【本の感想】『コンビニ人間』村田沙耶香
子供の頃、毎年、鶏を5羽飼っていた。
妹とその鶏達に名前をつけ、小屋の掃除の間、庭に放たれた鶏と遊んでいた。
お祭りやお正月など特別な日に、父がその鶏を〆る。〆た鶏が温かい間に羽をむしるのが私たち姉妹の仕事だった。キャッキャと騒ぎながら羽むしりを楽しむ3姉妹。
それを見ていた母は「この子達は悲しくないんだろうか。この子達に可哀想という気持ちはないのか?」と心配していたらしい。大人になるまで、母のそんな気持ちを知らなかった。
私は鶏は食べるために飼っているもの、と認識していた。