引きこもり生活したい!と切羽詰まったメンタルにある人は20-24歳層が最も多い!?
こんにちは、未来を数字にプロジェクトです。
「若者の初体験」あれこれについて調査した結果をお伝えしています。
本日のテーマは「ひきこもり生活」です。
いつの頃からか、「ひきこもり」というワードが当たり前のように使われるようになってきました。
一般的にあまり良いイメージが無いワードですが、メンタルヘルスの重要性が社会的に認知されるようになってきた最近では、良いとは言わないまでも、一概にダメであるとレッテルを貼るようなことはなくなってきました。
そして、強制的に”引きこもり”をやめさせるのではなく、自分の意志で抜け出せる支援をするという流れを重視するようになりましたね。
また近年、より注目されるのは中高年の引きこもり。
バブル経済崩壊後の厳しい就活時期を迎えた団塊ジュニア世代以下、現30代後半~40代半ばの中高年は、非正規雇用から抜け出すことができないままの方も多く、一説には60万人もの引きこもりが存在するという試算もあります。
このような中、現在の若者たちの引きこもり生活の実態について整理しました。
まず若者全体の19.3%、実に5人に1人程度もが、これまでに何かしらの引きこもり生活の経験があるという結果なっていました。
うち現在も引きこもり生活にあるのが、10.7%で10人に1人となっています。
また、その約半数が引きこもり生活から抜け出すことを考えていますが、「やめたいけどやめられない」という若者が多く含まれます。
さらに引きこもり生活の経験の無い若者であっても、全体の8.7%が今後の引きこもり生活を考えており、うち3.5%が1年以内にはじめることを考えていました。
率直に言って、経験者の割合など、実態より多いのではないか?というのが印象です。
検証確認することはできませんが、原因としてサンプリング誤差(例えば、調査手段がインターネット調査であったことによるバイアス)、もしくは回答誤差(例えば、時間や期間を問わなかったことに起因する拡大解釈)などが考えられます。
ただいずれにせよ、現代の若者においても一定数以上の引きこもり者が存在するということは確認できました。
これについて性別、年齢区分別、居住地別にも整理しました。
性別では未経験者における今後の関心の高さについて、男性>女性となっています。
一般的に引きこもりは男性の方が多いと言われていますが、意外にも経験者の割合についての明らかな男女差は確認できませんでした。
(調査対象が若者世代に限定していたことがその原因として考えられます。)
しかし経験者率について、男性は25-29歳層が突出して高く、女性は25-29歳層と30-34歳層が同水準で他の年齢階層より一段高いという異なる傾向を示していました。
年齢区分別には、年齢階層が上がるほど経験者の割合が高くなる傾向にありました。
ただし25-29歳層をピークに、30-34歳層になると割合が縮小します。
(これら傾向は他の多くの内容でも同様の傾向にありました。)
さらに興味深いと思ったのは、未経験者における今後の引きこもり生活への関心の高さです。
全体として、15-29歳層と30-34歳層でやや違いはあるものの関心の高さに大きな違いはありません。
ところが、”1年以内”と期限を区切ると状況は異なります。
男性の場合、20-24歳層以上ではほぼ一定の割合を示しているのに対し、女性の場合は20-24歳層をピークにそれより上の年齢階層では割合が小さくなっています。
これはおそらく、男女における仕事と家庭の環境変化の違いに起因するものではないかと推察します。
居住地については、未経験者の今後の引きこもり生活への関心の高さにおいて、首都圏居住者<近畿圏居住者となっています。
引きこもりについては、職の内容や有無なども大いに関係していることから、就職環境がより厳しそうな近畿圏居住者での関心が高いのではないでしょうか。
今春、矢野経済研究所 未来企画室は新プロジェクトを始動しました。 『未来を数字に』をコンセプトに、独自の切り口で、今はまだ数値化されていない未来の価値や潜在価値などを、あれこれ数字で表現していきます。