未来創造につながるコミュニケーションの歴史編:ダイジェスト
「未来」を読み解くために、なぜ過去の歴史を読み解く必要があるのだろう。
1)「未来」は「過去」からの流れの上にある
未来を読み解くときには現在の注目する事象と変化があり、それが起きた要因は過去に、そしてそれが未来へとつながる。可能性の未来を読み解くには、それにつながる過去からの道筋を読み解くことが近道となる。
2)ネットワークの基本的なパターンをつかむ
物理は化学の、化学は生命の、生命は社会のネットワークを構築してプラットフォームとなり、プラットフォームの上に新たなネットワークを構築する傾向がある。
近年のインターネットも、それが普及する段階でWebページのネットワークが構築され、その上にSNSのネットワークが、さら暗号通貨やメタバースのネットワークが構築されようとている。
そうしたネットワークの構築には特定のパターンがあり、それを活用することが未来を読み解く近道となる。
本書では、このネットワークのパターンを「ミクロ・マクロ・ネットワーク」としてモデル化し、チェック項目として活用できるようにする。
3)メタファーとして使う
よく似たパターンが繰り返されるので過去の事象を「メタファー(隠喩、喩え)」として活用すると、突破口となるアイデアが浮かびやすくなる。
それでは、ヒトにいたる過去から現在をふりかえってみよう。
過去を振り返るときは環境の変化と相互作用に着目して、なぜこのときに起こる必要があるのかという視点で統合的にとらえることが肝心だ。
そして、相互作用(コミュニケーション)によるネットワークの構築と、それをベースとするあらたなネットワークの構築の繰り返しに注目する。
1章 「宇宙」と「地球」の形成
「宇宙」と「地球」のネットワーク形成と相互作用は、「ミクロ・マクロ・ネットワーク」の基本的な特性を理解するのに役立つ。
地球の冷却と秩序化の営みが,新たなプラットフォームとメタな秩序化の営みを生みだす
2章 生命のネットワークと「脳」の共進化
原初の異なる単細胞生物の集団が外部環境の変化に適応するためにつくった電子の市場が、神経ネットワークの発端となる。
太古にうまれた「感情」は,ヒトの「意識」のベースとなり,同時に発生する五感・内感とその「相互作用」を評価し即時の対処をうながす即応装置として発動する
3章 ヒトと文化・メディアの共進化
ヒトの初期の歴史をたどることにより,ヒトがなぜ文化とメディア,集団とコミュニケーションを爆発的に発展させるのかという問いへのヒントをもとめる。
相互に依存し促進しあう「ヒトと文化・メディア」と「集団規模とコミュニケーション能力」の共進化サイクルが,
「文化・メディア」の進化を驚異的なスピードで加速する。
4章 集団の巨大化とネットワークの共進化
ヒトは,さまざまな文化とコミュニケーションの相互作用を複雑化させながら集団の規模を拡大し続ける性質をもち,それゆえ生じる必要と必然からサイクルを回し続ける。
5.資本主義社会の誕生と行き詰まり
資本主義社会の誕生から現代までを概観することにより,次の「革新的な変化」に向けたヒントを得る。
資本主義の閉塞が、新しい「革新的な変化」情報革命に向けたヒントとなる
6章 言葉と思考の共進化
ヒトの「言葉」と「意識・思考」は密接な関係にあり,「言葉」の扱い方がかわると「思考法」が変化することに着目する。
7.コンピュータの歴史
コンピュータとヒトの共進化の歴史を概観することにより,未来変革への道筋を読み解くためのヒントを得る。