山田ジャパン『大渋滞2024』なんっっていい舞台だったんだろう
「終わらせたくても来ちゃうのが続きなんだから」
「肯定できる続きになるようになじませろ」
赤坂からの帰りの電車で、作品の中にいっぱい散りばめられた心に刺さる言葉たちや、演者のみなさまの数々の煌めきををゆっくり噛みしめ振り返る時間が本当に至福な10日間でした。
山田ジャパンさん、今回もまた幸せな観劇体験を本当にありがとうございました。
配信アーカイブ期間も終わってしまったということで、忘れたくないこの観劇体験の感想と思い出を自分用に残しておくことにしました。
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「畑中和也」さんってモトヤさんや圭介さんのせいで作中で一番フルネームで記憶に残ってる気がする(笑)櫻井さんはとにかくめちゃくちゃイケボだしお美しかった!なのに振り切った「ギューーン」の血走った眼には毎回笑わせていただいたし「寒くないかい」との振り幅もお見事でした。「まだ何か…?」のめっちゃ嫌そうなお顔、すみれさんに詰められてるときの震え顔、「俺らが乗ったとこだあああ!」の高揚したお顔…本当に表情豊かだし、冒頭にも書いた「肯定できる続きになるようになじませろってことでしょ」のところは、表情だけでなく話し方も本当にやわらかくて優しくて、最初の頃とは全然違っていて特に印象深かったです。素敵な俳優さんでした。
すみれさんのお美しさはもう本当に生で拝めて幸せでした。ついに車を降りることになりみんなでワイワイと撮影するシーン、前方席の時はいつも「私も私も~!」とうっかりカメラを出しそうになるほどでした(ちなみに後方の黒塗りフルスモークの方もいつもめちゃ混ざりたそうにしてましたね!笑)育ちのいいお嬢さまの発する「なんだコイツ」「キッチィ~~な…」「このケダモノ!」むしろリアリティがあってすごく良かったです(笑)そして清水さん、お姿だけでなくお声もステキで滑舌よくてとにかくセリフが聞き取りやすかった。あと私的に一番かわいいと思ったのは、川澄夫妻にいさめられたのをすぐ素直に受け入れて「ごめんね和也さん」って言うときのお顔。あんな風にごめんねが言えるならもうこの二人の未来は安泰です。カテコで一度、目の前の清水さんに見惚れていた時にバッチリ目が合ってしまい…あの時のステキな笑顔が忘れられません。ハート射抜かれました(笑)
「シガレットラバーレコーズ」をどんな"そこそこカッコいい"が見れるだろうってつい本当に検索してしまったのは私だけではないのでは⁉︎ボーカルは誰なんだろう⁉︎(佳奈さんの「一節聴きたいです!」の返しからするとモトヤさんなのかな?)たった2時間の作中でのエピソードだけなのに、バンドの20年の歴史に思いを馳せてしまったよ…マッチ飲んでみたい。
カリスマモトヤさんの包容力は絶対に薄皮一枚なんかじゃないよね…ラス1の煙草を元カノのエリさんにあげちゃうところ、文句言いつつもなんかシンペーのことも見守ってる感…きっともうちょっと若い頃はめっちゃモテてたんだろうな~(失礼w)「仕事に小さいも大きいもねぇから文句言わずに一生懸命やった方がいいよ」カッコいい〜!(拍手)
でもエジプトの壁画も7千円のうち3千円なのも意味わかんなくてなんか残念だしおかしいし、本当に見てて飽きない方でした。国木田さんが逃走しちゃって、てんやわんや大騒ぎのシーンではめっちゃ愉快そうに野次馬っぽく踊ってたところ、ケーブルテレビって言われたときのトボけた反応、不幸クレクレのところ、いつもすごくおもしろかったです。名曲は何回でも聴けるよね。
エリさんはライブのステージではどんなパフォーマンスをするんだろうって見てみたい人ナンバーワン。きっとすごくカッケェ~んだろうな~!9頭身なのかな?ってくらいスタイルよくてお綺麗な長江さんのロックなお姿めちゃくちゃ目の保養でした。「いい~やつじゃんか!」「晴れの姿だよ!だってキレイじゃんか!」って真っ直ぐ言えるのホントいい人。なのになんで充電器は貸してあげないんだろう?って最初は不思議だったんだけど、エリさんって見た目は派手だけど、きっとすごくしっかりしてて倹約家だったりするんだろうな〜って思うようになりました。めちゃくちゃ古いiPhone使ってるわけだし。マジックアワーではおセンチになってたけど、なんだかんだすごくシンペーが好きなんだと感じるし、きっと幸せになれると思います。いつかエリさんも素敵なウェディングドレス着れますように。
シンペーさんの「アザーーッス!!」のシーン、最初は笑って見てたんだけど回を重ねるごとに胸に来るものがすごくてもう毎回ウルウルしちゃってました。そもそもあれだけ強い意志で「役者を辞める」って宣言してた圭介さんの気持ちが揺らぐだけの"説得力”がそこには必要だったんですよね。シンペーさんなりのこれまでずっと抱えてきた苦悩や葛藤が激流のごとく押し寄せてきて、その熱量にはすごい説得力がありました。それ故、そこからのコバさんのマジの涙の訴えのところは本当に名シーンだったと思います。でもあのポーズは夜の高速に本当に似合わなかった(笑)いや、すごい鍛えてらっしゃるの本当にカッコいいし素晴らしいです!(筋肉に拍手)
佳奈さんの絶妙な表情と間には本当にたくさん笑わせてもらったし「どーなんだか」と「んもぅ~なんなのよ~」が最近のマイブームなんだけど、家族には嫌がられています(笑)
佳奈さんの涙の「好きだったよ」には本当にいつももらい泣きしたな〜。作中では全く描かれてはいないこれまでの親子の会話だったり異母姉妹の関わりだったりが何となく想像できて…でも死に目には会えなくて、最後に本音で「ありがとう」や「好きだった」が伝えられないままになってしまったのかなという切なさがそこにはありました。大切な人には伝えられるときに想いはちゃんと伝えておかないとね…。あとラスト、圭介さんの影を踏みに行ってたの可愛かったです。
千尋さんのスナックのママならではの"ちょっといろんな裏事情に詳しい感"がよかったです。それと「お父さん」とのラインを読み上げるシーンはもう毎回めちゃくちゃ泣かされました。「ちーちゃん」と呼ばれ、マメに連絡してきてくれてたあたり、きっとすごく優しくお父さんの相手してあげてたんだよね。川澄夫妻にとって千尋さんの言葉は前を向く、続きを考えてみようとする手助けになったんですものね。あと失敗ウェディングのトレンド入りをサラ~っと伝えてくる感じもいつもおもしろかったです。一番好きだったセリフは「変な走り方、編み出してんじゃねーよっ!」(笑)
藤村さんは私の中で「理想の上司」かなり上位にランクインです!車に乗り込んでる面々とは全く違う立場だから空気感を変えないといけないし、キビキビと真面目に仕事をこなしつつも部下の大竹さんや"濃いゾーン"のみんなに振り回されて、どこか可笑しみもないといけないなんて難しそうな役だな~って思いました。国木田さんの取り調べでのやり取りはテンポも良くて本当に大好きでいつもめちゃくちゃ楽しみなシーンだったし、ラストなんだかんだ入ってくれてた集合写真でのあの何とも言えない作り笑顔、最高でした(笑)藤村さんにはこれからもずっとメジャーリーグで闘っていってほしいです!
大竹さんの一番好きな顔は、ラストで国木田さんに「おい大竹!クルマ大事にしろよ!」って頼まれてたときの、ぜんっぜん大事にしなそうな「へへっ」って笑い顔。全くアテにならなそうで笑った。国木田さんが取り調べの時に「あのクルマ、怖ぇ~だろ!カッケェ~だろ!」って言ってるときは「さぁね~…」みたいな顔して目をそらしてないで「そうだね!」って顔してうなづいてあげてよ!って。あのクルマ自慢からのシーンではいつも涙が込み上げてた国木田ファンとしてはいつも心の中で不満でした(笑)「交通警察隊」なんて本来は堅い役どころのイメージなのに、たかが千円で犯人逃がしちゃう人物っていうのを随所で本当にうまく表現されてたなぁって思いました。愛称蔑称に続いて今井さんのお芝居なんか独特でとても好きです。大竹おもろかった!
ミツルさんのキャラについては、正直にキモかったって言っていいのかな?(笑)キモいで正解だと思うから誉め言葉です!むしろあのわずかな尺で絶対に「キモい」と思わせないといけない役なんだから責任重大ですよね。キモすぎちゃって、”そんなモノ”を見てしまったそのテンションだから圭介さんが重大決心をするわけなんだから、もし中途半端にあんまりキモくなかったら説得力ないですものね。その点お見事だったと思います!後半の金子くるみんちゃんには毎回手を握ってもらえてて、うれC~CC〜でしたね!(実際のハヤトさんはシュッとスタイル良くて物腰が柔らかくとても優しい雰囲気で、よく劇場入口でお迎えしてくださっていましたね!キモいとは正反対の方でした。ありがとうございました)
くるみんちゃんは前半も後半もお2人とも本当にお可愛いらしくて、もうキャラの中身の人間性とかはどうでも…(笑)前半の西雲さんは「…なんでウェディングドレスなんですか?」の間が絶妙で抜群によかったです。後半の金子さんはミツルくんの手を握っちゃうあたり小悪魔みがすごかった!「何かあったんですか?」の野次馬ワクテカな表情とても良かったです。
そしてお2人ともそれぞれロビーで売り子さんもしてくださっていて、それがもう本当に可愛いくて目の保養で毎日お会いするのが楽しみでした。10日間(正確には9日間)通いきったときには西雲さんと喜びのハイタッチさせていただきました(笑)
売り子さんといえば、山田ジャパンさんは劇場にいらっしゃるすべてのスタッフのみなさまがとても感じがよくて親切で、いつもとても気持ちよく観劇させていただいてました。出させていただいたお花のお世話もずっとマメにしてくださっていたみたいで本当に感謝の気持ちでいっぱいです。お忙しい中ありがとうございました!
コバさんが纏ってるあの優しい空気感、嫌いな人なんて誰もいないんじゃないかな。めちゃくちゃ圭介さんのファンなんだなと感じられるのがすごく良かった。絶対コバさんのカメラロール圭介さんだらけでしょう(見たいです!)(みんなですみれさん撮ってるときもチラチラ圭介さんを含めて撮ってましたもんね?笑)そして布施さん、とにかくハンカチの使い方がめちゃくちゃお上手!ハンカチを握る手に人柄が滲み出ていました。特に最後、国木田さんの言うこと聞こえないフリしてハンカチのゴミ取ってるのやめてあげてほしかったです!(笑)
そして愛称蔑称に続き、私はまた布施さんの涙には弱かったです。胸に響きます、つられます。
圭介さんの、そんな愛あるコバさんへの「ヘボマネージャーは黙ってろよ!」「やってらんねぇ〜んだよ!」の怒号はそれまでは明るくて好奇心旺盛なノリがいい若者キャラだった彼の、まさに胸の内で滞り燻っていた苦しみが一気に噴出した激しさがあり、本当に胸が締め付けられるほどの切なさがありました。
実際ファン目線で、マッサージ機と食洗機と、別バージョンマッサージ機の3パターン寸劇(のごく一部)を見た限り「圭介さんの代わりなんていない!」と本当に思ったけどなぁ…コバさんそうでしたよね?
どんどん高まって気持ちを爆発させる感じ、コバさんの情熱に心を打たれ考え直そうと切り替える感じ…感情の波が激しく動くすごく難しいシーンだと感じたけれど、さすがの要くんはめちゃくちゃ自然で説得力がありました。そしてラストシーンの車の窓からみせる表情が印象的で、この作品をポジティブな感情で締めくくっている感じがしてとても良かったです。
国木田さんは初っ端の「オイ、吸えよ(めちゃくちゃ野太いオイ)」から始まり、「オイ…俺はどうなる(めっちゃ細いオイ)」…までに限らず(笑)終始もうお腹が痛くなるほど笑わされっぱなしで、つまりそれってなんて責任重大な役どころであったのだろうと、見事にやり切った勇くんには最大級の拍手を送りたいと思いました。仕方がなかった(?)とはいえコンビニ強盗未遂なんかをやらかしてしまう下っ端のチンピラ役を、ここまで魅力的な愛されキャラに昇華させるのはなかなか出来ることではないと思います。
さっき「終始笑わされた」と書いたけれど、正確には取り調べでの「あれ怖ぇ〜だろ!あれカッケぇ〜だろ!」からの「15年間、ず〜っと極道ごっこやってたんすよ…」のあたりではいつも涙がこみ上げていたし、「終わらせたくても来ちゃうのが続きなんだから」と、続きを放棄しかけた夫妻に話す国木田さんには本当に心打たれました。
そんな夫婦、川澄夫妻とさっき書いたけれど、パンフレットを見たから知ったというだけで作中ではぜんぜんその"お名前"を感じることはありませんでした。"あえて"なのかな…と思うけど。なので、ここでは松田さんとあさこさんで。
松田さんは初見のときはとにかく冒頭第一声からもうおもしろすぎて、"マジックアワーの下手での夫婦語りのシーンまで"はずーーっと笑わされっぱなしでした。絶妙な間や言い方が本当にうますぎてもうどうしても笑ってしまう。
あさこさんもそう、そのシーンまでは「わぁ松田さんとご夫婦役ぴったり〜!」ってニコニコしながら見ていました。夫婦円満のコツを伝授するシーンの(27日まで見れた)すみれさんに顔近すぎバージョンも、(ラスト2日間の)ボンネットしがみつきバージョンも、それと例のセミ芝居もめ〜っちゃ笑った!
だけど私も子を持つ親として"これ以上の悲劇はない"と思うわけなので、そこまでを"心から"めちゃくちゃ笑ってたのも1回目の観劇まででした。
全ての"事情"を知った上で観る2回目からは、夫妻の軽妙なおもしろトークも、明るい笑顔もぜんぶが切なく映って胸が苦しかった…それでもあえて自身で気持ちを騙しながら前半部分は我には返らず笑ってみていたけれども!あさこさんがうっかり我に返りそうになっちゃう「おっとっと…」はいつも泣きそうでした。
みんなそれぞれの事情を抱え、滞り、迷ったり悩んだりしながらも、どうしたって来ちゃうのが続きなんだから、自分でそれを肯定できる続きにできるようになじませていかないと。生きてしっかり自身が落とす足元の影も見ながら歩いていかないと。
ラストはすごく前向きだし「人間っていいな」「人との絆って悪くないな」と思えたし、作中に登場した人々だけでなく、客席にいた誰しもが「明日もがんばろ!」「明日も生きよう」って思えてくる、そんな舞台でした。
未来を悲観するような終わり方では決してないから観劇後の余韻も後味もすごく良いし、だからこそ何回も劇場に足を運んで本当に楽しませていただいたわけだけど、だけどそれでも"我が子を失う悲しみ"はこの先ずっと夫妻から消えることはないし、亡くなった人は二度と帰っては来ないわけだし、殺された教育長にだってその死を悲しむ家族はいたはずなわけだし。
でも生きていく…って簡単じゃないよね。
最愛の我が子を失い、さらには人の命までをも奪ってしまったこの夫妻がこの悲劇がきっかけなんだったとしても、夫婦の絆を取り戻して"続き"を考えていくチカラになりそうなのがとても良かった。
6台のクルマの面々とのつながりが救いになりそうなのも良かった。きっと待ち受ける未来は苦しく辛いことの方が多いとは思うけれど救われてほしい…何とか生きていってほしい、心からそう思いました。
私は二葉兄弟のファンなので、前回の『愛称⇆蔑称』も『大渋滞2024」も観劇させていただいたわけなのですが、先日の千穐楽のカテコではなんとお2人が山田ジャパンに入団するというめちゃくちゃ嬉しい発表もありました!
脚本・演出の山田能龍さんをはじめ、たくさん観させていただいたこの2作品も(その少し前の『流行パトロール』も)山田ジャパン劇団員の皆々さまも、心から大好きと思えたそんな素晴らしい場所、素晴らしい環境の中に応援している大好きな二葉兄弟が仲間入りするということは本当にとてつもなく嬉しくて、今後がますます楽しみで仕方がありません。
いつか劇団で全国ツアー…なんていうステキな夢もチラッと聞こえてきました。きっと実現させてくださいね!
山田ジャパン劇団員となった二葉兄弟をさらに応援しつつ、次はまた来年の9月の本多劇場を楽しみにお待ちしたいと思います。
あ〜いっぱい書いてスッキリした!(笑)
ありがとうございました。