映画「ひとよ」を鑑賞しました
こんばんは。noteをなかなか開けない間に今クールのドラマは終わり、あっという間に7月。
(コントが始まる、リコカツともに最終回良かったー)
邪道なんですが、映画はほぼキッチンで、料理しながら、手先を動かしながら見て(聞いて)います。
そうじゃないと、見る時間の確保が難しいので。
でもね、この作品は、料理の手を止められること多数。
観終わって、気持ちが明るくなる内容ではない。
冒頭から最後まで、胸が騒ぎ続けるというのかな。
以下、ネタバレあり。
舞台は地方都市の小さなタクシー会社。
子供たちを守るため、暴力夫をひき殺した母、こはる(田中裕子)。15年ぶりに帰宅するが、3人の子供たちの胸のうちはそれぞれで・・。
田中裕子さんって、吉永小百合さん同様、日本映画におけるブランドですよね。
ありのまま年を重ね、どこか野趣のある美しさ。
非常に不器用で子供への愛情がまっすぐな故に、夫を殺めるという浅慮とも言える行動に出た母親を好演。
幼少期からの吃音のがある長男・大樹(鈴木亮平)、東京で小説家の夢を追う次男・雄二(佐藤健)、美容師をあきらめスナック勤めの末っ子・園子(松岡茉優)。
お三方が、きょうだいそれぞれの人物像を見事に演じ切っていて、
まるで目の前にいるように表現している感情が伝わってきました。
ときに胸が苦しくなるほどに。
特に佐藤さんの、母に対する屈折した愛情表現が印象的でした。
それから、物語のキーマン、タクシー会社の新人ドライバー・堂下。(佐々木蔵之介)
元ヤクザ者の彼が、息子の薬物依存を知ったときの嘆き。
その悲嘆に本当に胸が痛みました。
親が子を思う気持ちの強さ、というのは子のそれより遥かに強い。
そのことを、こはると堂下から思わせられました。
心を揺さぶられるので、心身共に元気なときにおすすめの映画です。