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若蘆の一番槍と水出づる
わかあしのいちばんやりとみずいづる
ごきげんよう。今日もお暑い一日でしたわね。上着を脱いでも汗ばむような陽気の昼下がりでしたわ。
ということで今回は少し涼しげに水辺の葦と撮ってまいりましたわ。七十二候「葭始生(あしはじめてしょうず)」ということで、ちょうど葭の芽が芽吹き始めまして緑豊かな水面の季節ですこと。
葦と申しますと水辺に良く茂っている植物ですけれども、わたくしはむしろ漢字の「葦」のほうが気になりますわ。と申しますのも漢字の種類がまことに多いのです。「葦、芦、蘆、葭」一種類の植物を表現するのにこれほど異なる漢字を持つものは他にあるのかしら。
何かそれぞれに意味の違いがあるのかしらね――。
それと「蘆」の漢字を見ますと、わたくしはなんとなく徳富蘆花さまを思い出さずにはいられないですわ。蘆の花というのは仲秋の季語ですわね。「見どころ無き花をかえって愛する」という心境だそうですわ。
盧の新芽は春の季語、青蘆は三夏の季語に採られております。これほど多彩な形で歳時記に収録されている「葭」という植物。古来から日本人にとって馴染みの深い植物だったということがここからもなんだか伺えますわね。
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