ペルソナを意識できる棚卸
棚卸は自社の他律機能を活かすべき、これから出現してくるであろう技術の見える化である。ここで立ち止まって考えるべきは、他社が手を出しているから、自社も参入してみようという、価格競争に飛び込むのか否かである。他社が出来て自社が出来ていないことに取り組む必要があるのかを考えねばならぬ。ビジョンに基づいて「やらない」という選択肢は有り得るのだ。
棚卸はビジョンの変遷に基づいて、どのような要素技術に重みを付けて中核技術として育ててきたのかを明確化してくれる。ペルソナが求める中核能力を支える中核機能を、他社との差別化要因としての要素技術認定が出来、その要素技術の強みを高め続けたからこそ、中核機能の獲得に繋がっているのだ。
中核機能を支える、現在有している要素技術を俯瞰して、時代の進化に合わせて深化させ続けていることに気付くはずだ。棚卸において、その棚には「技術を生き続けせる仕組み、即ち、技術が他律機能を発揮し続ける仕組み」が無ければならない。ビジョンが定量的あれば、中核機能が支えている中核能力をイメージ出来る。それはペルソナをイメージ出来ることに他ならず、自社の他律機能が「何処」で「誰を」変化させているのかを明確化できる。これこそ自社の棚卸である。