他律機能を意識しよう!
自らが他者に何をどのように提供できるかを自律機能として表現すると、他者はその機能を最大限に活かす思考に到達できる。その時、自らの自律機能は「他者に提供する機能」から「他者に自らの機能を活用させ、他者を通じて外部に向けて影響を与えさせる機能」となる。即ち、自らの機能が、他者にどのようなことを実現させているかという、自律機能を提供する者を飛び越えた先の社会に与える自らの機能を『他律機能』として考えることが出来るようになる。
他の言い方をすれば、他の人に行動を実現させる機能は「他者を律する機能」ということである。目の前のお仕事に取り組む意識においては、仕事は自律機能の発揮に留まる。もう一歩踏み込んで、何故、このような仕事が自らにもたらされたのか、相手が何を成すことを望んでいるのかを、相手に実現させる意識を持ち、自らの機能を唯一無二に発展させ続けることが、他律機能を発現させている者としての認定条件である。
その考え方を身に着けることで、その相手が他の人に成し遂げさせたいことは何かまで考えられるようになる。これこそが真の他律機能である。商品が使われる現場において、そのユーザーの利益が最大となるように考える機能である。例えば医療機器開発者は、病院や医師を顧客として認定する。しかし、医師が成していることは、患者が病を発症する以前の、健康な状態と成すことである。すると医療機器開発は患者の笑顔の為になしていることになる。これが医療機器開発者の他律機能の考え方である。