教科書の問題点 その2
お越しいただきありがとうございます。
受験コーディネーターの廣川です。
21回目の投稿になります。
今回は17回目に書いた『教科書の問題点』の続きを書いていきます。
文字の式
自分の授業のメインになっているのが数学なので、今回も教科書の数学1から、二つ目の単元となる『文字の式』の問題点を上げていきます。
啓林館 数学1 文字の式 P70 例3
(1)ー3x+2x
=(-3+2)x
=ーx
(2)7x-x
=(7-1)x
=6x
文字の式の計算をていねいに説明されています。自分の授業では、二行目は頭の中でやって、実際には書かなくて良いとしています。
P71 例4
8x+4-6x+1
=8x-6x+4+1
=2x+5
これも同類項を計算するのに並べ替えをしています。自分の授業でも最初は必ず例4のように書くように指示しています。
P72 例5
(1)3x+(5x-2) かっこの前が+のときは、
=3x+5x-2 そのままかっこを省き、
=8x-2 各項の和として表す。
(2)3x-(5x-2) かっこの前がーのときは、
=3x-5x+2 かっこの中の各項の符号を
=ー2x+2 変えたものの和として表す。
式は何も問題は無いのですが、特に(2)の説明(右の文章)が分かりにくい。真面目に説明を読んでしまうと『?』となりそうです。さらに
P73 例6
(1)3x-4に7x+6をたす
(3x-4)+(7x+6)
=3x-4+7x+6
=10x+2
(2)3x-4から7x+6をひく
(3x-4)-(7x+6)
=3x-4-7x-6
=ー4x-10
さっき例4でやっていた、並び替えはもうありません。しかも並び替えをしなくても良いというような説明もありません。
乗法、除法
乗法、除法では、さらに混乱しそうです。
P74 例1
(1)2x×5
=2×x×5
=2×5×x
=10x
(2)6x×(-3)
=6×x×(-3)
=6×(-3)×x
=ー18x
とにかく、ていねいな書き方です。授業では、二行目三行目は頭の中で、これはいきなり解答で良いとしています。
分数の書き方
noteで分数をどう書いて良いのか分からず、ここから画像でいきます。
除法も乗法と同様にていねいですが、今一つ統一していません。
例3 も二行目は頭の中での考え方です。例4、例5は右の四角の中で途中式のようなものになっていますが、これらも統一性が無いと感じます。
基本的に計算の仕方は、出来る限り同じ書き方をすれば、計算ミスを少なくすることが出来ます。そして、特にミスをしやすいのが分数なんです。そこで書き方を統一していきます。
まずその項が、+かーかを確認する、ひとつの分数に乗せて、分母、分子をはっきりさせる。約分をして整えます。例5のような問題は右の四角の式も、二行目にちゃんと書きます。
これは、二年生の一学期にやる『式の計算』でも同様に書きます。つまり統一する訳です。もっと言うと、方程式でも関数でも同じ計算の仕方でやります。ミスの可能性を下げるためです。
教科書の統一性の無さが、真面目な生徒を惑わすことになっているんです。
一年生は、『正の数、負の数』『文字の式』で一学期は終わるので、ここで生徒の数学に対する評価が『点が取れない科目』となり、苦手な科目、嫌いな科目へとなってしまいます。
ぜひ教科書の例題に惑わされずに、入試問題の解説などを参考に計算を見直してみてください。
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最後までお読みいただきありがとうございました。