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米国株 まとめ 1月14日:水曜日の米国消費者物価指数(CPI)の発表を前に、株価はまちまち*備忘録

S&P 500種指数(SPY)は0.11%高、ダウ・ジョーンズ工業株30種平均(DIA)は0.52%高、ナスダック100指数(QQQ)は0.13%安
株式相場はまちまちで終了した。 市場全体は、ブルームバーグの報道により、トランプ次期大統領の経済チームがインフレ急騰を回避するための戦略として、貿易関税を徐々に引き上げることを検討しているという内容に支えられた。 また、米国の12月生産者物価指数が予想を下回る上昇にとどまり、インフレ懸念が後退し、水曜日に発表される米国消費者物価指数(CPI)の良好な内容への期待が高まったことも株価を下支えした。
しかし、株価指数は最高値から反落し、一部の企業によるネガティブなニュースを受けてまちまちとなった。イーライリリーは第4四半期の暫定収益がコンセンサスを下回ったことを受けて6%以上急落した。また、メタ・プラットフォームズは業績不振による人員削減で5%の人員削減を計画していると発表し、2%以上下落した。さらに、大型株のテクノロジー株の低迷が幅広い市場に影響を与えた。
ブルームバーグは、トランプ次期大統領の経済チームが、インフレ急騰を回避するために、積極的な一括引き上げではなく、毎月2%から5%程度の段階的な関税引き上げを検討していると報じた。
12月の米生産者物価指数(PPI)最終需要前月比で0.2%増、前年同月比で3.3%増となり、前月比0.4%増、前年同月比3.5%増という予想を下回った。また、12月のPPI(食品とエネルギーを除く)前月比で横ばい、前年同月比で3.5%増となり、前月比0.3%増、前年同月比3.8%増という予想を下回った。
市場では、金利引き下げを阻むような価格上昇圧力が続くかどうかを判断するため、水曜日に発表される米国の消費者物価指数に注目している。12月の消費者物価指数は、11月の前年同月比2.7%増から2.9%増に加速すると予想されている。12月のコア消費者物価指数は、11月の前年同月比3.3%増から横ばいと予想されている。また、木曜日に発表される米国の小売売上高報告では、個人消費が維持されているかどうかに注目が集まる(12月の小売売上高は前月比0.6%増の見込み)。
市場では、1月28日~29日に開催されるFOMCで25ベーシスポイントの利下げが行われる可能性を3%と見込んでいる。
海外株式市場はまちまちで終了した。ユーロ・ストックス50は0.53%上昇。中国の上海総合指数は2.54%上昇。日本の日経平均株価は6週間ぶりの安値となり、1.83%下落。

おもな米国株式の動向
住宅建設株は上昇した。KBホーム(KBH)は第4四半期のEPSが2.52ドルとなり、コンセンサス予想の2.44ドルを上回ったことを受けて、4%以上上昇した。また、DRホートン(DHI)、パルテグループ(PHM)、トール・ブラザーズ(TOL)も3%以上上昇した。さらに、レナー(LEN)は2%以上上昇した。
ユナイテッド・レンタル(URI)は、米国レンタル部門第6位の企業であるH&Eイクイップメント・サービスを買収し、5%以上上昇し、S&P 500種銘柄の値上がり率トップとなった。ユナイテッド・レンタルの市場シェアは即座に拡大する。
バンク・オブ・アメリカ・グローバル・リサーチが、セレネー・コーポレーション(CE)の株式評価を「アンダーパフォーム」から「買い」に引き上げ、目標株価を88ドルに設定したことを受け、同社株は5%以上上昇した。
ユナイテッド・レンタルズが現金34億ドルでの買収に合意したことを受け、H&Eエクイップメント・サービス(HEES)は104%以上上昇した。
アトラシアン(TEAM)はデータセンター製品の値上げを発表した後、4%以上上昇してナスダック100種指数の値上がり銘柄をリードした。
メドトロニック(MDT)は、メディケア・メディケイド・サービスセンターが腎除神経治療に関する全国適用分析を開始すると発表したことを受け、4%以上上昇した。これにより、メディケア受給者がシンプリシティの血圧治療法で使用されるメドトロニックの腎除神経システムSymplicity Spyralへのアクセスがサポートされる可能性がある。
A O スミス(AOS)は、Oppenheimer & Co.が目標株価を88ドルに設定し、レーティングを「市場パフォーマンス」から「アウトパフォーム」に引き上げたことを受けて、3%以上上昇した。
イーストマン・ケミカル(EMN)は、バンク・オブ・アメリカ・グローバル・リサーチが同銘柄を「中立」から「買い」に格上げし、目標株価を109ドルとしたことを受けて、2%以上上昇した。
イーライリリー(LLY)は、第4四半期の売上高(速報値)が135億ドルとなり、アナリスト予想の140億ドルを下回ったことを受けて、6%以上下落し、S&P 500種構成銘柄の値下がり率トップとなった。
大型ハイテク株が圧力を受け、市場全体に重しとなった。エヌビディア(NVDA)、ネットフリックス(NFLX)、アルファベット(GOOGL)は1%以上下落した。また、アップル(AAPL)は0.48%安、マイクロソフト(MSFT)は0.36%安、アマゾン・ドットコム(AMZN)は0.32%安。
シグネット・ジュエラーズ(SIG)は、第4四半期の売上予想を23億2000万ドルから23億4000万ドルに下方修正し、従来の予想23億8000万ドルから24億6000万ドルを大幅に下回り、24億1000万ドルというコンセンサス予想をも下回ったため、21%超下落した。
チャールズリバー・ラボラトリーズ(CRL)は、2025年の非GAAPベースの営業利益率が2024年の予想値を若干下回る見通しであると発表し、6%超下落した。
ペリゴ・カンパニー(PRGO)は、Argus Researchが買い推奨からホールドに格下げしたことを受けて、3%超下落した。
メタ・プラットフォームズ(META)は、業績に基づく人員削減により、従業員数の5%を削減する計画を発表し、2%超下落した。
リジェネロン・ファーマシューティカルズ(REGN)はシティグループが同銘柄の目標株価を895ドルから795ドルに引き下げたことを受けて、3%超下落した。
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)は、バンク・オブ・アメリカ・グローバル・リサーチがこの銘柄を「中立」から「アンダーパフォーム」に格下げしたことを受け、1%以上下落した。

金利
10年物米国債先物は4ティック上昇した。10年物米国債の利回りは0.2ベーシスポイント低下して4.788%となった。米国債先物は、次期大統領のトランプ氏の経済チームがインフレ急騰を回避するために段階的な関税引き上げを検討しているというブルームバーグの報道を受けて小幅上昇した。また、米国12月生産者物価指数が予想を下回ったことも、米国債を支える要因となった。米国債の値上がりを抑えたのは、欧州国債の下落の悪影響が一部残っていたことだ。また、インフレ期待の高まりも米国債には弱気材料で、10年物ブレークイーブン利回りは14ヶ月半ぶりの高値となる2.476%まで上昇した。さらに、今週は400億ドルから450億ドルの企業債券の発行が予定されており、供給圧力が米国債に重くのしかかっている。このため、債券ディーラーは今後発行される債券に対するヘッジとして、10年物米国債先物をショートする動きを強めている。
欧州国債利回りは上昇した。ドイツの10年物国債の利回りは7ヶ月ぶりの高値となる2.653%まで上昇し、3.9ベーシスポイント高の2.652%。英国の10年物国債の利回りは0.5ベーシスポイント高の4.889%。

関税報道と米国PPIの低調を受けドル下落
次期大統領のトランプ氏の経済チームが、交渉力を高めインフレを回避するための関税引き上げについて段階的なアプローチを検討しているというブルームバーグの報道を受け、ドルは下落した。 また、予想を下回る12月の米国PPI報告を受け、ドルはさらに下落した。これは、FRBの政策にとってハト派的な要因である。 ドルは、株価が上昇したことで、ドルに対する流動性需要が抑制され、引き続き下落した。
ユーロ/ドルは0.52%上昇した。 ユーロは、ブルームバーグのトランプ次期大統領の経済チームは、インフレ急騰を回避するために段階的な関税引き上げを推進するとの報道でドルが下落したため、緩やかな上昇となった。ユーロは、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのホルツマン氏がタカ派的な発言をしたことで上昇を維持した。また、ユーロは欧州の国債利回りの上昇からも支援を受け、10年物ドイツ国債利回りは7ヶ月ぶりの高値を付け、ユーロの金利差が拡大した。
ECB政策委員会のホルツマン氏は、ユーロ圏のインフレに「一時的な停滞」が見られることを理由に、1月30日の政策会議でECBが再び金利を引き下げるかどうかは不明であると述べた。
スワップ市場では、1月30日の次回のECB会議で25ベーシスポイントの金利引き下げが行われる可能性は97%と見られている。
米ドル/円は0.28%上昇した。円は、日銀の次期金融政策決定会合で金利が引き上げられるとの日銀の氷見野副総裁の発言がなかったことから、小幅に下落した。また、12月のエコノミストの見通し調査で日本の経済ニュースが予想を下回ったことも、円に影響を与えた。ドル/円は、米債の利回りが上昇したことでさらに上昇した。日経平均株価が6週間ぶりの安値をつけたことで、安全資産としての円買いが一部で発生し、円安は限定的となった。また、日本の10年物国債利回りが13年ぶりの高値となる1.262%まで急騰したことで、円の金利差が拡大した。
12月のエコノミスト景況感調査は予想外に-0.6ポイント低下して48.8となり、49.9への上昇という予想を下回った。
日銀の氷見野副総裁は「金融政策を行う上で、適切なタイミングを見極めるのは難しいが、不可欠である」と述べ、日銀は来週の政策決定会合で金利引き上げについて議論する。

金は3.70ドル高(0.14%高)、銀は0.042ドル高(0.14%高)
貴金属は序盤の損失から回復し、小幅高で引けた。ドル安は貴金属価格を支えた。米国の10年物ブレークイーブン・インフレ率が火曜日に14ヶ月半ぶりの高値をつけた後、下落に転じたことで、金はインフレヘッジとしての役割も果たしている。シリア政府の崩壊、中東の緊張、ウクライナとロシアの対立の激化といった地政学リスクの高まりにより、貴金属は安全資産としての役割を維持している。また、世界的な債券利回りの上昇は、貴金属にとって弱気材料となった。さらに、株式市場の好調は、貴金属への安全資産としての需要を減少させた。

イスラエル・ハマス停戦交渉の進展により原油価格は下落
WTI原油は1.32ドル(1.67%)下落、RBOBガソリンは0.0043ドル(0.20%)上昇
原油とガソリン価格は、まちまちの展開となった。原油価格は、ハマスとイスラエル間の停戦の見通しが改善し、中東の緊張が緩和される可能性が出てきたことで、圧力を受けた。原油価格の下落は、ドル安の影響で限定的となった。
コロニアル・パイプライン社がジョージア州で発生した可能性のある漏出を調査するために、米国最大の燃料パイプラインを停止したことを受け、ガソリン価格は小幅上昇
した。コロニアル・パイプライン社の第1ラインは、テキサス州ヒューストンとノースカロライナ州グリーンズボロの間で、150万バレル/日のガソリンを輸送している
火曜日、カタールがハマスとイスラエルの停戦合意が交渉開始以来最も実現に近いと発表したことを受け、原油価格は下落した。イスラエルとハマスの戦闘が終結すれば、中東の緊張は緩和され、同地域における原油供給の混乱の脅威は減少する。
ロシア産原油の輸出減少は原油価格を支える。ブルームバーグが毎週発表している船舶追跡データによると、1月12日までの週のロシア産原油の輸出量は日量2万バレル減の301万バレルとなった。
EIAが水曜日に発表する原油在庫は85万バレル減、ガソリン在庫は260万バレル増との見方が大勢だ。

米国の天気予報が寒くなることを伝える中、天然ガス価格が上昇
NYMEX天然ガスは、前日比0.034ドル高(0.86%高)
天然ガス価格は米国の天気予報の変化により、序盤の損失から回復し、小幅高で取引を終えた。マクスター・テクノロジーズの予報士が、11日から15日の予報では、米国の大部分で寒さが強まると述べたため、天然ガスの暖房需要が高まるとの予測から、天然ガス価格は上昇した。
BNEFによると、火曜日の米国本土の乾燥ガス生産量は103.3bcf/日(前年比6.6%増)であった。 BNEFによると、米国本土のガス需要は120.7bcf/日(前年比4.9%減)であった。米国へのLNG純流入量は14.6bcf/日(重量比で3.9%増)であった。

※当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として翻訳、作成した資料です。投資勧誘を目的としたものではありません。翻訳の正確性、完全性を保証するものではありません。投資に関する決定は、ご自身で判断なさるようお願いいたします。
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