026 体験的な理解だけど、自律型人材(プロティアン)のなり方を説明する
自律型人材(プロティアン)にどうやったらなれるのか?
プロティアンキャリアの提唱者ホールによれば、プロティアンになるには「アイデンティティ」と「アダプタビリティ」が重要だそうだ。
そのうち、アダプタビリティ(適応力)は、「適応モチベーション」「反応学習」「アイデンティティの探索」「統合力」の4つに分けられる。
今回のnoteは、この「反応学習」「アイデンティティの探索」「統合力」について私の経験も入れながら説明したい。
反応学習
自律型人材(プロティアン)とはぶっちゃけ「自信のある人」。
ただし自信とは、体験を通した試行錯誤でしか身につかない。
それは「解る」と「できる」の違いを思い出せば納得すると思う。
時々「解っている」と言いながら、実はちっともできない人がいる。
解っているのになぜできないかと言ったら、自信が無いからだろう。
自信とは「自分を信頼する心」のこと。
経験の無い人を他者が信頼しないのと同じように、経験無いことは自分自身も信頼しないんだよね。
なので、「自信を持ちたい」って思うことが自律型人材のへ第一歩なのかも知れない。
アイデンティティの探索
「どんな体験も人生の糧になる」とよく言われる
でも、私の体験は必ずしもそうじゃなかった。
サラリーマン時代、人一倍反応学習をしてきたつもりだったけど、今振り返れば何の自信にもつながっていない。
社内ではライバルと競争し、上司の顔色をうかがい、社外では競合との差別化とか、そんなこんなに振り回されていた。
まあ要するに「他人軸」だったこと。
もちろんこれらは悪いことじゃない、サラリーマンとしてはむしろ普通の在り方とも言える。
でも「他人軸」の生き方が、たいがい本来の自分とギャップがある。
それに気づいていれば別だけど、気づかずにずっと他人に振り回されつづけたらどうなるか、たぶん、やればやるほど自分を見失ってしまうんじゃないかな。
これじゃあ、アイデンティティの探索どころか、正反対のアイデンティティの喪失になり兼ねない。
私も実際そうなってしまったことに40歳過ぎてから気づき、サラリーマンを辞め独立することになった。(14年前)
統合力
おそらく多くのキャリコンにとって、この統合力ってのが一番分かりづらいんじゃないかな。
統合力とは、アイデンティティの探索を目的にしながら、さまざまな反応学習を行い、その中で身に付けたことを時間を掛けながら統合していく力のことを言う。
この意味は、実際に自分の成長のために様々な経験をしたら次第に分かってくると思う。
私の体験談だけど次のようなステップでアイデンティティは統合されていった。
1.思うがままに反応学習する段階
思うがままに反応学習すると、2~3年もしたら様々な方向に学習が分散する。
ある程度、自分の将来像を想定しながら学習したとしても、分散は避けられない。
これが試行錯誤というものだ。
2.反応学習の結果が分散する段階
私もざっくり「支援者のプロになる」と思って必要な学習をしてきたけど、次の学習分野に分散していった。
こうしてみると、デタラメと言ってもいいくらいに広がっている。
何となく方向性はあるものの、相互に関係していそうなものと、そうでないものがバラバラに分散している。
ちなみに、どれも最低1年はその世界(学会とか協会に入会)に入り込み、資格を取ったり、実際仕事として関わったので、けっこうどっぷり浸かっている。
どっぷり浸かったお陰なのか何なのか分からないけど、これらバラバラな経験が不思議と統合されるんだよね。
3.バラバラな経験が統合される段階
ある経験は4年も5年もしてから他の経験と知識という形で結びついたり、ある経験は3年後に人脈という形で結びついた。
どれもこれも予想外な展開だったけど、アイデンティティの模索をしていたからこそ、経験と知識の結びつきが起こったと思われる。
もちろん、未だに結びつきの現れていない、たぶんこのまま失われるんだろうなと思われる知識・スキルも多々ある
でも、何が役に立ち、何がムダかなんて、事前に分かるものではない。
時には「ずいぶん無駄なことをやってしまったなあ」と思ったこともあるけど、今にして思えばどれもこれも意味があったと実感することだらけだ。
これが「統合力」のなせる技なのだろう。
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