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ネタバレを乗り越えた末にたどり着いた、機動戦士ガンダムSEED FREEDOM感想

ガンダムSEED FREEDOMを見てきた。

本当ならもう少し経って混雑が落ち着いてから見に行こうと思っていたのだが、日がな見ているTwitter界隈で関連ワードをミュートしていてもそこかしこでネタバレのキーワードが漏れるわ、自分がよく見ているブログでもネタバレ感想がアップされるわでヒヤヒヤする毎日。

このまま先送りしてもいつか重大なネタバレを踏んでしまう予感がして、公開から1週間たった先日の土曜日に見に行った。早い話がさっさと見てしまってネタバレに怯える日々に終止符を打ちたかったのである。

チケットを予約後もYouTubeを開いたら非常にヤバイ投稿が目に飛び込んできたり、Twitterでキャラクターの名前がトレンドにあがったりと最後までヒヤヒヤさせられたが、何とか重大なネタバレを踏むことなく映画館に飛び込むことができた。

ここからはSEED FREEDOMのネタバレを含んだ感想。

ネタバレの海をかき分けて、翔べフリーダム!






今回の謎

SEEDシリーズの特徴の一つが、オープニングで後半主役機の情報を小出しにしているところ。

2クール目のオープニングでシルエットが、3クール目では実機が登場して、という流れが基本。総集編やバンクシーンで物語が遅々として進まない間もいつ新しい機体が登場するのか、誰が乗るのかと言った考察をネット上で観るのが楽しみのひとつだった。

今回も最初に公開された機体をみて後半絶対何かあるな、と思わせるものがあった。

キラが乗っていたライジングフリーダムだが、デスティニーの本体に旧フリーダムのウイングとレールガンを装備。ストライクフリーダムとは明らかに弱体化されたデザインに見えた。

ネット上では「後半で真の主役機が登場するのでは」という議論がされていた。中には予告編で一瞬映った本のタイトルが「アカツキ」だったのを発見していた。恐るべし考察班。

ライジングフリーダムが破壊されたあと後半ではその謎が解かれ、出てきたのはストライクフリーダム。いかにもSEEDらしいこのシーンは、真打ち登場!という興奮するシチュエーションだった。


シンちゃんのやることなすことが可愛い

DESTINYの主人公だったのに、最後はキラに主役の座を奪われてしまった可哀そうな終わり方をしたシン・アスカ。本作ではかわいいキャラに変身する。

キラの信頼を得ようと一生懸命頑張っている姿にまずニヤニヤ。晩餐会ではラクスが相手方の宰相と親しげに話していて、キラが悲しそうな顔をする不穏な雰囲気の中、一心不乱に食事を頬張っている姿が可愛い

同僚のあおりにもぐっとこらえるところを見せて成長したんだと思わせていたが、キラとアスランが殴り合いをしている場面では瞬間湯沸かし器のごとくアスランに殴りかかっていく。アスランに対してだけは見境なく食って掛かるところは相変わらずでクスリときた。

そんなシンを呆れながら、ハラハラしながら見守っているルナマリア。ラクスを追いかけるためミレニアムを乗っ取ろうと潜入したシンだったが、ルナマリアに投げ飛ばされた場面では思わず吹き出しそうになった。

最終決戦では何とデスティニーに搭乗。個人的に希望はあってもインパルスに乗るんかな、と思っていた。いやせめてデスティニーシルエットで戦ってほしかったと思っていたら、まさかのデスティニー。シンがデスティニーを見たときにニタっとしていたが、このシーンを見て思わずニンマリしてしまった。


シホ・ハーネンフース

画像はGジェネレーションクロスレイズ

個人的にSEEDシリーズ一番のヒロインであり、推し。

TV版では本編とエンディングでちょいちょい登場していたし、ゲーム上や外伝「ASTRAY」などメディアミックス版ではセリフ付きで登場していたが、本編ではセリフのないミステリアスなところが魅力の少女。劇場版でも見たいと思っていたのだが、期待通り登場したばかりか初めて声がついた。

ついに本編で声を出した!
これだけでも胸熱ですよ。

次回作は必ずヒロインでお願いします、福田さん!

もうストーリーはどうでもいい終盤

最終決戦はメチャクチャだ。

ここぞとばかりに旧TVシリーズで出演していたキャラクターたちがワラワラと現れて、ついて行くのがやっとだった。

キャラクターだけではなく、楽曲もそうだ。DESTINYでインパルス発進時に流れる曲を背景にデスティニーとインパルスが躍動し、マイティーストライクフリーダムに合体したところでは真打ち登場とばかりに「Meteor」までもが流れてくる。

箇条書きにすると

・イザークとディアッカがデュエルとバスターにミーティアをくっつけて出撃
・地球でカガリのお供でミリアリアとサイが登場。見逃したがカズィも出ていたらしい。
・ルナマリアとアグネスが罵りあいながら戦う。
・バルトフェルド隊長がプラントのクーデター鎮圧を指揮
・アカツキがレクイエムのビームすら反射。
・オーブの戦艦クサナギが登場
・キサカ一佐がラクスを人質にとった敵兵のナイフをピンポイント狙撃
・バッテリーの減ったインパルスをデスティニーがデュートリオンビームを照射して回復させる。
・ルナマリアとアグネスが引き続き罵り合って戦う。

これ以外にも見逃した部分がたくさんあるかもしれない。目まぐるしく色んなキャラクターが現れて目が回ってしまった。


精神攻撃と石破ラブラブ天驚拳

極めつけはシン・アスラン・キラ(&ラクス)の戦い方だ。

連係攻撃をしかけるアコード4人に対して、シンは完全な分身攻撃を仕掛けて錯乱。ならばと精神攻撃を仕掛けようとアコードの面々だが、そこに出てきたのはステラ・ルーシュの残影。シンを守るといって(自主規制)に変身したイメージを見たアコードたちを恐怖に陥れ、大剣・ビーム砲、最後はパルマ・フィオキーナとデスティニーの持つ武装フルコースを見舞ってやっつける。

前の戦闘では圧倒されていたアコードの連中に対し「ジャスティスだから負けたんだ!」というセリフ。やっぱりシンはアスランが大嫌いなのだ。

次にアスラン。思考を読むという敵の攻撃に対し、地球にいるカガリの遠隔操作によって敵の攻撃を封じる頭脳作戦を展開。こちらも精神攻撃を仕掛けようとするが、なんと浮かび上がってきたのはカガリの裸。混乱から立ち直り何とかジャスティスに手傷を負わせたが最後は頭部の角から出たビームブレイドでトドメをさされてしまう。本作では終始生真面目な表情のまま戦っているアスランだが、ズゴックで戦ったり、けしからん妄想をしたりとそのギャップがまた面白い。

たまらないのは真面目に戦闘をしかけた相手のシュラ。およそ武士道からかけ離れた戦い方に「恥ずかしいと思わないのか、ガンダム!」という叫びが脳裏に浮かび上がった。

そして、キラとラクス。
ストライクフリーダムと追加武装プラウドディフェンダーが合体しマイティーストライクフリーダムと化した機体はもはや無敵。敵の攻撃は全く受け付けず、額からビームを放出して要塞越しに敵戦艦を切り裂いて次々と無力化。ラスボスもあっさりと倒してはい終了。

キラ「申請します」
ラクス「承認します」
唐突に部下が上司の決裁を求める流れ必要だったか?

最後、愛を取り戻したキラとラクスはいつの間にか浜辺で裸になって抱き合っている。

見終わったあと

物語としてはまともではない。前半こそ未だ収束を見せない世界情勢にキラやラクスたちの苦悩が描かれているガンダムらしい展開だったが、後半部分は「テーマ?そんなのどうでもいいからみんなの活躍を心ゆくまで堪能してね」とばかりに旧作のキャラクターたちを大量投入して収拾がつかなくなっている。

ただ、キラとラクスがお互いの愛を確かめるためだけの物語だった気がする。まさに「保志の鼓動は愛」。戦乱は解決していないみたいだけどね。

他の部分は完全にMSやキャラクターたちの活躍をかっこ良く見せる演出に振り切っていて、宇宙空間でキラが終わらない戦いの輪廻に涙を流すSEEDのラストも、同じ平和な世界を望んでいるのに対立しなければならない判然としないDESTINYのラストも、全部FREEDOMが持って行ってしまった。

でも、それがいい。

テレビ時代はバンクや総集編の多く遅々として進まない物語に業を煮やしたり、パクりが多すぎるとかファースト厨とSEED厨のいがみ合いとか色々軋轢もあつめたけれども、FREEDOMは批判の声を綺麗さっぱり流し去ってくれた。バンクの象徴で批判の多かったニコルのあのシーン、劇場版でも流れてきたけど「まーたニコルのあれが出てきてるよ」と笑い流す声が多かったように見える。

ネタバレに怯える重みから解放され、色々なシーンを思い出し笑いながら帰路についた。



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