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米国株 まとめ 7月12日: FRBが利上げ終了に近づいているとの観測で株価が上昇 *備忘録*

S&P500指数  (SPY) は+0.74%、ダウ工業株指数  (DIA) は+0.25%、ナスダック100指数 (QQQ) は+1.24%上昇。

S&P500種指数は14ヶ月半ぶりの高値、ダウ工業株30種指数は3週間半ぶりの高値、ナスダック100種指数は17ヶ月ぶりの高値となった。 米国の6月消費者物価が予想以上に鈍化したことを受け、FRBが利上げキャンペーンの終わりに近づいているのではないかという憶測が、水曜日の株高に拍車をかけた。 水曜日の消費者物価指数は、FRBが今月末に25BPの利上げを断念する可能性は低いものの、今月の利上げがこのサイクルの最後になる可能性を高めた。
6月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比+3.0%と、5月の同+4.0%から低下し、予想の同+3.1%を上回ったが、上昇幅は過去2年4ヵ月で最小となった。 6月のコア消費者物価指数(食品・エネル ギー控除後)は前年同月比+4.8%(予想+5.0%)と、5月の同+5.3%から低下した。
FRBベージュブックは、「全体的な経済活動は5月後半からわずかに増加した」とし、6月30日までの1ヵ月間、物価は全体的に「緩やかな」ペースで上昇したとし、株式については中立的な見方を示した。 同報告書は、「今後数ヶ月の経済予測は、概して緩やかな成長を続けている」と付け加えた。
ホワイトハウスのブレイナード国家経済会議局長は、「景気後退がすぐそこまで来ているとの度重なる予測にもかかわらず、米国の景気回復は堅調で、インフレ率は低下している。 大幅な雇用破壊がなければインフレ率は下がらないという予測を裏切っている。」
リッチモンド連銀のバーキン総裁は、米国のインフレ率が6月に鈍化したとはいえ、「まだ高すぎる。 我々の目標は2%だ。 あまり早く手を引くと、インフレが再び強くなり、そうなるとFRBはさらに手を出さなければならなくなる」。


市場は、7月25-26日に開催される次回FOMCで+25bpの利上げが行われる確率を89%と割り引いている。 市場は、11月までのピーク金利を5.42%と予想しており、これは現在の実効フェデラルファンド金利5.08%より34bp高い。
世界の債券利回りは低下した。 10年物T-Note債券利回りは、-11.3bp低下し3.857%となった。ドイツ10年債利回りは-7.2bp低下の2.578%だった。 10年物英国ギルト利回りは-14.9bpの4.514%に低下した。
海外株式市場はまちまち。ユーロ・ストックス50種指数は+1.72%。中国の上海総合株価指数は-0.78%。 日本の日経平均株価は-0.81%。

主な株価の動き
ドミノ・ピザ(DPZ)は、米国の顧客がウーバー・イーツのマーケットプレイスを通じてドミノ製品を注文できるようにすることで合意し、S&P500種株価指数の上昇率トップとなった。
米金利が低下したことで、メガキャップのテクノロジー株が上昇した。 エヌビディア(NVDA)とメタ・プラットフォームズ(META)は+3%以上上昇した。 また、マイクロソフト(MSFT)、アルファベット(GOOGL)、アップル(AAPL)も+1%以上の上昇。
FRBが利上げキャンペーンの終了に近づいているとの観測が、住宅建設株の上昇に火をつけた。 DRホートン(DHI)は+3%以上上昇した。 また、レナー(LEN)、トール・ブラザーズ(TOL)、プルテ・グループ(PHM)も+2%以上上昇した。
中国の李強首相が国内の大手テクノロジー企業の幹部と会談し、経済へのさらなる支援を約束したことで、米国に上場している中国株は今日上昇している。 その結果、PDDホールディングス(PDD)は+6%以上の上昇で引け、ナスダック100の上昇率トップとなった。 また、ネットイース(NTES)も+3%以上の上昇。 さらに、JDドットコム(JD)とバイドゥ(BIDU)が+3%以上、アリババ・グループ・ホールディング(BABA)が+2%以上の上昇。
ニューモント(NEM)は+4%以上の上昇、金と銅が3週間ぶりの高値を付け、銀が1ヶ月ぶりの高値を付けるなど金属価格が上昇する中、鉱業株を牽引した。
サイバーセキュリティ関連銘柄は、マイクロソフトが同分野での新サービスを発表し、他社への競争上の脅威となる可能性があることから、水曜日に圧力を受けた。 その結果、パロアルトネットワークス(PANW)は-7%以上下落し、S&P500の下落率トップとなった。 また、Zscaler (ZS)は-6%以上の下落となった。 さらにクラウドストライク・ホールディングス(CRWD)とフォーティネット(FTNT)は-2%以上の下落で引けた。
ルシッド・グループ(LCID)は、第2四半期の車両納入台数が1,404台とコンセンサスの1,873台を大きく下回り、ナスダック100の下落率トップとなった。
センティーン(CNC)は、ウルフ・リサーチがアウトパフォームからピアパフォームに格下げしたため、-5%以上下落。
医療保険会社は、ユナイテッド・ヘルスとヒューマナが最近発表した、第2四半期に顕在化した予期せぬ医療費増加への備えが十分かどうか懸念され、第2四半期決算を控えて下落した。 その結果、シグナ・グループ(CI)は-4%以上、モリナ・ヘルスケア(MOH)は-3%以上下落して引けた。 また、ヒューマナ(HUM)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)は-2%以上下落。
エレバンス・ヘルス(ELV)は、ウルフ・リサーチがアウトパフォームからピアパフォームに格下げしたため、-4%以上下落。
シスコシステムズ(CSCO)は、バンク・オブ・アメリカによって「買い」から「中立」に格下げされ、-2%以上の下落。
WWグリンジャー(GWW)は、UBSがバリュエーションを理由に買いから中立に格下げしたため、-2%以上下落。

その他市場
9月限10年物T-Note債券先物は、+1-00/32ポイント上昇して引け、10年物T-Note債券利回りは-11.3bpの3.856%に低下した。米6月消費者物価指数(CPI)が2年半ぶりの低水準に低下し、FRBが利上げサイクルの終わりに近づいているとの見方が強まったことを受け、米債券価格は本日1週間ぶりの高値まで上昇した。 財務省が実施した320億ドルの10年物T債券入札に対する堅調な需要で上昇を維持し、入札倍率は2.53倍と、10年物入札の平均である2.40倍を大きく上回った。マイナス面は、S&P500が14ヵ月半ぶりの高値まで上昇したことで、米国債の安全資産としての需要が抑制されたこと。 また、リッチモンド連銀のバーキン総裁が、6月に米国のインフレ率が鈍化したとはいえ、「まだ高すぎる」とタカ派的な発言をしたことも、T債券にとっては弱材料となった。

FRBの利上げがまもなく終了する可能性が高まり、ドルは下落
ドルインデックスは-1.17%急落し、14ヶ月半ぶりの安値を記録した。 米6月消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことで、FRBが利上げキャンペーンを予想より早く終了させるとの思惑から、ドルは急落した。また、米金利の低下がドルの重しとなり、株高がドルの流動性需要を減らした。
EUR/USD は+1.14%上昇し、15ヶ月ぶりの高値を記録した。ドル安はユーロにとって強気材料となった。 また、ECB理事会のブクチッチ委員が、第2四半期のユーロ圏の経済成長率がわずかにプラスになると述べたことも、ユーロ/米ドルを押し上げた。
米ドル/円 は-1.40%下落した。 円は対ドルで7週間ぶりの高値まで急上昇した。 米金利の低下は円にとって強気だった。 また、今月末に日銀が政策を変更する可能性があるとの憶測が国債利回りを押し上げ、10年物国債利回りが2ヶ月半ぶりの高水準となる0.478%まで上昇したことも円を下支えした。経済指標は円にとって弱気なものだった。日本の6月のPPIは前年同月比+4.1%と、5月の+5.1%から低下した。 また、5月のコア機械受注は予想に反して前月比-7.6%となり、予想の前月比+1.0%を下回った。


8月限金先物は+24.6(+1.27%)、9月限銀先物は+1.029(+4.42%)と上昇。貴金属相場は緩やかに上昇しており、金は3週間ぶり、銀は1ヶ月ぶりの高値をつけた。 ドルインデックスが3ヶ月ぶりの低水準まで下落したことは、金属にとって強気材料だ。 また、今日の世界的な金利低下も金属価格の支援材料となっている。 さらに、米6月消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことで、FRBが利上げを打ち切るとの観測も貴金属相場を押し上げている。 マイナス面は、金ETFの保有高が4ヶ月ぶりの低水準に落ち込んでいるため、金の資金整理が進行していること。


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