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米国株今週の注目 2024/6/3~:注目決算 ヒューレット・パッカード、クラウドストライク、ダラーツリー

金曜日に発表される米雇用統計が今週最大のイベントである。利下げ時期の不透明感が強まる中、非農業部門雇用者数の更新は次回6月11~12日に開催される連邦準備制度理事会(FRB)の会合前最後のものとなる。4月PCEインフレ報告書によると、FRBの公式目標である12ヵ月コアPCEは2.8%となり、3月の値から安定した。FRBの利上げキャンペーンが景気を悪化させ始めていると指摘もある。今回の引き締め局面では大きな景気後退は延期されたものの、回避されたわけではない。大西洋の対岸では、欧州中央銀行は6日に利下げを発表すると予想されている。リーマンショックの際には、FRBの利上げ後、日銀が最後のアンカーとして低金利政策から方向転換してから世界の景気が大きく後退し始めた。今回も日銀の動きには要注意である。

来週の決算スケジュールには、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)、ルルレモン(LULU)、NIO(NIO)が予定されている。消費関連については、強弱まちまちのガイドラインが示されている。引き続き消費関連の動向・ニュースについては要注意となる。イベント・カレンダーには、Nareit REITweekやCOMPUTEX Taiwanなどのカンファレンスが予定されている。ウォルマート(WMT)も来週、株主総会と伝統的なアソシエイツ・セレブレーションが別日に予定されており、注目される。金曜の引け後に1株を10株に分割するエヌビディア(NVDA)にも注目だ。

注目の決算発表予定
6月3日(月):
ギットラボ(GTLB)、サイエンス・アプリケーションズ(SAIC)。

6月4日(火) :
クラウドストライク(CRWD)、PVH(PVH)、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)、バス&ボディワークス(BBWI)。

6月5日(水):
ルルレモン(LULU)、ダラーツリー(DLTR)、ブラウン・フォーマン(BF.A)、キャンベルスープ(CPB)、ファイブ・ビロウ(FIVE)。

6月6日(木) :
サムサラ(IOT)、ドキュサイン(DOCU)、J.M.スマッカー(SJM)、NIO(NIO)。

IPO関連の予定
アルミニウム・リサイクルのノベリス(NVL)とイスラエルのガラスフィルム・メーカー、ゴージー(GAUZ)がIPOの価格を決定し、週明けに取引を開始する見込みだ。

投資家向けイベント
今週はカンファレンス・カレンダーが目白押しとなっている。4日間のNareit REITweekカンファレンスがニューヨークで始まる。デジタル・リアルティ(DLR)のアンディ・パワーCEO、セーフホールド(SAFE)のジェイ・シュガーマンCEO、タンガー(SKT)のスティーブン・ヤロフCEO、インビテーション・ホームズ(INVH)のダラス・タナーCEO、ビシ・プロパティーズ(VICI)のエドワード・ピトニアックCEO、パブリック・ストレージ(PSA)のジョー・ラッセルCEO、リアルティ・インカム(O)のスミット・ロイCEO、SLグリーン・リアルティ(SLG)のマシュー・ディリベルトCFO、エクイニクス(EQIX)のキース・テイラーCFOなど、参加予定のエグゼクティブが名を連ねている。
3日間のジェフリーズ・グローバル・ヘルスケア・カンファレンスも投資家の注目を集めるだろう。参加企業には、アルデイラ・セラピューティクス(ALDX)、サヴァラ(SVRA)、アジレント(A)、ギリアド・サイエンシズ(GILD)などが名を連ねている。
パリで開催されるドイツ銀行グローバル消費者会議では、クラフト・ハインツ(KHC)、ケラノバ(K)、シスコ(SYY)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、スターバックス(SBUX)、フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)がプレゼンテーションやファイヤーサイドチャットを行う。同会議は過去にも、経営陣の期待に関する最新情報に基づいて株価が動いたことがある。
スノーフレーク(NYSE:SNOW)、シスコ(CSCO)、プレシジェン(PGEN)、エンタジー(ETR)も投資家向けイベントを開催する予定である。

5月の米雇用統計のプレビュー
5月の非農業部門雇用者数は、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策決定委員会が開かれる数日前に発表されるため、来週はさらに重要な意味を持つ。ここ数ヶ月、労働市場が軟化している証拠がいくつか見られるが、雇用統計が強ければ、金利上昇の方向が長期化する可能性がある。エコノミストは、5月中に非農業部門の雇用が18万5,000人増加すると予想している。失業率は3.9%で安定すると予想されている。平均時給は前月比0.3%上昇し、前月ペースの0.2%からやや加速すると予想される。バンク・オブ・アメリカは、公共部門の雇用は4月の横ばいから回復し、医療部門の雇用も引き続き堅調に推移するだろうと述べた。賃金上昇率は前年同月比で3.9%上昇すると見られる。BNPパリバは、3月から4月にかけての雇用創出ペースの急激な落ち込みは、カレンダー上の復活祭のずれが十分に考慮されていないことや、教育機関の雇用が4月の非常に低い水準から立ち直る見込みであることから、弱含みの程度を過大評価している可能性が高いと警告した。総じて言えることは、米連邦準備制度理事会(FRB)は雇用統計のニュアンスを通常よりもさらに鋭く注視するだろうということだ。

株式分割関連で注目
Li-Cycle(LICY)は1対8の株式併合後、6月4日に分割調整後のベースで取引を開始する。
エヌビディア(NVDA)は7日の取引終了時に1株を10株に分割する。


※当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として翻訳、作成した資料です。投資勧誘を目的としたものではありません。翻訳の正確性、完全性を保証するものではありません。投資に関する決定は、ご自身で判断なさるようお願いいたします。
挿絵は太平洋から昇る朝日です。

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