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価値の人称と次元

日本流の世代表現として、団塊世代、しらけ世代、新人類世代、バブル世代、ロスジェネ世代、プレッシャー世代、ゆとり世代と言われてきている。ゆとり世代は米国流表現のZ世代と年齢的に重なるところがある。時代の流れとして、コンピュータの登場で情報化が進化して、インターネットをはじめとしたIT技術が当たり前にある環境で育っているデジタルネイティブがZ世代である。それ以前の世代においては、IT技術が次々と進化していく様を目の当たりにしてきた。学ぶと新規ツールが登場し、それを学んでいる間に、今を凌駕する便利さが全世代人類を挑戦者と挫折者に分別した。

新しいデジタル機器やサービスを活動に取り入れると、より便利な企業活動や生活になることを知っているが、具体的に活用するかどうかは個にゆだねられてきた。我が国においては、旧態依然の「紙」と「かんこつ」によって、アンチデジタルの老害をまき散らし、アンチZ世代活動を推進してまった。一方、Z世代においては、老害をもろともせず、それを空気の如くに取り入れながら成長を続けている。「もの」の購入では無く、自分らしさに拘り「こと」「場」の有り様に対して価値を認識し、対価を支払う事をいとわない。

我が国が陥っている長期の不況に見舞われるなかでZ世代は成長してきた。そのために浪費は好まず、貯蓄や節約への関心が強く、安定志向が高い。「もの」を購入する際にはコストパフォーマンスを重視する。一方で、自分が真に欲するもの、『自らに』価値をもたらすものにはお金を惜しむことは無い。この『自らに』価値をもたらすという考え方を意識して頂きたい。自らが価値と感じるという表現では無いのだ。『他者が自らに』という人称の意識がある。そして、そこには時間軸がある。価値には時間の次元があるということだ。