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教科書の問題点 その1

 お越しいただきありがとうございます。

 受験コーディネーターの廣川です。

 今回が17回目の投稿になります。

 今回は、ずっと書くと言っていた教科書の問題点を、取り敢えずひとつ書いていきます。


計算が正解しにくくなる

 その内容は、数学1、少し時期的には遅れてしまいましたが、最初の単元である『正の数、負の数』です。

 中学生になって、算数から数学になった証拠のような単元で、ここでプラスとマイナスの概念(大袈裟な)をしっかり確認しておかないと、経験上この先ずっと計算が苦手になります。

 では具体的に見て行きましょう。


啓林館 数学1 P24 例2
(1)(-7)+(+13)
  =+(13-7)
  =+6

(2)(+5)+(-15)
  =ー(15-5)
  =ー10


これを見て何か違和感を感じませんか?



さらに、P27 例4
(1)(-6)-(+10)
  =(-6)+(-10)
  =ー16
(2)(-8)-(-3)
  =(-8)+(+3)
  =-5


どうでしょうか?

これが教科書の例題にある計算の仕方なんです。一貫性がなく、やり方が様々なのかと勘違いしてもおかしくないと思いませんか?


さらに、P27 例5
(1)3+(-4)=ー1
(2)ー3+4=1

P28 例6
(1)3-4=-1
(2)3-(-4)=3+4
         =7
(3)ー3-4=ー7

P29 例7
 ー14-(-29)+(-35)+11
=ー14+29-35+11
=29+11-14-35
=40-49
=ー9


 いかがでしょうか?

 たった6ページで全然違うやり方になっています。これでは生徒が迷うのも無理がないと思いませんか?

 学校の授業では、この6ページを2~4時間かけるようです。自分の言っている教科書通りにやる、真面目な生徒が分からなくなるというのが理解していただけましたでしょうか?

 ちなみに、自分の授業では最初から例5の書き方でやってもらいます。学校の授業より先にやれれば良いのですが、学校が先になると修正に、より時間がかかります。

 計算ミスをしないためには、常に同じやり方をすることなんです。だから例題ようなやり方をしていれば、そりゃあ間違えますよ。

指導している書き方

 では、実際に自分が指示しているやり方を見ていただきましょう。
 (+12)+(-3)ー(+6)-(-1)
=12ー3ー6+1
=9ー5
=4

 和と差では、まずカッコを外します。そして、例7にあったように符号でそろえても良いですが、そのままでもふたつずつ計算します。項が三つあれば二つで計算して、一つはそのまま書いて、次の行で計算します。

 『中学で急に数学が苦手になった』というのは、ほとんどこれが原因です。

 全く分からないわけではなくて、なんとなくわかるのに、数学で点数が取れないので、正解率が低いだけだと思い込んでいる場合が多いのです。

 つまり、本人は出来ているのに、ミスをしてしまうと思っているので、いくら学習しても変わらないことで、だんだん嫌になっていきます。計算が嫌いに、数学が嫌いになってしまいます。

 自分のような受験業界で仕事をしているものにとっては、有り難いことかもしれませんが、教科書には、このような生徒を惑わす表記が多いのです。

 例えば、お子さんが学年+1時間以上勉強しているのに、平均点を越えていなかったら、勉強が嫌いにならないうちに、プロに診てもらう方が良いかも知れません。

 次回は、この仕事をしていて1番聞かれる質問について書く予定です。

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 最後までお読みいただきありがとうございました。

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