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千葉県市川市「水と緑の回廊」

 散歩を趣味にしていると、街中には様々な案内があることに気づかされます。災害時の避難場所を記したハザードマップから町内の催し物を掲示したものまで多種多様です。
 その中に市区町村が作成した散策路を掲示したマップがあります。
 史跡や神社仏閣、あるいは公園、緑地といった自然資源を繋いで作成されたマップはバラエティ豊かです。
 通勤、通学で見ている町と、少しばかり違う顔を覗かせる散策ルートをご紹介します。

水と緑の回廊について

里見公園内にある案内看板

 水と緑の回廊は千葉県市川市にある散策ルート。
 市川市が市内の豊富な自然資源、史跡に触れ合えるように作成し、北西部と北東部に分かれています。
 北東部は大野・大町ルート、こざと・大柏川ルートがあり、前者は寺社仏閣を中心に回り、後者は公園と緑地を巡るルート取りになっています。
 今回紹介する北西部マップは京成国府台こうのだい駅からスタートし、北国分きたこくぶん駅を目指すコースです。
 主に公園と緑地を巡るルートで6キロ程度の散歩にはちょうどよい長さで、街中にある緑地や水辺を散策するルートとして気軽に歩くことができます。
市川市「水と緑の回廊」案内ページ

里見公園

 スタート地点である国府台駅を出発し、江戸川を遡上する形で歩くと最初に辿り着くポイントが里見さとみ公園です。
 城跡として紹介されることもある里見公園ですが、その痕跡はあまり見当たりません。
 緑豊かな公園でバラ園や子どものための遊具、バーベキューなどが楽しめる場所があります。さらに市川市最高標高地点、明戸あけど古墳石棺、詩人・北原白秋に所縁のあるものもあり、歴史好きの方も楽しめるのではないでしょうか。
 お菓子や飲み物だけでなく、食事を提供してくれるお店もありますので、水と緑の回廊を歩いてからの休憩にもぴったりです。
 散策も楽しい個人的なイチオシ公園です。

里見公園までの江戸川沿いの道
公園に設置された魔除け。辻切りと呼ばれ、大蛇を象っている
明戸古墳石棺
市川市最高標高地点
辻切りの行事が行われる神社

国府台緑地

 里見公園を出て、次に向かうのが国府台緑地です。
 この緑地までの道のりが個人的には分かり難く、初めて歩いた際にはかなり迷いました。見出しの冒頭にある看板に添って大きな道をまっすぐ行っても辿り着けないのです。
 正解ルートはこの大きな道の脇にある細い道!
 よくよく見れば発見できるのですが、見過ごしてしまうと大通りへと一直線で出てしまいますのでご注意を。
 さて、肝心の国府台緑地は小さな丘といった風情で竹林と雑木林が混じった小さなものです。
 住宅の間を通り抜け、辿り着いた本当に小さな緑地は幾筋かの道があり、迷うかもと初見の際には思いました。しかし、実際にはきちんと看板があり、ルートを違えることなく進むことができます。
 地面も落ち葉があり、粘土質なので雨の後などは少々滑りやすいので、その点にはご注意ください。

左手に見える塀沿いの細い道が正しいルート
塀には案内板あり
住宅地を抜けると雑木林に出会う
緑地内は緑陰が濃い

じゅん菜池緑地

 国府台緑地を抜け、お寺や住宅の合間を通り抜け、次に辿り着くてのがじゅんさい池緑地です。
 緑地とはいっても最初の里見公園と同じく整備された公園のような場所です。ベンチや四阿あずまや、ちょっとした遊具が設置され、冬にはたくさんの鴨が池に浮かんでいる光景を見ることができます。
 春先には桜がきれいとのことですが、まだ桜の季節には訪れたことがないので一度は行ってみたいと思っています。
 私がこの記事の取材のために歩いたときは夏休み中だったので、小学生が虫取りをしていました。
 ちなみに水と緑の回廊のコースではじゅん菜池緑地の端っこを通過するだけですので、公園の散策を目的にして訪ねてほしい緑地のひとつです。

じゅん菜池緑地までの道のりにある回向院えこういん
カフェも併設されている
整備され散策にもぴったりのじゅん菜池緑地
池方面へと続く道。木立があり涼しげ

小塚山公園どうめき谷津

 じゅん菜池緑地を通過し、住宅地の中にある小さな緑地、アスレチックのある公園を抜けると次なるポイントは小塚山公園どうめき谷津。
 公園の名前の由来になっているであろう小塚山公園は丘陵で、現在は半分ほどがフェンスで立ち入り禁止区域となっています。おそらく住宅地造成や道路拡張のため工事が入り、現在も整備中といった感じなのでしょう。
 そのため、今回の散策ではパスし、小塚山公園どうめき谷津へ直行しました。
 東京外かく環状道路を横断して到着する公園は広々とした見晴らしの良い芝生、トイレやテーブルありの四阿(夏季にはミスト噴出!)、ベンチがあるため休憩地点としてもってこいのロケーション。
 私もこちらの四阿で軽食を食べてゴールの北国分駅までのエネルギーを補給しました。
 遊具などはありませんが、駐車場や駐輪場もあってお子さんと散策をするにはもってこい。ただし、ボール遊びなどは自動車が頻繁に通る道路が間近なのでおすすめしません。
 夏場は風が吹き抜け涼しいのですが、秋冬は休憩には少々寒いかもしれませんので羽織るものを一枚持っておくとよいでしょう。

じゅん菜池公園から小塚山アスレチックへ
真夏の昼下がりには子どもの姿もなかった
小塚山公園どうめき谷津の広々とした芝生エリア。風が気持ちいい
撮影をした瞬間にミストが止まった

堀之内貝塚公園から北国分駅へ

 小塚山公園どうめき谷津から堀之内貝塚公園を経て、北国分駅へと辿り着けば水と緑回廊はゴールとなります。
 しかし、小塚山公園どうめき谷津から貝塚公園へのアクセスが意外と曲者! 初めてこのルートを歩いた時には入り口が分からずウロウロしてしまいました。
 貝塚公園に入るにはまずは小塚山公園どうめき谷津の北西側の細い道路を渡り、自販機が立ち並ぶエリアへ行きます。
 そのエリアにはキッチンカーが時折止まっているので目を引きますので、比較見つめやすいかもしれません。私が初めて歩いたときはキッチンカーもなく、植物が繁茂していてフェンスの出入り口が全く見つけられなかったのです。
 登山の最中に見かける鹿除けフェンスのようにロックできる扉がありますので、そちらから貝塚公園へ。
 貝塚という名前の通り現代でも貝殻を捨てているのかと錯覚してまうほど足元には白いものがたくさん落ちています。
 公園内は緑陰が濃く舗装路に比べて涼しいのですが、蚊も結構いるのでご注意を。
 公園を抜けると市川考古博物館!
 一度は入ってみたい施設だったのですが、残念ながら取材をした日は臨時の休館でした。またの機会のお楽しみに取っておくことにして、進路を市街へ。途中には市川歴史博物館があり、こちらも気になります。
 緑の濃いエリアを抜けると市街地に出て、広い歩道をゆったり歩いて北国分駅を目指すのみ。
 駅に到着し、ついにゴールです!

フェンスの扉はきちんと閉める
自然散策路の趣あり
足元に散らばる貝殻
市立市川考古博物館
博物館は小高い場所にあり、眺望良し
ゴールの北国分駅。ベンチもあるので一休みしてから帰れる

身の回りの散策ルートを探す楽しみ

看板を記録して次の散歩コースに

 「水と緑の回廊」を記事にするための取材は8月の非常に暑い日に行いましたので、水分補給など諸々の事柄に気を使いました。
 しかし、これからは気候も穏やかになり、散歩をするにはうってつけ。散歩のハイシーズンと言っても過言ではないでしょう。
 身近な散策コースを探し、歩いてみてはいかがでしょうか。住んでいる町の意外な顔を発見できるかもしれません。

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