起の3ポイントが、游のアシストが、あれもこれもとにかく通らない入らない。
パスミスやターンオーバーも目立ち、果てには新キャプテンお披露目の野本選手も相手のファールで頭部を強打して退場に。しばらく倒れ込んでたので心配です。大事がありませんように…。
外国人選手の個人技などで終了間際に1点差まで詰め寄るシーンもあったものの、最終的に良い所なく完敗。
最後はブースターの応援も乱れて、特に私の周りは個々がバラバラに絶叫したり各々思った事を全部口に出したりと大混乱。
対するしながわは、ブースターはもちろん、それ以外のお客さんも巻き込んで、序盤のまばら感が嘘みたいに場内を味方に付けて大盛り上がり。
無論、その辺り敗因と見るには些事でしかないのだけど、両チームの勢いを象徴する光景に見えました。
素人目線でも、レイクスの良い所が完封されたように見えたこの日。それも相手はB3。ファンとしては次の光明も見出せず、救いのない敗戦となりました。
しかしながらどん底からの復活劇はレイクスが得意とする所。闇があるから光があり、底があるから上を目指せるのだ。
落ち目のチームに罵声でなくブーストを贈ってこその「ブースター」。この悔しさを胸に、シーズン開幕戦には最高のブーストをお届け致します!
…などという言葉とは裏腹に、3日間着るつもりで揃えたレイクスTシャツ。これしか持って来てないので当然着るのだけど、表に出ないようにそっと上着の前ボタンを閉じる。
あの負け方じゃあグッズ身につけて鳴門を歩けんよなあ。
まだまだ修行が足りないようです。
鳴門の美味しいもん食べまくって切り替えます!Go!レイクス!
【追伸】
それにしても、しながわシティバスケットボールクラブの頑張り、そしてプレーのあざやかさ。時々レイクスへのブーストを忘れて見惚れる事が何回かありました。めちゃくちゃ悔しいけれど、納得の負け方、納得の実力でした。今後も要注目。