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未来を読み解くための「アイデア・プロセッシング」編:ダイジェスト

●準備

まずは、アイデア・プロセッシングの準備運動。

推論、類推のおさらい。アブダクション(仮説推論)とか知らない方はざっと目を通してね。

●仮説推論と類推で紡ぐ「未来の物語」
仮説推論という考え方
未来を読み解くためのアブダクション(仮説推論)
未来を読み解くための「類推」

●未来を読み解くためのモデル

ここからは、本書オリジナルのモデルを使って、未来を読み解くというお話し。前編のエッセンスをモデルにして、今足りないものを発見するために使う。

1)「ミクロ・マクロ・ネットワーク」モデル

初期のPCやアレクサなど、単体で孤立したメディアやサービスはまだ過渡期だと考えた方がいい。Googleが登場する前に、いくつもの検索エンジンがあった、それらがすべて駆逐されてしまったのはなぜか?


ヒトの未来に強い影響をあたえるモノは、ネットワークでつながり、プラットフォームをつくり、ネットワークに記憶して、フィードバックループを形成する。


今たりないものは何か、自分が考えている未来に足りないものは何かを確認するためのチェックリストが「ミクロ・マクロ・ネットワーク」モデルだ。

2)未来を読み解くための「ヒトー文化共進化」モデル

ヒトは加速度的にスピードアップしながら、文明をひろげている。その源泉となっているのが「ヒトー文化」の共進化であり、それをささえる「集団規模ーコミュニケーション能力」の共進化だ。メディア論にもつながる、基本原理を認識せずに、未来を読み解くことはできない。


3)未来を読み解くための「革新的変化」モデル

生命進化、ヒトの誕生、農業革命、産業革命、「革新的変化」が発生するときには、固有のパターンが存在する。

コンピュータ革命やネットワーク革命は、これから起こる「革新的な変化」の前兆でしかないとしたら、今何が起こっているのかを認識しなければならない。


●アイデア・プロセッシング

ここからは、アイデア、コンセプトを文字化するまでのプロセスを整理する。

●アイデア・プロセッシング概要

Step1: 課題抽出・課題設定

そもそも課題がわからないというときの、課題設定の考え方について整理。

 ●【閑話】、未来を読み解く、お勧めの10冊

Step2: 情報散策

「アイデア発想法」のテクニック本なんていうのが多数あるけれど、自分の中に十分な知識があっての話し。学校でも基礎が大事なように、ある程度の書籍は読んでおかないといけない。

先人の知識や表現をあらためて考え直したり、発明しなおすなんて時間の無駄だ。その分野を専門にやってきた人たちが、何年もかけて書いた本にかなうはずがない。ここは低頭して参考にさせていただいて、プラットフォームとして活用していきたい。

未来を読み解くためには、人文科学、社会、経済、生命などの幅広く見渡すことが必要。どこから手をつけたらいいか分からない方は、このあたりを乱読してみるといい。

それでは、情報を散策してみよう。以下では、メモの作成、本の散策、読書法についてのガイドラインを紹介する。

情報散策
本の散策
本に意見を求める読書

Step3: グループ編集:情報の素材化、分類と階層化

次に、集めた情報の断片を、アウトライン・プロセッサなどのアプリを使って、素材化して整理する。


Step4: シナリオ・物語

最後に、集めた情報もとに「アイデア」や「コンセプト」に気づき、言葉として整理する方法について紹介する。

このフェーズでは、前述した、「ミクロ・マクロ・ネットワーク」モデル、「ヒトー文化共進化」モデル、「革新的変化」モデルを活用すると、現在から未来に向けて何がたりないのかに気づくことができる。

ブレーンストーミングや、カードで半日で整理できるものと思っていたら、それなりの結果しかアウトプットできない。

もっと地道な、普段から継続して調査・検討を繰り返すことが必要だ。

それを効率的に実施するためには、良書にあたって、自分のやり方を常にブラシュアップする必要がある。本書で全体像をつかんでも良いし、下記の書籍を参考にするのも良いだろう。未来


未来を読み解く際のサンプルはこちら。


参考書籍:
[1] ジェームズ・W・ヤング(1988), "アイデアのつくり方", 今井茂雄訳, 阪急コミュニケーションズ
[2] 川喜多二郎, "発想法 -- 創造性開発のために --", 中央公論新社, 1976(改)
[3] 梅棹忠夫(1969), "知的生産の技術", 岩波書店
[4] 外山滋比古(1986), "思考の整理学", 筑摩書房
[5] 松岡正剛(2001), "知の編集工学", 朝日文庫
[6] M.J.アドラー, C.V.ドーレン(1997), "本を読む本", 外山滋比古, 槇未知子訳, 講談社
[7] 編集工学研究(2020), "探究型読書", インプレス







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