国内ワクチン流通の難しさについて「ガイアの夜明け」21/07/30金 放映より
以前、私たちが受けられるワクチンでどのようなことになっているのかと0から知らない状態で調べたことがありました。
基本的に現時点で利用する可能性があるのはファイザー、モデルナ社製。アストラゼネカやジョンソン・エンド・ジョンソン製はよっぽどツテでもないと関わる可能性はない、さらに前者よりも有効性が低いとされている。
なぜ簡単に造れないのか
経済の基本的な動きに従って考えて、その必要数が足りないなどという状況であればそこには需要が発生しているということになります。つまりワクチンを製造することはメーカーにとって利点しかないはず。
そこで国産(ウイルスが伝播するという意味で「産」という感覚が正しいのかどうか不明ですが)の注射ぐらいあってもええやろ!!ガハハと簡単に考えていたら全く簡単にはことが立ち行かないらしい。
国家からの承認を受けるために何度も実験をしなければならないし、その実験にもさまざまな規定とか制約みたいなものがある。その規定や制限を突破するには民間企業のちからが及ぶ範囲だけでは立ち行かない場合もあるというのが概要でした。
資料はテレビ番組であり、繋げられる環境さえあればどなたでも見れます。ただし時限つき。
8月13日(金) 22:53 終了予定
https://tver.jp/corner/f0080405
国産ワクチンをKMバイオロジクス社が開発中
明治HD傘下のKMバイオロジクス(株)は本ワクチン製造に社運をかけていると描写されるほどに力を入れている。
上記で挙げた需要を満たすべく関わっているのかといえばそうではなく、なぜワクチンを創るのかという理由として主軸に掲げられた(あるいは控え目にか細く主張された)内容は、「前身の企業時代にユーザを裏切ってしまったため、汚名を払拭したい」というものでした。
ユーザを裏切ったという不祥事とは、母体であった化血研が引き起こした事件のこと。
化血研(化学及血清療法研究所)は、旧熊本医科大学(現在の熊本大学医学部)の研究所を母体に、1945年に設立された一般財団法人です。インフルエンザや日本脳炎、肝炎などを防ぐワクチンや、人の血液を原料にした血液製剤などを製造しており、約1900人の従業員を抱え、売上高475億円(2015年3月期)にのぼる熊本有数の大会社です。
https://www.kkt.jp/matome/kaketsuken/
化血研は1980年代に、熱を加えずに作った血液製剤を使用した患者さんがエイズウイルスに感染した薬害エイズ事件をめぐり、被告企業の1つとして訴えられていました。この裁判は1996年に和解が成立しましたが、化血研は和解にあわせて「安全な医薬品を供給する義務を深く自覚し、同じことを二度と繰り返さない」と誓っていました。しかし、その誓いの裏で、当時も不正は続けられていました。
隠蔽方法ですがかなり手が込んでいます。
国の承認内容に沿ったうその記録部分にはゴシック体を、査察の際に隠す部分は明朝体で記載し、国の査察に対して見せる内容を変えていました(下写真左)。公にはできない本当の製造記録については、「2.5ページ」などとして記録にはさんでおき、査察の際はこの部分を引き抜いていました。(同中)過去の製造記録を書き直す際には紙を古く見せるために紫外線をあて、承認欄には筆跡が似ている人にサインさせたりしていました(同右)。国の承認に沿った想定問答集を作成し、査察に対する予行演習まで行っていたそうです。
このほかに、化血研は動物用のワクチンを国の承認とは異なる方法で製造し、猛毒のボツリヌス毒素を必要な届けを出さずに車で運んでいたことも明らかになりました。
自分の研究や開発をなにかに間に合わせるためなら手段は選ばない感じ、寧ろそちらに事業部を持ち得ているのではと思わされるほどの組織・システム化が匂わされています。
改竄方法のシステム化、果てはオートメーション化ぐらいしていたのではないかとすら思えるような寧ろ「物事を改竄、隠蔽することに長けたチームでさえあった」と形容できてしまいそうな組織だった。
前身は不祥事があったところで改善できる体質を持っていなかった
この時の反省が事件後も活かされなかったようで、2015年には経営陣の理事たちが退職したがその後、体質改善のためには事業譲渡しかないという結論になったにもかかわらず化血研という組織は断固存続させることしか考えていないことを表明。
譲渡先候補との協議も破断となるほどの結果となり、上部をすげ替えても根本的に変わっていなかったように思わされます。その後も未承認の方法で薬剤を製造し行政処分を受ける、理事に弁護士を迎え風通しの変化をアピールなど悪あがきにも見えるような行動を取っていた。
最終的に現状の事業譲渡に至るまで赤字が続き、熊本地震によりさらに徹底的な赤字計上となることが確定したものの「次年度は黒字転換できる」との姿勢を貫いていた。
後記
過去を見る限りだと、それまでは単純に恐ろしい団体だった。人命に関わるという性質を帯びた「薬剤」を製造する団体としてこれほど不適当な例もあるのだろうかと思わされるほどでしょう。
ここまでの惨状を目にしたのであれば、現社長がワクチン製造に意気込む理由も推し量れたような気もします。それでは次回はKMバイオロジクスの現状はどのようなものか、ワクチン製造がどのように難しいのか見ていきます。お読みくださりありがとうございました。
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