自ら追い込んだ生徒の話
お越しいただきありがとうございます。
受験コーディネーターの廣川です。
48回目の投稿です。
今回は、過去の印象的な生徒について書いていこうと思います。
業界に入った頃
まず、この業界に入った38年前には、俗に言う業者テストと言われる模擬試験が、まだ学校で実施されていました。自分の住んでいる地域では、『北辰テスト』『学文館テスト』というのがあって、『北辰テスト』は今でも会場テストとして残っています。その頃は、まだ学校で実施していた影響から、勉強しなければいけないという風潮が強くありました。
ですから、自分が授業していても勉強をしなくてはいけないというような、生徒に促す指導はあまりしなくても、生徒は勉強する方向は向いていましたので、その大小はあっても、勉強をしないということに警戒することは今と違ってありませんでした。
そのころの生徒で、自分が中学生の頃に復活を目指していた頃よりも勉強していたのが Mさんです。彼からの依頼を受けたときの成績は平均点を少し越えたくらいでしたが、希望は上位校への進学でした。それまで独自に学習習慣も出来ていて、ただ今のままでは上位校は難しいのでということで呼んでもらいました。さらに部屋には本が並んでいて、計算力も持っていました。
授業の方向としては他の生徒と同様に、日々の学校の授業のフォローと定期テストの対策を行いましたが、彼にはそれに加えて学力のメンテナンスをかけました。それというのも、実力テストや『北辰テスト』で無駄な失点が見られたので、理解と記憶を見直していきました。曖昧になっていることを片っ端から潰していき、記憶の上書きをしていきました。
これも彼の学習意欲の強さから作れる、授業時間の余裕により出来た事です。大事なポイントを示して説明をすると、次回には覚えていて活用するところまで出来ていましたので、授業で繰り返すことが減り、プラスアルファのことが出来ました。
今になって思えば、『読書力』も『計算力』もあったので、成績を上げるにはそれほどの苦労は無かったですね。まるでスポンジが水を吸収するように学力がぐんぐん上がっていきましたので、こちらもそれに合わせてどんどんポイントを伝えていきました。
彼の決断
そんな彼が受験直前の年末に急に「塾へ行こうと思いますが、どう思いますか?」と、いつもの質問をするかのように言ってきました。家庭教師をやめて、学習塾へ通うことに・・・激しく動揺した自分は返事に困窮しましたが、取り敢えず、その真意を聞くことにしました。
彼が言うには、成績も上がり、模試の結果も合格可能性でAランクをたたき出したのですが、どこか不安があるので、これまでの学習に加えて、学習する環境を整えるために、塾のフリー学習をやりに行きたいということでした。
つまり、さらに学習時間を濃密にするために、家庭教師の授業が無い時間に塾の自習室を使って学習したいと言うのです。そう家庭教師も続けたままです。彼は自分に負荷をかけて、とにかく実力をつけるためにできる限りのことをやろうとしたのです。
その時、残り二か月半でしたが徹底的に勉強していましたね。あれだけ詰めていたら、不合格になるはずもなく、志望校に余裕で合格しました。
合格判定でAを取っていて、彼以外であそこまで追い込んで勉強した生徒はいませんでした。当時はまだ携帯電話も持っていなかったので、高校生以降連絡は取っていないので、今何をしているのかはわかりませんが、きっと立派になっていることでしょう。
学習意欲を強く持って、『読書力』『計算力』があれば、入試はどうにでもなると実感させてくれた生徒でした。
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最後までお読みいただきありがとうございました。