すべては売ることから始まる。1人目セールスがやらかした3つの失敗
こんにちは、カミナシの大西と申します。
2019年6月にカミナシの1人目セールスとしてジョインし、現在はインターン生含め5名のセールスチームの一員として、宇宙一のチームをつくろうと日々切磋琢磨しています。
先日同じセールスチームの露崎が書いたnoteを見て、自身も感化されました。彼の強みは恥も外聞もなく弱さをさらけ出すことにより、自分を奮い立たせることのできる人間だと改めて感じました。そこで今回は自分も倣い、これまでのカミナシ人生で経験したことをまとめてみました。同じ1人目セールスの方やネクストキャリアとして1人目セールスを考えている方、スタートアップでセールスをされている方の参考になればと思い、恥をさらけ出そうと思います!
自己紹介
本題の前に少しだけ自己紹介をしておきます。
2019年6月に6名(社長/CPO/エンジニア2名/ビジネス2名)だったカミナシへ1人目セールスとしてジョイン、ニッチ領域×スタートアップという軸で探していたところ、当時は食品製造業のバーティカルSaaSであったカミナシに出会いました。
ちなみに、当時カミナシはゲームでカルチャーフィットを確認して採用するという「ゲーム採用」をやっており、自分はその採用試験に唯一受かった人間です。笑
これまでのキャリアについても簡単に触れておくと、新卒で求人広告のセールスを3年半→HR Techのセールスを1年半→カミナシという流れになっていて、これから功績を挙げて自身の名を轟かせようと画策するまだ何者でもない無名の若者1号でございます。
PMF前のアーリーフェーズでやらかした3つの失敗
2019年6月にジョインした後、同年12月にカミナシはピボットを決断しました。それまでの半年間、とても恥ずべきことですが自分は1件の受注も取ることができませんでした。
(簡潔に言えば)売ることが職務であるセールスが何の価値も発揮できず、会社のキャッシュがなくなっていく日々。会社全体としてもうまくいっていないこともあり、しまいには売れないのは自分のせいではない...という他責思考にまでなっていました。
当時を振り返り、なぜ売れなかったのか?
PMF前のアーリーフェーズであるがゆえに3つの失敗をしたことに気付きました。1人目セールスの採用はこのタイミング前後が多いと思いますので、反面教師として参考にしていただければ嬉しいです。
PMF(プロダクト・マーケット・フィット)
→プロダクトが顧客の課題を解決できるものとして市場に受け入れられている状態
1つ目の失敗:セールスとしての心構え
自分がジョインしてからのメインミッションは、PMFの証明をすること。そのためには「顧客の課題を正しく把握すること」「その解決策を明確すること」が必要と考えていました。
言葉に書くとシンプルですが、当時はプロダクトを作っていくタイミングでもあり、「作ること」と「売ること」の意識が混在している状態でした。
その結果、何が起きたかというと「作ること」への意識が強かったためにプロダクト訴求の営業活動になり、検討しても「担当者が楽になる」「紙の削減枚数による費用対効果」といった表面上の評価に留まってしまうことがほとんど。
「売ること」に必要な「EBとの合意」「経営課題の解決に繋がることの合意」といったポイントが抑えられていない中で、まるで運任せのような営業活動になっていました。
EB(Economic Buyer)
→その企業の財布の紐を握っている人で、決裁者の意思決定に対して唯一拒否権が行使できる存在
2つ目の失敗:武器の使い方
営業活動における最大の武器といえば、デモンストレーションだと考えています。正しい使い方をすれば顧客の心を動かす強力な武器になりますが、そのためには「To-Be(目指すべき姿)を把握している」「As-Is(現状)を把握している」「課題解決するための最適な手段の1つである」この状態が作れていることが必須条件だと思っています。その上で、機能ではなく効果を訴求することで顧客の導入意欲を高めていくことができます。
上記の状態が作れていない中で当時は「まずプロダクトを見ていただき、使っていただけるにはどうすれば良いか?」というアプローチを行っていたため、本来の威力を発揮するどころか顧客からの評価が機能ベースのできる/できないといった各論中心になり、温度感が下がってしまうといった逆効果を与えてしまっていました。また、MVPは作れていたものの改良の余地が多い状態であったことも、その結果に拍車をかける理由になっていました。
MVP(Minimum Viable Product)
→プロダクトを提供する上で必要最小限の機能のみをもつ、もっともシンプルな状態
3つ目の失敗:改善の取り組み
売れない中でどうすれば売れるようになるのか。
その矛先が本質的な売り方の問題ではなく、PMF前の検証フェーズだからこそ改善点が目立ちやすいプロダクトの問題だけに向いていました。言葉にこそ出していませんでしたが、会社としてもうまくいっていないという状況から心のどこかには「売れないのはプロダクトのせいだ...」という気持ちもありました。
そして、顧客の口から出る「この機能があれば」「このくらいの金額なら」といった言葉を真に受け、機能開発や価格改定といった改善を進めていく。改善できた状態で再チャレンジすると、なぜか次は別の要望が出てくるという繰り返し。前段にあげた失敗に気づくこともなく、本質的な改善ができていない状態では決して売れることはなかったのです。
これら3つの失敗にがあり、自分は半年間1件の受注も取れませんでした。
いま思うと、かえって「売れた」経験をしなくてよかったと感じています。偶発的な受注を成功体験と勘違いし、失敗が失敗であることに気づかなかった可能性も考えられるからです。(それでも、当時セールスの職務を全うできていなかったことは本当に申し訳なく思っています)
そして、2019年12月には会社として事業のピボットを意思決定することになりました。
事業の価値は売ることから始まる
転機はピボット後に出展した展示会での出来事です。
当時、新しいプロダクトのβ版どころかα版がギリギリ間に合った状態で展示会に出展していました。そのときにご来場いただいた顧客とのやりとりから気づきを得られたのです。その展示会では、プロダクトの紹介はほどほどに、顧客が何に困っていて、どのように支援できそうか?について議論をしていました。そして、展示会でのやり取りを踏まえて後日商談を実施、受注。
売れない時代に終わりを告げる初受注の祝杯
受注したタイミングでもプロダクトはまだ正式ローンチしていない状態でした。この経験を通して、(極論になりますが)プロダクトがなくても売れることがわかったのです。
その後は、徐々に受注が取れるようになっていきます。
契約顧客が増えると、あったら嬉しいという漠然とした要望を出す見込み顧客ではなく、身銭を切っている契約顧客からの実用的なフィードバックを得ることができて、プロダクトが更に進化していくという好循環が生まれました。
この循環を繰り返すことが事業の価値に繋がり、循環を生み出す出発点は売ることなのだと気づきました。
1人目セールスの魅力
本題の最後は、これまでの失敗談を一度置き、スタートアップセールスの中でも特に1人目セールスに絞って魅力について2つ語ってみようと思います。
1つ目:開拓者としてのやりがい
自分たちならではの仕組みをゼロから作れるという楽しさ。何が正しいか誰もわからない中で、頼りになるのは自身の行動量とそこから得られる示唆。自ら考えながら動くことで険しい道を切り拓いていく。その努力や苦労が事業の成長という形で反映されるという、1人目ならではのやりがいを感じることができます。
2つ目:実践型の学びによる成長
事業の成長を牽引していく中で更なる成長を実現。世の中にある様々なノウハウや先人たちの素晴らしい学びも成長の糧になりますが、それ以上に実践を通して得られる納得感のある学び。そして、成長の先にある夢や目標を最速かつ最短距離で叶えられる環境があります。
1人目セールスは、必ず最初は1人チームとして始まります。その過程において、考えを共有したり相談するといった機会が限りなく少ないのが実情です。現時点において、まだまだ成功しているとは程遠い自分ではありますが、同じ境遇の方々にとって希望の光になればと思っています。
もしこの記事を見て、さらに話を聞いてみたいと興味持っていただいた方、ぜひ気軽に声を掛けてください!同じ境遇の方々のお役に立てると嬉しいです。(そうでない方も大歓迎です!)
余談
最近知ったこの曲を紹介して終わろうかなと思います。
夢はもう見ないのかい?
明日が怖いのかい?
諦めはついたかい?
馬鹿みたいに空が綺麗だぜ
〜中略〜
負けっぱなしくらいじゃ終われない
遠回りくらいが丁度良い
まさに、これまでの自分に向けられた言葉のように感じました。
売れない時期、事業のピボット、それらがあったから今の自分がいます。
カミナシでのチャレンジを決意したときに持っていた夢、うまくいかない中でいつの間にか夢を見ることを恐れていた少年が、紆余曲折あり今は功績を挙げて名を轟かせようと画策する若者へ。
遠回りしましたが、今度こそ勝つために今日からまた夢に向かって突っ走ろうと思います!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
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