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「気持ちのいい朝」のつくり方
「気持ちのいい朝」と聞いてイメージするのはどんな朝だろう。
すっきりとした目覚め、いいお天気、ちょうどいい気温、鳥のさえずり…。
そんなことを頭の中でイメージしていたら、わたしが理想としている朝にはある「共通点」があることに気が付いた。
それはお天気でも、気温でもなく、当たり前のように家の中がきれいに片付いているということだ。
すっきりと目覚められて、外はいいお天気で、チュンチュンと鳥のさえずりが聞こえてきても、自分がいる空間が散らかっていたり汚れていたりしたら、気持ちよさは小さくなってしまう気がする。
もしかしたら、「きれいな空間」は「気持ちのいい朝」を作るために一番大切な要素なのではないだろうか。
しかし、その「きれいな空間」のためには、あの苦行を乗り越えなくてはならない。
そう、そう…、そうじである。
ただわたしももう何年もわたしをやっている「わたしのスペシャリスト」。
そこはそうじの後のご褒美をしっかりと用意してあげればいい(フッ、簡単なヤツめ)。
というわけで、今回の朝の工夫は「起きたらそうじをして、ハーブティーで一息つく」です。
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***
仕事終わりの一杯ならぬ「朝そうじ終わりの一杯」の前に
土曜日の朝、目覚めたら9時半だった。
アラームは7時にセットしていたので少し悔しい。でも、せっかくの休日。くよくよしていたらもったいないので、「起きたときが朝」と自分に言い聞かせる。
そうじの前に、まずは自分と植物に水やりをする。
白湯を片手にベランダで育てているパクチーとトマト(これから実がなる予定)に水をあげる。
おっ、パクチーはだいぶ伸びてきたので収穫しよう。
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水やりを終え、「ハーブティー&朝ごはん」を楽しみにいよいよそうじに取りかかる。
まずは、おふろ。小窓を開ける。
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排水溝のパーツを外して、絡まっているゴミや汚れをとってから水で洗い流す。水洗いしたパーツと床に洗剤をシュッシュッと吹きかけ、汚れがなじんで浮き出るように少しの間放っておく。
よし!その間に、毎日たくさんお世話になっているトイレへ。
トイレそうじは、すべての汚れを落とした後に水を流すときが、気持ちがスッとするので好きだ。水が勢いよく渦を巻いて、汚れが一瞬で流れていく。
あゝ、日々の鬱憤もこんな風に一瞬で流せたら……。
再び床に洗剤をなじませていたおふろ場に戻り、くしゅくしゅと泡立てたスポンジで床をせっせとみがく。
スポンジで落としきれない汚れは、使い終えた歯ブラシでこすると面白いくらいきれいに落ちる。
汚れている箇所は少ないほうがいいはずなのに、いつの間にか汚れを落とす気持ちよさから汚れに目を輝かせてしまう。
もはや、そうじをしているというよりも、汚れを落とすゲームをしているような感覚だ。
最後にシャワーでさーっと流すと、泡とともに汚れが排水溝に流れていく。床が「ピカッ」としてうれしいし、心なしか、おふろ場自身も気持ちよさそうに見える。
そしてわたしはここで、今までは気づかなかったそうじの魅力に気づいた。
そうじには、空間がきれいになっていく気持ちよさもあるけど、同時に、水に触れること自体が気持ちいいのだ。
どうやらわたしは、水に触れると元気になるタイプの水属性の人間なのかもしれない。
水回りのそうじを終えたら、今度は家中の床をきれいにする。
天気のいい朝は外が明るいので、ほこりがよく見えてそうじがしやすい。
それにしても、髪の毛っていくらそうじしても次から次へとでてくる。
家中の床を一周した後のフローリングワイパーの表面を見ると真っ黒で毎回おどろく。
「うわー!こんなに黒い!」と顔をしかめて大げさにリアクションしながら、内心ちょっとうれしい。汚れがごっそり取れれば取れるほど快感だ。
ふう、がんばった!
***
おまちかねのティータイムへ
そうじを終えて、おまちかねのハーブティー&朝ごはんタイム。
待ってました待ってました。
この楽しみがあったから、テキパキと動けてそうじがはかどった。
時刻は11時前。そうじはいい運動にもなるようで、おなかはすっかりペコペコだ。
パンを焼いて、
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ハーブティーを淹れて、
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サラダとトーストのお供も用意し、ランチョンマットも敷いちゃって、完成っ!
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窓を網戸にすると風が入ってきて気持ちいい。
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スマホで好きな動画を見ながらゆっくり味わった。
自分の手できれいに整えた空間でごはんを食べていると、さわやかな気分になる。身の回りをきれいにすることは、自分の心のホコリまでも取りはらう効果があるのかもしれない。
それに、朝からそうじをしたという達成感は、おいしいごはんをもっとおいしくしてくれた。
「空腹は最上の調味料」というのを聞いたことがあるが、「朝のそうじ」の達成感も最上の調味料になる。
それに、起きて一番先にそうじをしたので、このあとはきれいな部屋で一日を過ごせるのもうれしい。
***
「気持ちのいい朝」がより一層輝く、朝そうじ
「気持ちのいい朝を過ごしたい」と思ったとき、はじめに考えたのは、自分に何を与えたら満たされるかということだった。
たとえば、太陽の光だったり、朝の空気だったり、好きな音楽だったり、おいしい朝ごはんだったり。これらももちろん大切だ。
でもそれは、「そこにいて心地のいい空間」という土台があることで、より一層尊く感じられるのかもしれない。
とは言っても、朝いちばんにそうじなんてめんどうくさい!と思う日も絶対絶対ある。
そんなときは、「朝のそうじが終わったら、必ず好きなことをする」と決めてみようと思う。
「好きなことをするためにそうじをしていたら、家もきれいになって、ただ好きなことをするよりもっといい気分で好きなことができちゃった」なんて、最高じゃないか。