『生きてさえいればいい。』
自分が高校を卒業出来るのか不安になっていた時、
画塾の先生は言った。
「生きてさえいればいい。」
退職してこれから歩む道を悩んでいた時、
画塾の先生は言った。
「生きてさえいればいい。」
自分は
「生きてさえいればいい。」
という言葉に救われている。
画塾に通ったきっかけは、
芸術大学への入学が決まったこと。
自分は特に絵が好きとかデザインが好きというわけではない。
もちろん知識や技量もない。
しかしなぜか色んな大学のパンフレットを見たり、足を運んだ中で1番興味を持って通いたいと思ったのが、
芸術大学だった。
その大学にはAO入試で合格をして、
入学することが決まった。
しかし知識や技量がないまま、
大学に行くのは良くないだろうという話になり、それを埋めるために画塾に通っていた。
3ヶ月程だった。
短い期間でしか関わっていないのに、
悩んだり不安になった時は、
話を聞いてくれた。
声をかけてくれた。
毎回暖かいお茶を入れてくれた。
短い期間でしか関わっていないけれど、
その先生のそれまでの人生の中で
苦しいことが沢山あったことが
話をしていると分かる。
全てはまだ分かりきっていないけれど
「生きてさえいればいい。」
と言えるのも分かる。
簡単に言っていないことも分かる。
「生きてさえいればいい。」
という言葉に救われていても、
生きることに悩む自分がいる。
でも生きなければ悩むことすら出来ないから。
少なからず、答えが出るまでは生きなければならないと思う。