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受験業界の一歩

 お越しいただきありがとうございます。

 受験コーディネーターの廣川です。

 23回目の投稿です。

 今回は、家庭教師をすることになった時に、何を考えて行ってどうに進めて行くのかを決めたのかを書いていこうと思います。


父からの依頼

 19歳になる年、少年工科学校を3月に卒業して、実家に帰って大学受験の予備校に通っていた、ある日のこと、父が勉強を教えてほしい子がいるんだけど、と言ってきました。聞けば父の友人の息子さんだそうで、中学二年生でした。

 教えることは好きだったので、その話に乗ることを決めました。

 事前にその生徒について聞くと、特に数学に問題があるそうで、今の学校の授業は何を言っているのか分からないくらい置いて行かれているとのことでした。中学1年生の自分の様子を思い浮かべ、お手伝いが出来ればいいなくらいに思っていました。

 数日後に、自分の部屋に来てもらいました。彼は初めて会うお兄さん(自分)にひどく緊張していました。実は、彼に負けないくらい自分も緊張していました。

 それでも、とにかく彼の実力を把握しなければなりませんから、持ってきてもらった教科書やワークを確認しながら、五年ぶりに見る中学二年生の教科書の中から、彼に数問を解いてもらいました。

 そのときの自分の診断は、出来なければいけないことがいくつも抜けている。でした。定期テストが近付いていましたが、その範囲を学習するよりも、基本的な計算を練習するべきと決めて、徹底的に計算をやってもらいました。

 彼は性格が真面目で黙々と計算を繰り返してくれました。さすがに定期テストの直前には対策をしましたが、そんな付け焼き刃の対策で何とかなるほど甘いものではないですよね。

 ところが、一見回り道に思えた基礎を固めることが定期テストでの得点力となりました。正直高得点とは言いにくい得点でしたが、本人にしてみれば、理解して得点できたようで、この後の学習意欲を膨らませることになりました。

 ここで数学の力、計算の力を感じて、そのあとの計算のやり方というシステム作りを、数字の書き方や式の統一化など正解率を上げるための方法で進めることになりました。

 彼はどんどん勉強意欲が上がり、課題を増やしてもやれるようになりました。

 のちになぜ黙々と計算が出来たのか、彼に聞いてみました。すると、まったく分からなかったのに、説明されてやってみたらどんどん出来るので、急に頭が良くなったようで、面白かったそうです。

 つまり計算が出来ないだけで、自己肯定出来ず、頭が悪いと思ってしまっていたのです。怖いですねぇ。

 そして、他の科目、まあ次に何とかするべきは英語になるのですが、英単語を覚えることは、計算を繰り返すことに比べて、わくわくしないようで、かなり苦戦しました。

 結果的には、彼は自分が担当した時には考えられなかったランクの高校へ進学しました。

次への展開

 この経験で、教えることと得点力を上げる方法を見つけることの楽しさを感じてしまい、このあと家庭教師の他に塾講師をすることになります。

 上記の理由は、そうなんですが、もうひとつは自分が学生の頃に感じていた「なぜ学校の先生の授業は、こんなにもつまらないんだろう? 自分がやれば、面白くしかも得点力も上げられるのに。」と根拠のない自信があふれていたことも原因になります。

 今考えると、なんて怖ろしいことでしょう。

 若いって凄いですね。 まあ無知の強さです。

 ただ根拠のない自信は、根拠が無いと多少の自覚はあったようで、相当勉強しました。何をしたのかは後ほど書きたいと思います。

 とにかく、自分の思いではないところから、この受験業界に入り、自分の経験だけでやったところ、たまたま優秀な生徒で、結果が出てしまったという出逢いのおかげで、38年やってきたという話でした。


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最後までお読みいただきありがとうございました。

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