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目の裏側

隠してる事はバレてないけど、
バレてないと思ってる事はバレてる。

君もそう、だから僕もそう。

「嘘をつけない」って、
嘘をつき続けて生きた。
「思った事を口にしてしまう」って、
思ってない事を口にし続けて生きた。

気付いたら人の嘘を知らん振りしてた。
気付いたら思ってない言葉を飲んでた。

右目であの日の夢を見て、
左手で日記を書いた夜も、
誰にも話せなかったから、
一人二脚で今日も転んだ。

愛しても、恨まれても、
誰にも愛されなかった。
誰かを憎めなかった。

言葉は死ぬ。
だから人は言葉で死ぬ。

涙を流す事が正義だと思うのは、
涙に色が付いていない人だけだ。

こうして破滅願望は夜に転嫁されていく。
好奇心と紙一重、未知を既知に変える道。

明日の朝には、きっと笑ってるよな。
朝がいつまでも来ない事は知ってる。
悲しみの向こうには何が有るのかな。
悲しみは越える物じゃないだろうに。

毎日笑えたらそれだけで良いのに、
呪いのように内耳で鳴り響いてる。

一期一会を繰り返す早さで人は壊れる。
毎日笑えたら良いのは僕の話じゃない。
山ほど眠ろう、これも僕の話じゃない。

愛は青より出でて藍より青し。
目の裏側にまで動悸が直走る。

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