3年間の集大成をかたちに|撮影日誌
最近編集の終わった写真の中に
とある中学生の写真があります。
この7月、
縁あってとある中学校の吹奏楽部の子たちを
撮らせてもらいました^^
きっかけは近年SNSをきっかけに
リアルでも仲良くなった友人からの連絡。
コロナ渦で演奏会がなくなった子たちに
思い出を残してあげたい、という
親としての強い想いからのご依頼でした。
顧問の先生と相談して、
外部のわたしを撮影のときだけ
お邪魔させてもらえるように調整してくれて。
数日にわけて、学校の中庭で
サプライズで行った小さな演奏会。
お昼休みの10分間、2曲ずつ
4人から5人のアンサンブルで。
リハーサルと、
今回、主人公の中学3年生8人の
演奏日にあわせて3日、
計4日間、中学校にお邪魔してきました。
少し汗ばむ7月の陽気の中、
梅雨明けはまだしておらず、
雨が降ってもおかしくないなか、
どの日も雨は降らずに
延期なく行うことができました。
いざ子どもたちが準備をし、
音楽が鳴り始めると
続々と窓から顔を出す生徒たち。
中庭に出て遊んでいた子たちも
遊ぶのをやめてその時間だけは音楽の方へ。
たくさんの視線や歓声の中
それを受けて返すように
練習のときより数倍、音の響く楽器たち。
白い制服と、楽器とが輝いているようで。
3年間奏でてきた楽器と、
3年間苦楽を共にしてきた友人たちと。
たった5分、10分の時間ですが、
あぁ、本当によい時間で
かけがえのない時間だなぁと
第三者ですが、そう強く感じました。
最終日には3年生8人
横に並んで、
自分の楽器とともに記念撮影。
このコロナの影響で、
今年が最後、という
節目の子たちは
我慢しなければならないことも
たくさんあったのではないかと思います。
自分も経験した多感な子ども時代に
『仕方がない』
その言葉はあまりにも残酷で。
大人はそう口にしますが、
本人たちにとっては、
そんなどこにも向ける矛先がない言葉をかけられても、
と、もやもやもやもや
感じた子もいるのではないでしょうか。
地域によっては
少しずつ緩和されてきた部分もありますが、
それでももう季節は冬。
季節が戻ることは絶対ない。
この瞬間、この時間は
誰しも平等で、
誰も巻き戻すことができない。
そんな貴重な瞬間をのこすこと。
当たり前のようで当たり前じゃない。
『その一瞬を子どもたちのために残してあげたい』
今、私の撮った写真を使って
子どもたちに配りたいと
友人はアルバムを作成しています。
子どもたちの頑張ってきた3年間の証。
いつか見返した時に
『この時大変だったし、残念だったけど
最後にこんなことができてよかったよね。』
そう旧友と笑って言える日が来れば。
青春時代の大事な想い出を
のこすことに携われたことを
とても光栄に思います。