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その数値、真実ですか?

明確なビジョンを描き「これは素晴らしい!」と思う仮説であっても、全く受け入れられない場合もあろう。それは「人は頭の中で都合の良い理屈を創作する」からである。絶対的に正しい解釈では無く「自らが正しく感じる解釈」を、自らの価値観から来る確証バイアス印加の元、自ら採択するからである。価値観を大切にすることがビジョン創りの根本にあるべきなのだが、確証バイアスとして視野を狭める危険性があることを意識しなければならない。自らの心理を自覚して、巷にあふれる数字やデータ、情報に触れた時、自らに「自分は何を感じているのか?」と自問し、自らの喜怒哀楽の具合を客観視する習慣を持つことによって、自らの偏見から距離を置ける。自らの思考にOODAループを描くことを当たり前としなければならない。

世界情勢が数値となって公表される時代である。科学的エビデンスや数字を伴った裏付けがあると、人はその情報を正しいと認知する。その場合においても、その裏付けがどのように作成されたのか、根拠の背景に気を付けなければ現実を見誤る。未来を描くビジョンを創造している時は、純粋に笑顔にしたいペルソナの未来を、自らの内側から創造するべきであって、なんらかの数値情報を意識すると、何らかの意図を含んだ方向性に思考を誘引される危険性がある。数字を基準にし過ぎると、数字で安心する癖が生まれる。ビジョン創造において、本当に重要なことが何時でも数値化できるとは限らない。数字を信じる時においても、自らの価値観と経験に基づいて、信じた根拠を自らに問わねばならぬ。ビジョンを信じて頂いたペルソナを裏切ることになる。