米国株今週の注目 10/2~： 政府閉鎖のドラマ、新しいスピンオフ、自動車セクターのアップデートに注目
米議会で土壇場の取引が成立しない限り、今週は米政府閉鎖が投資家にとって逆風となる可能性がある。BNPパリバは、連邦政府閉鎖による経済への影響は、閉鎖が続く各週のGDP成長率（年率換算）に0.1％～0.2％影響すると警告した。政府機関閉鎖リスクは市場の悪材料に対する飢餓感を煽り、強気派は利益確定の口実を探し、弱気派は株式市場の暴落に賭ける、と市場での声もある。長期金利上昇のペースはいったん落ち着いたが、長期金利の上昇は引き続きハイテクグロース株にとっては大きな重しとなる。政府機関の閉鎖は様々なセクターに影響を与え、9月の雇用統計の発表を遅らせる可能性もある。9月の雇用統計では、雇用者数は16万5000人増加し、失業率は3.7％まで低下すると予想されている。週半ばにはOPEC+の総会が開催されるが、原油生産政策に大きな変更はないと予想される。供給逼迫と需要増加が、原油価格の上昇を牽引し続けている。
決算カレンダーは軽めで、ティレイ・ブランズ（TLRY）とコンステレーション・ブランズ（STZ）だけが、セクターを騒がせる可能性のある更新として目立っている。しかし、イベント・カレンダーにはモルソン・クアーズ（TAP）、グーグル（GOOG）、サムスン（SSNLF）、ズーム・ビデオ（ZM）などが名を連ねている。
自動車セクターは、テスラ (TSLA)、リビアン・オートモーティブ (RIVN)、NIO (NIO)の納車報告や、ゼネラルモーターズ (GM)、フォード・モーター (F)、ステランティス (STLA)に対するUAWストライキの最新ドラマにくぎ付けになるだろう。
注目の決算発表
10月3日（火）：マコーミック（MKC）とカルメイン・フーズ（CALM）。
10月4日（水） ：ヘレン・オブ・トロイ（HELE）、ティルレイ・ブランズ（TLRY）、アコレード（ACCD）。
10月5日（木）：コンステレーション・ブランズ（STZ）、コナグラ・ブランズ（CAG）、ラム・ウェストン（LW）、リーバイ・ストラウス（LEVI）。
注目の統計データ：
今週は、マカオのゲーム収入、クラス8トラックの受注、FBIの銃器身元調査、ディスカウント・ブローカーのDARTs、航空会社のトラフィックなどのデータが発表される。
スピンオフ関連
WKケロッグは、ケロッグ・カンパニー（K）からの事業分割後、10月2日に取引を開始する予定だ。ケロッグ（K）の株主は、ケロッグ・カンパニーの株式4株につきWKケロッグ社の株式1株を受け取る。ケロッグはケラノバに社名変更される。
ユニフォーム・職場用品管理会社のヴェスティスは、アラーマーク（ARMK）から分離独立し、取引を開始する予定である。アラーマークの株主は、基準日に保有するアラーマークの普通株式2株につきヴェスティスの普通株式1株を受け取る権利を持つ。
サンドはノバルティスAG（NVS）から分離独立し、10月4日に取引を開始する予定である。ノバルティス（NVS）の株主は、基準日に保有するノバルティスの株式5株につきサンドの株式1株を受け取る資格がある。
自動車業界の注目点
UAWのストライキが続く中、自動車セクターは大きな週となる。投資家は、すべての週で販売と納車に関する報告を受けることになる。注目は、テスラ（TSLA）の第3四半期生産台数報告だろう。同社は、第2四半期にいくつかの生産停止があり、それが納車数に影響を与えたと考えられている。オースティンから最終集計が報告された後、投資家にとってより大きな関心事は2024年の納車台数見通しかもしれない。ドイツ銀行は最近、テスラ（TSLA）の2024年納車台数のベースケース予測を、現在の230万台から210万台に引き下げた。その他、リビアン・オートモーティブ（RIVN）、NIO（NIO）、XPeng（XPEV）、リーオート（LI）、ルーシド・グループ（LCID）、フィスカー（FSR）、ゼネラルモーターズ（GM）、フォード（F）、トヨタ（TM）などが主要レポートを発表する予定だ。S&Pグローバル・モビリティによると、9月の米国小型車販売台数は前年同月比14％増の130万台と予想されている。「楽観論者にとっては、金利の上昇や新車価格の鈍化といった値ごろ感の問題が依然として存在する中で、自動車販売台数が堅調に推移していることは良い兆候である」とS&Pは指摘する。「悲観論者にとっては、9月の日次販売台数指標は、3月から7月までの月次値から引き続き減速を反映することになるだろう」とS&Pは指摘する。もちろん、ゼネラル・モーターズ（GM）、フォード・モーター（F）、ステランティス（STLA）に対する全米自動車労組（UAW）のストライキが続いているため、第4四半期の見通しは不透明だ。さらに、UAWのストライキは最終的に数十万台の累積損失につながる可能性がある。J.D.パワー社によると、9月の小売在庫は約130万台と予想され、先月比15.4％増、前年同月比36.5％増と大幅に増加するが、パンデミック前の水準を大きく下回る。9月のメーカー値引きは8月と比較すると比較的横ばいと予想されるが、インセンティブが過去最低だった1年前と比較すると大幅に増加している。一方、価格高騰と金利上昇が相俟って、月々のローン支払額は膨らみ続け、自動車の値ごろ感に対する懸念が高まっている。
主なイベント
モルソン・クアーズ（TAP）は、10月3日に待望のストラテジー・デイ・イベントを開催する。ズーム・ビデオ（ZM）の年次イベント「ズームトピア」が同日、カリフォルニア州サンノゼで始まる。同社は例年、このイベントで長期目標を打ち出している。
グーグル（GOOG）は10月4日にMade By Googleのハードウェアイベントを開催する。同社はPixel 8、Pixel 8 Pro、Pixel Watch 2を発表する予定だ。サムスン電子は10月5日にサンフランシスコで開発者会議を開催する。同社はSmartThings、Bixby、Knox、Tizenを含むプラットフォームのイノベーションを強調する予定。
10月10～11日に予定されているアマゾン（AMZN）のショッピングイベント「プライムデー」を前に、ターゲット（TGT）、ウォルマート（WMT）、ベストバイ（BBY）などがキャンペーンを実施するため、この週はホリデーショッピングシーズンの非公式な幕開けとなる。
カンファレンスのスケジュール
カンファレンス・スケジュールには、Chardan Genetic Medicines Conference、UBS Mobility Virtual Conference、LD Micro Main Event XVI Conference、Deutsche Bank Leveraged Finance Conference、Bernstein Healthcare Services Disruptors Conferenceが予定されている。
※当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として翻訳、作成した資料です。投資勧誘を目的としたものではありません。翻訳の正確性、完全性を保証するものではありません。投資に関する決定は、ご自身で判断なさるようお願いいたします。
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