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Why?を唱えよ!

ビジョンからのバックキャスティングの思考について、アウトカムズの共創という観点から語ってきた。次にビジョンが作り出す場において、最大の幸を得て、そして新たなビジョン構築の共創者となるペルソナについて語る。Tier1以下の企業との学びの場において、「最終ユーザーが自らの商材を活用することで幸せを得ている世界」を見事なまでに描けないことを体験している。図面待ち企業における生産活動において、「Why?」の問いかけが許されてこなかったからだ。
 
「Why?」が許されない上下関係は、芸術的と言えるほどの廉価・短納期生産社会を生み出してきた。Tier0という支配層にとって、「Why?」を禁じることは価格支配に欠かせない思考体系であり、改良・改善というフォアキャスティング思考から脱出不可能にさせることで、価格競争させ、唯一の利益獲得者の地位を得るための手段である。
 
「Why?」は自らの他律機能を呼び起こす魔法の言葉である。何故、この強度や精度が求められるのか?何故、この素材なのか?等々が生産現場で湧いてくるその時に、「Because」が与えられれば、より良い提案、即ち、自らの他律機能を最大に活かす提案が成される筈である。自社にしか有り得ない他律機能が求められていることが理解できれば、提示された価格を押し戻すことが出来る。しかしながら「与えられる安堵」で心を満たし、従属の徒に甘んじてきた歴史が「Why?」を自ら拒み続け、そして忘失してしまった。B2B企業としてがB2C企業が叶える最終ユーザーの幸せをイメージできる企業風土が我が国に必要なのだ。