すてきな女むてきな女 11
これまでのお話
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坊ちゃん文学賞応募に向け、第2稿にとりかからなければならない私。
しかし、原稿を書く気分になれず、全く関係のない事ばかり書きたくなってしまう。
応募作品が仕上がるまでは、脇見をするまいと思っていたが、結局、noteにいつものように、なんの話か分からないものを投稿していた。
そして「わたしのエロは副作用」を読んだなっちゃんからメッセージが届いた。
私の夢の話に乗ってくれるなっちゃん。
好きです。(告白)
私たちの推しは又吉だけど、夢の中のイケメンは又吉ではなかった…。
そういえば、なっちゃんと好きなタイプについて話したことがない。次に会った時には、イケメンについて語らなければならない。
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なんとか第2稿を書き終え、そろそろなっちゃんに送ろうと思った矢先、なっちゃんからメッセージが届いた。
んん?これは?!
キョンキョンと小林聡美さん出演のドラマ。
キョンキョンを好きななっちゃん。
小林聡美を好きな私。
キョンキョンと小林聡美さんはプライベートでも仲がいい。そんな2人の共演。
ドラマの内容はーー
小さな頃から団地で育った2人。1度は2人とも実家の団地を離れるも、訳あって実家に舞い戻ってきた。
一緒にご飯を食べたり、映画を観たり、団地の老人の手助けをしたり、散歩に出かけたり。そんな細やかな日常の物語。
同じ団地の同じ間取りの家なのに、家の中はみんな個性的で、同じ間取りとは思えないほど雰囲気が異なる。
団地の間取りが大好きで、インテリアも好きな私には、そこも魅力的。
そして、小林聡美さんの役名がなんと「なっちゃん」だった。
これは、どうみても、なっちゃんと私のためのドラマ!
なっちゃんと私が同じ団地に住んで、こんな風に一緒に過ごせたら、毎日楽しいに決まっている。
老後はお互い近くに住んで、こんな風に過ごせたらいいなぁ。
と、また妄想が膨らむ。
なっちゃんは、アメリカに行く前は団地に住んでいた。
昔は家や団地やマンションの窓やベランダから
「ご飯やから帰っておいでー」
「いつまで遊んでんの!」
とか言う声がよく聞こえていた。
その声は近所にも筒抜けで、でもそれが日常で、のどかで、昭和の時間が流れていたんだな、と思い出した。
なっちゃんの行動力を思うと、明日にでも
「むくみちゃん、団地買ったよー!」
と、連絡が来そうな気がする。
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私は第2稿をなっちゃんに送った。
なっちゃんからのアドバイスを受け、第2稿が自分の思い描いている結末ではないことに気がついた。
そして、第3稿にとりかかる。
頭には書きたい場面が映像としてありありと浮かんでいるのに、それを文章にする事ができない。
映像を文章に変換することの難しさ、自分の表現力の拙さをまざまざと感じていた。