たまには奇跡の物語を ~ 東野圭吾 クスノキの番人 ~
東野圭吾といえばミステリー。
だけど私はナミヤ雑貨店の奇蹟が好きだったりする。
そして「たまには奇蹟の物語が書きたくなる」という本人のポップに見事にひっかかりクスノキの番人の文庫を手にした。
代々クスノキの番人としての宿命を背負う柳澤家とふいにその役目を負うことになった玲斗。
不思議な運命に翻弄されながらも、次第に自分の運命を受け入れ、成長していく主人公の物語は暖かさにつつまれながらじわっと感動を与えてくれる。
そして真骨頂ともいえる見事な伏線回収もミステリーさながらで、非常に読後の満足度が高い作品であった。
そして、物語のクライマックス、主人公の叔母にあたる千舟の一言が胸に響く。
どんな運命にあっても、選ぶ自由は常に自分にある。
人生の主導権を握れば、幸せは自分で選びとることができる。
これは私が常日頃考えていることであり、幸せになるためのたった1つの秘訣だと思っていることでもある。
頭を使い、思考を巡らせ、想像力を働かすこと。
過去や先人から学び、今に活かすこと。
クスノキが静かに語りかける。
すでに「クスノキの女神」という続巻も発売されているが、単行本を買わない私は文庫になるのを楽しみに待っていようと思う。
さて、実際にこのクスノキが存在したら、私はどんなことを残せるだろうか。
娘に一番伝えたいことはなんだろうか。
そんな思考を巡らせるのも、また楽しい時間である。
#東野圭吾 #クスノキの番人 #読了 #推薦図書 #読書の秋
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