棚卸はバックキャスティング視点で
棚卸においてもバックキャスティングの視点が必要である。棚卸は「企業の明確なビジョン」が存在していて、それをどのように達成するのかと言う戦術の下で意味を持つ。ビジョン達成に向けた他律機能として、自社の全ての機能を、相関関係・因果関係の観点から分解し、他律機能として定量的に表現しきる。現状のシェアが何故獲得出来ているのかの解釈にも繋がる。B2B企業においては、委託製品の確度や精度を実現するための自社技術の見える化を実現できる。
「図面請負業」の企業においては、委託企業が買い上げる形状形成が自社のアウトカムズであり、図面において求められている確度・精度に対する自社機能のマージンを理解する機会が無い。機械のリストアップは棚卸では無い。現在、買い取って頂けている機能をリストアップすることが棚卸であり、それは即ち、他律機能であり、また、自社の可能性である。
単なる「現状」の確認の為のみであっても機能のマージンを知ることで、現状における商品の機能向上を成し得る可能性がある。ここにも問題解決に挑む価値があり、それはエンドユーザーにおける自社他律機能の価値を探査し、知ることである。自らの自律機能と他律機能の差異を、エンドユーザーが獲得する価値から定量的に知り尽くすことが、自社機能を定量的に理解することであり、それを成し遂げられてこそ、自社の他律機能によって、未来の社会における問題解決に挑めるのである。