フットサル批評家ができるまで③
前回まで、「繰り返し観る」ということを書きました。繰り返し観ることで、同じ映像でも観るたびにいろいろな気づきがあり、観るべきポイントが掴めるようになってきます。
さて、次の段階としては、「いろんな試合を観る」ということでしょうかね。目が肥えてくると、展開の予測ができるようになってきます。観戦者は俯瞰して見ることができるので、ピッチレベルの選手よりも全体を認知しやすいので、慣れてくると次の展開を読むこともできると思うのです。
上手い選手は、自分が俯瞰して見ているからこそ気づくスペース・コースをしっかり認知してプレーするので、さすがだと思ったりします。ただ、自分の予測・予想を超えたようなプレーに出くわすことがあります。いい意味で期待が裏切られる。こういうプレーがあるんだなという気づきを与えてくれる、引き出しが増えるような体験です。このようにして展開を予測しながら観ていくと、観戦する際の「幅」が出てきます。
次に、「何故だろう?」を問い続ける必要もあります。例えば、観ている中で違和感を感じることがあります。なぜ、パスを出さなかったんだろうとか、自分の予測とズレた時、プレーが上手くいかなかった時、かみ合わなかった時などです。技術的なミスは別として、パスミスが起こった際に、パサー(出し手)は何を狙っていたのか?、レシーバー(受け手)は何を狙っていたのか?これがパサーの狙い通りで噛み合っていたら別の展開があったわけです。レシーバーの狙い通りで噛み合っていたらまた別の展開があったわけです。
もし、こうしていれば別の展開もありえたのにという、平行未来的な起こり得た、多くの可能性が広がっています。そういう様々な可能性があった中で実際に選択されたプレーが展開されている。では、なぜそのプレーが選択されたのか。このようにプレーを深堀りしていくことで観戦する際の「深さ」が出てきます。
次の展開を予測しながら観ること、実際の展開を振り返る(なぜこのプレーが選択されたのか)ことで、自分は観戦力が養われたのだと思っています。そして、サッカーで得られてこのような「試合を観る中での認知の広げ方・深め方」をフットサルでも実践し、今に至るのかと思っています。
以上、おしまい。
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