「で、結局何が言いたいの?」と言われてしまう人に是非読んで欲しい話。
㈱ヒューマンリソースマネジメント研究所
なつカウンセリングルーム 代表
土肥なつみです。
「人生を彩る居場所をつくる」を企業理念とし、
企業研修・カウンセリング・人材育成コンサルティング等を行っています。
私の自己紹介はこちらのマガジンをご覧ください。
今日は、話し方に関するお話です。
先日、製造業でお勤めの課長さんからこんな相談を受けました。
皆さんもこんな経験ありませんか?
一生懸命プレゼンしてるのに、
「で、結局何が言いたいの?」
と言われた経験。
今日は、会議やプレゼンの場で使える「伝わる話し方」について記事にしていきたいと思います!
なぜ、あなたの話は伝わらないのか
たくさん知識も持っていて、適切な解決策も持っている。
なのになぜ、あなたの話は伝わらないのでしょうか。
先日ご相談下さった課長さんはこんな風におっしゃっていました。
ズバリ、これが原因です。
具体的に言うと、相手目線に立てていないのです。
相手が何を問題と感じ、それがどうなっていればいいのか。
それをまずは相手の目で見て、相手の耳で聴くことが大切です。
これをしないと、話が途中でどんどんズレた方向に進んでしまったり、結局かみ合わなかったりしてしまいます。
ちょっと極端かもしれませんが、イメージはこんな感じですね…笑
(すれ違いコントでとっても有名なアンジャッシュさん。
児島さんはバイトの面接に来ているつもりなのに、渡部店長は万引き犯だという前提で話をしていますね。
そしてどんどん話がふくらんですれ違いがエスカレートしていきます)
では、相手目線に立つには、具体的にどのようにすれば良いのでしょうか。
次の章から順番に解説していきます。
適切な提案をするための3ステップ
※「商品異常が納品されている、その原因を分析、改善案を出すための会議に出席していて、発言を求められている」
という前提でお読み下さい。
①相手の言い分を全部テーブルに並べて時系列に整理する
a.現場検証(過去)
いつ・どこで・どのような商品が納品され、
それが上司や部署にとってどのように困っているか
(このまま放置するとどうなってしまうのか)
何故そうなったと考えているかを丁寧に聞き取ります。
「いつ・どこで・どのような商品が」というところは報告書などにまとめられていることが多いのですが、
「それがどのように困っているのか」
「相手は何故そうなったと思っているか」
までは記載されていないことも多いと思います。
一つの商品異常についても、人によってその捉え方は様々です。
「これは異常事態だ!!」と騒ぐ人もいれば、
「なんだそんなことで」と思う人もいれば
「仕入れ先を変えれば良いだけじゃないか」
と思う人もいるかもしれません。
その異常の“何が問題なのか”をしっかり共有しておくことで、同じスタートラインに立つことができます。
b.どうなったらいいか(未来)
これも意外に共有されることが少ないのですが「それがどうなったらいいか」という未来の状態についても認識を合わせておく必要があります。
今回の例は機械系の製品なので「設計書通りの商品が届いてほしい」ということになりますが、それが届けばOK、というわけではないですよね。
おそらく異常商品が納品されている期間、組み立てがストップしたりイレギュラーな対応を取り続けているはずなので、
「いつまでに通常の流れに戻したいと思っているか」
「原因分析にどれだけ時間をかけてよいのか」
などのafterの状態や緊急度を確認しておくことが大切です。
c.何故そうなったと考えているか(俯瞰)
相手がある程度仮説を持っている場合は、それを聞き出しておくことも大切です。
聴き方を間違えると「それが分からないから聞いてるんだろ!」と言われそうですが、
「ちなみに、現段階で〇〇さんはどのように原因を分析しておられますか?」
「この件について〇〇さんは仮説をお持ちですか?」
など、やんわり聞いてみるのも手です。
こうして話を整理してあげるだけでも、相手の中で仮説が出てくることもあります。
②要望に沿った改善案を相手の仮説をもとに出す
a~cで情報相手のニーズを聞き取ったら、相手の仮説をもとに自分が持っている情報や改善策をまとめて提案します。
ポイントは“相手の仮説をもとに”というところです。
例:
これも、新人教育やコンサルティングの場面でよく使うフローの
「相手が欲しい情報を先に渡す」というものです。
こちらが別の仮説を持っていたとしても、相手はまだあなたの話を聴く姿勢にはなっていないのです。
「え?向こうから原因を聞いてきたのに?」
と思うかもしれません。
皆さんもこんな経験ありませんか?
自分からアドバイスを求めておきながら、いざアドバイスすると
「でも…」「だって…」とゴネられた経験。
人は、自分のことに一番関心があると言われています。
実は正確な情報よりも「自分が欲しい情報」が欲しいのです。
「自分の困りごとを解決してくれた」と相手が感じたとき、初めて相手はこちらの話を聞く姿勢を持つようになります。
ですから、まずは「相手の仮説」に基づいた改善策から提案してみると良いでしょう。
③要望に沿った改善案を自分の仮説をもとに出す
ここでやっと自分の仮説を元に改善案を出します。
伝えるポイントは「Yes,but(はい、でも)」ではなく「Yes,and」を意識してみてください。
例にするとこんな感じです。
例:Yes,but
こう言われるとどうでしょう。
「自分の意見があるなら仮説なんて聞いてくるなよ」
と思っちゃいません?笑
これをYes,andに直すとこうなります。(一例)
例:Yes,and
こうすると、相手の仮説も否定された気がしませんので、こちらの話を聴いてもらいやすくなります。
まとめ~正解ではなく「相手が求めている情報」から提供する
ここまでの話をまとめます。
会議の場で使える「伝わる話し方」
接客業など、目の前にお客様がいると「お客様第一」というのが何となくわかるのですが、身内同士だとどうしてもその視点が欠けてしまいがち。
仕事・コミュニケーションの基本は“相手ファースト”の意識で、ぜひ活用してみてくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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