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佳処

「佳処」

「なにしてた」って聞かれたら なにもしてないし
「愛してた?」って聞かれたら 人よりも愛してた

あれから、この部屋の変わった所と言えば
叶わなかった夢の数だけガラクタが増えて
踏み潰された心の数だけ時計の針が進んだ

窓辺、暖かい悲しみを吐いて
片目が潰れた野良猫と頰を寄せ合った

何処に居たって聞かれたら ずっと此処に居たし
信じてた?って聞かれたら "明日"より信じてた

ハサミで切ったのに粉々に砕けて
「もういいや」って全部 口に入れた

窓辺、暖かい悲しみを吐いて
片目を潰した君の世界で生きたかった

汚れたんじゃなくて汚したんだろ 部屋も心も
真っ白なのはノートだけで
考え事してる振りばっかして
眠くなくなるまで眠れても
やっぱり晴れてるのは天気だけで
「ごめんなさい、ごめんなさい」

僕の値札を剥がさないで


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