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塾講師のとき、中学二年生数学

 お越しいただきありがとうございます。

 受験コーディネーターの廣川です。

 27回目の投稿です。


 今回は、塾講師をしていた頃、中学二年生の数学の授業で考えたことについて、書いていこうと思います。

一次関数

 二年生の数学で、最難関であり、最重要となるのが「一次関数」でしょう。グラフが書けて、式が求められれば良いのですが、生徒はかなり苦戦を強いられます。その原因は教科書の説明の順番にあると思っていました。

 初年度に塾のシステム通り、教科書のまま進めたところ、生徒は迷子のようにどうしたらいいのか分からなくなっていました。教えているこちらも何が起きているのか、どこで迷ったのか不思議でした。

 数学を得意として教えている自分ではなく、何も知らない者として、もう一度教科書を読み進めてみると、学習順番は一次関数という関数の定義から、次は変化の割合、そのあとにグラフを書いて、直線の傾き、最後に直線の式からグラフを書くとなります。

 ピンと来ましたかね? 教科書は行ったり来たりしているんです。教科書や年度によって、若干の違いはありますが、どれも行ったり来たりしています。

 さらに、先程書いていた変化の割合と直線の傾きは同じものです。つまり同じものをいくつか別の言い方をしますので、まだ理解の浅い状態では、混乱する訳です。迷子にもなりますよ。

 ということで、二年目の担当からは、教科書の順番を無視して、関数の定義、グラフを書く、さらに直線の式からもグラフに書き、その時に変化の割合と直線の傾きを併せて、学習していきます。これで混乱を防ぐことが出来ます。そしてグラフを書く練習を多めにしておけば、次の段階がスムーズにいきます。

一次関数の後半

 教科書は、このあと、グラフから直線の式を求めさせて、また直線の式からグラフを書きます。さらに、座標の点から直線の式を計算で求め、もういちどグラフを書くことをします。最後に連立方程式で交点を求めて、一次関数の利用で終わりです。

 この行ったり来たりで、生徒はとんでもない種類のグラフの書き方があると感じてしまいます。ただでさえ『関数』という、作図と計算をたくさんやらないといけない、面倒なヤツと警戒しているところにこれですから、あまり得意では無いと思っていたら、諦めや拒絶が生まれます。

 だから、自分の授業では、時間がないこともありますが、グラフを書くこと、切片と傾きに注目して書いていくこと。その切片と傾きを求めれば、直線の式が求められること。同じものなのに言い方が違うバリエーションがあることを整理して伝えます。よってテキストのやる順番は行ったり来たりします。

 これで、授業時間は減らせ、理解度(得点力)は上がりました。邪道なのかもしれませんが、自分は点数を取れるようにするのが仕事ですからね。

 以前、県の教育局の方に、この話をしたら、キョトンとした顔をして「そうですか」と心無い反応を頂きました。

 書き忘れましたが、『一次関数』までに、一年生の方程式がちゃんと解けること、連立方程式も解けるようにしておくことが、とても大事なので計算練習に時間をかけておきます。

 つまり、一学期の最後の連立方程式をやっておかないと、一次関数は出来ません。タイミング的には、夏休みに挽回出来ますから、ここで出し抜いておきましょう。

 中学二年生は、全科目で重要な難解な単元が目白押しです。中学生活に慣れてきたところで、気が抜けがちですから『さぼらないこと』に気を付けて学習していきましょう。


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