幸福優位7つの法則~仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論/ショーン・エイカー【読書ノート】
1:24 幸せだから成功する
3:24 今日あった良いことを3つ書き出す
5:16 幸せになるには「楽しみを待つ」
6:41 得意なことを発揮する
8:09 運動する/20秒ルールで習慣化する
10:25 自信を失ったら目の前のことをやる
12:37 ピンチのときほど「人と接する」
14:10 モノではなく経験を買う
15:38 「幸福優位7つの法則」完了。
16:51 END
ハーバード式成功理論の要約
ハーバード大学の幸福に関する研究から派生したショーン・エイカー博士の著書「幸福優位7つの法則」について、本記事では解説します。この本は、成功と幸福の関係を徹底的に研究し、幸福が成功の先行要因であることを明らかにしています。
法則1:幸福が成功の鍵
成功するためには高いスキルが必要ですが、そのスキルを最大限に発揮するのは幸福な時です。幸せな状態で仕事に取り組むことで、パフォーマンスが向上し、成功に繋がるということが述べられています。逆に、ネガティブな状態では効率が下がり、成功のチャンスが減少します。
法則2:幸福とネガティブ思考
失敗や不幸に焦点を当てる癖がある人は、幸福度を下げる傾向があります。成功者は、物事をポジティブな視点から見る能力を持っています。成功者の中には、辞めさせられたことを人生の好機ととらえるスティーブ・ジョブズのような例もあります。物事の善悪両面を見ることで、ポジティブな発想を養うことが重要です。
法則3:楽しみを活用して幸福を広げる
楽しみを持つことで、幸福感を増大させることができます。例えば、お気に入りの映画を観ることで脳内のエンドルフィンが増加し、幸福度が向上します。将来の楽しみを計画し、その期待感を楽しむことで、現在の幸福感も向上するとされています。
まとめ:成功と幸福の関係性
「幸福優位7つの法則」は、ハーバード式成功理論を通じて、幸福が成功に影響を与えるメカニズムを明らかにしています。幸せな状態で仕事に取り組むことで、成功への道が開かれる一方、ネガティブな思考や失敗への執着は成功を阻害する要因となります。また、楽しみを持つことで幸福感を高め、現在の幸福をより豊かにする方法も提案されています。成功と幸福の関係性を理解することで、充実した人生への一歩を踏み出すことができるかもしれません。
・パート1:職場におけるポジティブ心理学~幸福優位性の発見/職場における幸せと成功/人は変わることができる
・パート2:幸福優位7つの法則
・パート3:幸せの波及効果~幸福優位性を仕事に家庭に人生に応用する
幸福優位7つの法則
【法則1】ハピネス・アドバンテージ(幸福優位性)
「嬉しいなぁ」「楽しいなぁ」「幸せだなぁ」と思っている時ほど、物事は上手く行くという科学的根拠。
エイカー氏の実験より。
幼児の場合。
4歳の子供を2つのグループに分けて、積み木を組み合わせて別の形を作るというような作業をさせる。
片方のグループには「何か嬉しかったことを思い出てみて」と指示を出してから作業をスタートさせる。
もう一方のグループには何も指示しない。
すると、明らかに「嬉しかったこと」を思い起してから作業をスタートしたグループのほうが作業が速かったという。
成人の場合。
経験豊かな医師をグループに分け、『医療における重要な判断』のシミュレーションをしてもらった。
1つのグループには事前に「幸福度」を高める仕掛けをし、別のグループには特別なにもしなかった。
その結果、事前に幸福度を高めた医師グループの方は、他のグループの2倍のスピードで意思決定をし、しかも判断ミスは半分以下だったという。
では、「幸福度を上げる仕掛け」ってなんですか?というと、作業前に、たった1個のキャンディーを配っただけだった!
【法則2】心のレバレッジ化(心の持ち方を高める)
良いイメージを持って行動すれば、成果は増加する。
マインドセットによって、行動の結果は大きく変わってくる。
てこの原理を心に応用する。
てこの長さ=自分が持っていると信じる潜在能力や可能性、
支点の位置=変化を起こす力を生じさせるマインドセット
実験。
アジア人女性を集め2日に分けて同じ難易度の数学テストを実施。
1日目のテストの前に「女性は男性に較べて数学が苦手」という話しをし、そのことをイメージしてもらってから開始した。
2日目のテストの前には「アジア人は他の人種よりも数学の能力が高い」という話しをし、そのことをイメージしてもらってから開始した。
2回のテスト問題の難易度は同じだったにも関わらず、2日目のテストの点数は1日目より飛躍的に跳ね上がった。
香港大学では「自分の能力はどんどん向上する」と考えている学生と「自分の能力は固定されている」と考えている学生を、それぞれグループ分けし、一定期間ごとに英語の能力を計測した。
結果は、「自分の能力はどんどん向上する」と考えている学生の成績はどんどん良くなり、「自分の能力は固定されている」と考えているグループの英語の成績は、ほとんど伸びなかったという。
【法則3】テトリス効果
ポジティブな気分を維持すれば、いつでも上手く行くようになる。
テトリスというゲームには強い中毒性があり、ハマってしまうと、街を歩いていても、本屋の本から電気屋の段ボールまで、何でもテトリスに見えて組み合わせたいと思ってしまうという。
テトリス効果とは、何か一つのことをやり続けることで起こる現象のこと。
ポジティブな意識を持ち続けることによって、脳はどんなことが起きてもポジティブに思えるようになるということ。
実践。
一日の終わりに「今日あった3つの良いこと」を書き出してみよう。
1日5分、この作業を毎日繰り返す。
すると、脳内に、ポジティブな自分をスキャンするという回路が生まれ、徐々にポジティブな自分を常に見つめられるようになっていく。
【法則4】再起力(心的外傷後の成長)
気持ちを上手に切り替える方法を習得する。
問題や困難な状況に直面したとき、問題解決の為の行動をしなければ苦しみから抜け出すことはできない。
まず問題を直視し、状況を冷静客観的に判断し、問題解決の方法を考える。
人間には再起する力がある。
失敗をこの世の終わりのように考えるのではなく、『失敗から学んで成長して最後には成功するんだ』と考える。
多くのベンチャー投資家は、ビジネスで大失敗した人物しかマネージャーとして雇わないという。
マイケル・ジョーダンは高校の時は、レギュラーメンバーにも入れず控え選手だったという。
ジョーダンはこう語る。
「私は人で何度も何度も挫折した。それが今の成功をもたらした」
【法則5】ゾロ・サークル
小さな目標を設定し、クリアする。
ゾロというのは、アメリカでは古典的ヒーローである怪傑ゾロのこと。(日本では1961年にTV放映された)
ゾロは最初から無敵だったわけではなく、荒削りで隙が多かった若者時代に、師匠に徹底的に鍛えられて一人前になって行った。その時の訓練手法として使われたのが「ゾロ・サークル」。
小さな円を自分の周りに書き、その中で自在に動けるように鍛練をする。
そして十分自分をコントロールできるようになったら、円を大きくして、さらにダイナミックな動きができるように訓練のレベルを上げる。いきなり大きな目標を設定すると、プレッシャーが大きくなり、モチベーションも低下するため、最初は努力する範囲を狭くし、クリアすることに集中する。
クリアするたびに少しずつハードルを上げていき、大きな目標をクリアする。仕事でも家庭でも、自分自身が運命の主人公であるという感覚は、幸せと成功をもたらす最大の推進力となる。重要なのは、どれぐらいコントロールできるかではなく、
『どれぐらいコントロールできると思っているか』
コントロール感覚が身についている人は、自分の成果を正しく認識できる。
コントロール感覚が身についていない人は、自分を正しく認識できない。
コントロール感覚を身につけるには、「正しい自己認識」という、一番小さな「ゾロ・サークル」を作ること。
ここで重要なことは、気持ちや感情を、客観化すること。
【法則6】20秒ルール
やりたくないことの準備は20秒でもしない。
20秒面倒な事がなくなるだけで良い習慣は続くようになる。
20秒面倒なことがあると悪い習慣を止めやすくなる。
悪い週間を止めるには20秒面倒なことをしなければならないようにする。
私たちは「単なる習慣の塊」である。
習慣は「初期設定」を変更しないと、変えることができない。
初期設定は、一番楽なことに集約されていく。
著者はギターが趣味だが忙しくて弾く機会がなかったため「毎日30分ギターを弾く」という目標を立てた。しかし、4日で挫折した。
原因は、ギターがリビングのソファーから歩いて20秒かかるクローゼットにしまってあることだった。
ギターを取り出すための20秒が面倒になってしまったのだ。
そこで、ギタースタンドを購入し、ソファーの自分の座る位置から手が届くように置いた。
人はやりたくないことや面倒なことがあると、些細な障害でも大きな障害と感じ、面倒な気分になってしまう。
些細な障壁を取り除くことで、新しい生活習慣を作ることができる。
「面倒くささ」が習慣化を拒んでいた、ということ。
重要なのは、「望ましい行動」を「最も抵抗の少ない道にする」ということ。
悪い習慣を止めるための実験。
著者は帰宅後にだらだらテレビを観てしまう習慣を何とかしたいと思いながらも、止められないでいた。
仕事が終わり自宅に戻ると、まずリモコンでテレビのスイッチを入れてしまうのだ。
そこで、テレビのリモコンから電池を抜き、リビングから20秒かかる部屋の引き出しにしまった。
代わりに積ん読になっていた本を自分が座る位置に置いた。
最初の数日は、帰宅すると、電池が抜けていることを忘れてリモコン操作してガッカリしたという。
しかし、著者は引き出しまで電池を取りに行ったかというと、面倒だから行かなかった。
テレビまで行って操作するのも面倒だ、チャンネルを変えるのもボリュームを下げるのも面倒だ。
代わりに、すぐそばにある本を手に取ってパラパラめくったり、手許にあるギターを弾いて時間を過ごすようになった。
やがて、テレビ番組に対する興味が薄れている自分に気づいた。
そして読書とギター練習という、より「望ましい」習慣を身に付けた自分を発見した。
【法則7】ソーシャルへの投資(仲間づくり)
幸せになるためには仲間が大切。
予期しない難局や脅威に直面したとき、それを切り抜ける唯一の方法は、信頼している誰かと一緒に乗り切ること。
成功している人ほど、人を信頼し、人を大切にし投資する。
ハーバード大学はアメリカで最も優秀な人物が集まる大学の一つだ。
それは何を意味するか。今まで全米各地で「成績トップ」として生きてきた人達のうちの半分が、ハーバードでは「平均以下」に位置することになる。
過酷な競争社会ハーバードの学生の幸福度を研究した結果を、ある学者は次のように表現した。
「研究によって得られた発見を、一言で言えば『愛』に尽きる」
同じぐらい辛い状況、追いつめられた環境にある学生たちでも、信頼できる仲間関係を構築できている学生たちの幸福度は高く、孤立している学生は幸福度が低いという結果が出たのだ。
大学に限ったことではない。
2008年アメリカを襲ったリーマンショック直後、多くのアメリカ企業は未曾有のパニック状態に陥ったが、その際に多くの企業は社員同士のコミュニケーションの機会を増やし、相互の絆を強める努力をしたという。
福利厚生費や懇親会などの費用は不況の時にはまっさきに削られてしまうものだが、マネージャーたちは自腹でビール代を捻出し、社員と自由に会話する時間を持ち続けたという。
幸せは一人でも得られるものだが、そこに仲間の存在があることで、その幸福度は格段に高まり、強固なものに育っていく。
人と人との絆に投資する。これが大切なことなのだ。幸福優位性は伝播する。「笑顔」という形を通して、人から人へと伝わっていく。
「嬉しい」「楽しい」「幸せ」
プラスの感情を積極的に表に出すことで、周りにも幸せな気持ちの人が集まるようになる。
プラスな人々が集まることで、「上昇スパイラル」が生まれ、どんどん仲間同士の絆が強まり、幸福度が高まっていく。
同じことは家庭でもいえる。
著者講演より(一部紹介)
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