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004 管理職は役職というよりマネジメントの専門家である

管理職は役職というより「マネジメントの専門家」だと思っている。

例えば、いつも思い付きで行動して失敗している部下がいたとする。

その際、「どうやって待つ態度を身に着けさせるか」を考えるのは管理職の仕事である。

同様に、中学生みたいな言葉使いしかできない部下がいたとする。

その部下に対して「どうやって適切な言葉で表現できるようにするか」を考えるのも管理職である。

これらはカウンセラーの仕事じゃない。

マネジメントの仕事である。


1.目標設定の専門家であるべき理由

ぶっちゃけマネジメントとは部下やチームの目標を設定することである。

ちなみに目標には長期と短期があって、この二つは正反対の面がある。

長期目標は「夢」とほぼ同義。

長期目標とは、会社なら「経営ビジョン」、個人なら「キャリアビジョン」が該当する。

これに対して短期目標は、長期目標を実現するための方策である。

ほとんどは数字で出来ており、達成には多大なストレスを伴う。

やり通すには「努力」と「忍耐」が必要ってこと。

それでもめげずに進めるのは長期目標(夢)があるからだ。

ワクワクする長期目標(夢)があるからこそ、多少のストレスにも耐えられる。

言い方を変えれば、短期目標が成り立つのは長期目標があるからなんだよね。

長短二つの目標の関係と意味を、管理職は理解しておく必要がある。

2.メンタルケアの専門家であるべき理由

管理職は、ある意味カウンセラーなのかもしれない。

例えば、うまく適応行動ができな部下がいるとする。

おそらく何らかの「思い込み」が適応行動を阻んでいるのだろう。

主な思い込みは次の4つだ。

  1. 「〜ねばならない」「〜に違いない」という行動を縛る思い込み

  2. 「何をやってもうまく行かない」という行動できない思い込み

  3. 「自分はダメな奴だ」「あいつはダメな奴だ」という優劣の思い込み

  4. 「この状況は耐えられない」という逃げるためのこじつけ

これらを把握し、それを解凍するのも管理職の役割と言える。

それができなきゃ長期目標どころか、短期目標の達成からつまずいてしまう。

では、これら思い込みは、どうやったら修正できるのか。

私の場合、次のプロセスで行っている。

  1. 部下の言い分を10分以上聞く。

  2. その言い分の理由は何だと思うのか聞く。

  3. その際、おかしな言葉が出たらその言葉を伝え返す。

  4. その際、自分の解釈を脇に置く。

  5. 最後に部下の言葉で改善点を語ってもらう。

3.モチベーションの専門家であるべき理由

人は経験しなければ自信を持てない。

かと言って自信が無ければ、その仕事に取り掛かることすら難しい。

つまり、経験と自信は「鶏と卵の関係」である。

実は、この連鎖構造、上司も一緒なんだよね。

人材育成に自信の無い上司は部下を放ったらかしにする。

だから部下は育成されず、上司もいつまでも自信が持てない。

この両者の負の連鎖から脱出するには、上司の方から変わるしか無い。

自己効力感(自信)の高め方は以下のとおり

  1. まったく自信の無い人は小さな経験を積み重ねる。

  2. ある程度自信のある人はチャレンジングな経験をし、成功体験を味わう。

  3. 過去の成功体験を思い出すだけでも自信につながる。

まず、上司がこれをすることで次第にお互いの行動は変化する。

4.チームビルディングの専門家であるべき理由

ところで管理職って何を管理するの?

もちろん人を管理することだけど、そもそもなぜ人を管理しなきゃならないのか?

それは、組織でなければできないことをするからである。

だとしたら管理職の存在意義もはっきりする。

組織行動を円滑にするために管理職は存在している。

そのためにまず行うべきはコミュニケーションを阻害する4つの不安を減らす努力だろう。

  1. 無知だと思われる不安

  2. 無能だと思われる不安

  3. 邪魔をしていると思われる不安

  4. ネガティブだと思われる不安

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