警察にナンパされた話
昔々ブラック企業で営業をしていた頃、北海道の田舎道を車で運転していると迷子になった。
いつも携帯のナビで運転していたけどなんだか住宅街な気がする。
こんな細道じゃなくてもっと広い道に出たい…と思ってグルグルしていると営業の歳上の後輩から電話が来た。
私は運転したまま電話に出て「今迷子ー!」と話していた。
5分くらい話していると後ろの車が赤く光ってる。王蟲なら大激怒。
「あーーーー警察ーーーーーー!」と叫んでブチっと電話を切った。
止まって窓を開けると警察が来て
「すごい気付いてなかったけど大事な電話なの?」と聞かれ「仕事の電話でめちゃくちゃ大事なんですぅ!!しかも迷子!!!」と答えた。
私はその前の週に人生初めての路駐で切られたばかりで支払いが頭をよぎった。
2週連続狙われるなんて!
金曜ロードショージブリ2週連続!なら嬉しいのにそれとは大違い!!
点数はまだあるから別にいい。免停になって車が乗れず仕事にならなくても良いが問題は支払いだ。私はとにかく警察に金を払いたくなくて「もうしません。気づかなかったんです!!こんなクッソ田舎で道に迷ってこれから札幌に戻ってブラック企業のアレコレをしないといけないんです!!だからやめて下さい!!!」と交渉した。
だが警察は「それならいいよ」とは言わない。
「えー電話しながら話してる車見つけたから追いかける!って言って出てきちゃったから捕まえないとダメなんだよー」と怖いことを言ってくる。
でもこの警察なんだか弱気。
映画なら真っ先に転んでゾンビにやられるキャラ。
私は押せばイケるんじゃないかと思った。
「初めての違反?」と聞かれ首を縦に高速に163回降った。
先週のやつはまだバレてない。
「だからどうかお願いです。ご勘弁下さい」と説得する。
「いやーでもなぁー…あ!そしたら札幌でしょ?かわいそうだから今度飲みに連れてってあげるよ!」と提案をされた。
「いや私そんなに酒飲まないし知らない人と行きたくない!!移動代と酒代かかるくらいならこの違反分の金をくれ!同情するなら金をくれ!!同情するならナンパするな!というかそもそもナンパするな!!!」と言った。
「え?でも良くない?美味しいもの食べさせてあげるよ?」と相手もめげない。
でも私は飲みに行くより支払いたくないので「じゃあ今は現金下さい」と言ったが笑われた。くそ!使えない警察め!!!!!
飲み代いらないから今すぐ金くれ!
同じ金だろ!よこしてくれよ!それなら違反切符切ってもいい!!
そんなやりとりをしばらくしたが結局金は貰えず点数は引かれ後日請求される事が決まった。
あの時もヤバい警察だなと思っていたが今思い出しても相当ヤバいなと思っている。