無料のフルサービスはもう限界
こんにちは。
㈱ヒューマンリソースマネジメント研究所
なつカウンセリングルーム 代表
土肥なつみです。
「人生を彩る居場所をつくる」を企業理念とし、
起業研修・カウンセリング・人材育成コンサルティング等を行っています。
私の自己紹介はこちらのマガジンをご覧ください。
今日は新しいジャンルで「思ったこと」を記事にしていきたいと思います。
コンテンツというほどでもないけど、読書をしたり記事を読んだり、自分が体験して考えたことなどを書いていくマガジンです。
最初の1記事目は「無料のフルサービスは限界」です。
なんか書いてみたらかしこまった感じになっちゃったけど、中身はライトな感じなんで気軽に読んでもらえると嬉しいです。
サービスはそもそも“無料”なのか
毎朝、色々なニュースサイトを巡ってインプットしているのですが、こんな記事に目が留まりました。
確かに最近、「セルフサービス」は爆発的に増えていると私も感じます。
ドリンクバー、タッチパネルオーダー、モバイルオーダー、セルフレジ(最近では客席決済できるお店も増えてきました)、返却台、スーパーの袋詰めなんかもそうですね。
セルフサービスは確かに面倒だなと思うこともあります。
一人でファミレスに外食しに行って、お水を入れるのに席を立つのがなんとなく億劫に感じたり、
ドラッグストアで1点、2点だけ買ってカゴごとガサっと渡された時、
「袋に入れてくれてもいいのに…」と感じてしまうことも正直ありました。
でもその感覚そのものを見直していくべき時に来ているのではないかと、上の記事を読んで改めて考えさせられたんです。
そもそもここ数年、物価そして人件費(最低賃金)がべらぼうに上昇しています。
2023年10月から、私の住んでいる大阪府の最低賃金は1064円になります。
これは私がアルバイトを始めた時の約4割増です。(当時の時給は750円でした。計算あってる?笑)
ガソリン代も、10年前は140円台/L、今では180円台の時もありますよね。
これだけ物価・人件費が高騰しているのに当時とほぼ同じ価格で商品やサービスを提供するのはどう考えても不可能です。
それを、どの企業も何とか努力をして価格を維持しようと頑張っています。
それでもどうにもならない時に値上げをしたり、人間がやっていたことを一部機械に置き換えたり、セルフサービスに切り替えたりして対応してるんだと思うんです。
もう無料のフルサービスは限界です。
ここで、サブタイトルの話になってくるんですが
「そもそもなぜサービスは“無料”という前提で話されるんだろう?」
とふと思ったわけです。
昔、藤田観光やリッツカールトンにお勤めだった林田正光さんの
「サービスの手帳」という本を読んで本当に感動しました。
遠方から泊まりに来られていたお客様の忘れ物をスタッフが飛行機に乗ってお届けしたことがあった、という話には度肝を抜かれました。
藤田観光の椿山荘、太閤園(閉業)、リッツカールトンホテルはとても気軽に利用できる金額ではありません。
それは、広くてラグジュアリーな空間や食材に対してだけでなく、サービスそのものに対してもお金を支払っているからですよね。
(もちろん、ラグジュアリーな空間を維持するのにも食材の管理にも人の手がかかっているのでお金がかかります)
サービスは“有料”です。
リッツや藤田観光とまではいかなくとも、今まで行われていた様々な
“サービス”は人の手がかかっているものです。
よく、「サービス業はブラックだ」なんて言われたりしますが
人の手によって行われていたあらゆるサービスを“無料”にしてきたことが、この業界のイメージ低下につながってきたのではないかとも思うんです。
サービスは“有料”にすべきです。
サービスを有料にすべきと思う2つの理由
①不公平感をなくす
とあるインフルエンサーの方がいつかの発信で
「サービスに対してはきちんと対価を支払うべきだ」
と話されていて本当にその通りだと思うのですが、私がそう思う理由を2つお話します。
まず1つ目は、「不公平感をなくす」ためです。
例えばセルフサービスが基本のファミレスやファーストフードは、お客がセルフサービスをする前提で人員が組まれています。
その飲食店で
「水を持ってきて」
「コーヒーのお代りを入れてきて」
「ここにある料理の説明をして」
「会計を済ませてきて」
というお客様が一定数いたとして、その要望全てに応えていたら、他のお客様を待たせてしまうことになります。
※ここで誤解して欲しくないのは、目が悪い、足が悪い、初めての利用である等ある一定の配慮は必要です。ここで話しているのはその範疇を超えた要望の話です。
「言ったもん勝ちなのか?」という表現は極端な話ではありません。
行き過ぎた無料サービスの要求の行く末が「カスハラ」なんじゃないか?とさえ思うんです。
安くていい商品を手に入れたいなら、ある程度自分ですべきことも受け入れる。
じっくり時間をかけて丁寧なサービスをして欲しいなら、それに対して適切な対価を支払うべきだと私も思うんです。
IKEAの家具がなぜ安いか考えれば分かりますよね。
②緊張感を持たせる
2つ目の理由は、従業員に「緊張感を持たせる」ということです。
「あなたのサービスに対してお客様はきちんと対価を支払っている」ということを明確にすることで、従業員に緊張感を持たせることができます。
“無料”にすることは、お客様だけでなく従業員にも甘えを生んでいると私は思います。
皆さんもこんな経験ないですか?
“無料”のセミナーや勉強会、予約はしてたんだけど当日になってドタキャンしたこと。
無料だったし、まぁいっか。って。
この受講料が高額になればなるほど直前キャンセルやドタキャンはなくなります。
先程の例で言うと、セルフサービスが前提のファーストフードやファミレスで、配慮の範疇を超えたサービスを要求された時にムッとするスタッフが居たとします。
場合によってはそれがクレームに発展するわけですが、極端に言えばムッとするのも当然です。
毎回そのお客様に水を持っていっても、セルフサービスしてもらっても、スタッフに払われる賃金は同じな訳ですから。
接客業なんだから、とか、サービス業なんだから…で片付けてしまうのは簡単ですが、根性論や無料の「やりがい」だけで解決させるには限界があります。
私は普段、スタッフを教える中で人のために働くことやサービス業、飲食業のやりがいは伝えます。
でもそれと同時にハード面を整えることも疎かにしてはいけないと思うんです。
あなたのサービスには対価が支払われている。だからそれに見合ったサービスを提供するように。
というある種の緊張感を持たせることは、お客様のためであり従業員のためでもあり、事業者のためでもあると考えます。
まとめ
①不公平感をなくす
②緊張感を持たせる
以上のことから私は、無料のサービスには限界があると感じます。
これはあくまでも私個人の意見であって、他にも色んな考えがあっていいと思います。
あくまで私見を述べたまでです。
ただ、今後、低価格で良いものを買いたいなら自分ですべきこと(セルフサービス)はもっも増えていくことだけは間違いないと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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