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このnoteを披露目たい001:占い師の独白(シリーズ)/神野守

彼は『自称占い師』
なぜ自称かというと、本業は他にあるからだ。それでも彼は占いをしている。いや、占いをするしかなかったのかもしれない。その理由は単純明快、生計を立てるためだけではない何かが彼をそうさせるのだ。

彼には霊視の能力がない。霊感もない。だけど彼は、占い師として十分に機能している。多くの人がそうであるように。彼が占いに興味を持ったのは、自分の手相に珍しい「ますかけ線」があったからだ。それは彼の人生に何か特別な意味を持っているように思えた。

人生のどん底にいた30歳の時、彼は四柱推命と出会う。それは彼にとって、再び日の目を見るチャンスだった。失恋に打ちひしがれ、すべてが停止してしまった彼の世界に、四柱推命は新たな風を吹き込んだ。師匠との出会いが彼に、占いの本質とは何か、それが人々にどう影響するかを教えてくれた。

彼の物語は、静かながらも深い影響を与える。占いがただの占いではなく、言葉が持つ力、そしてそれが人々の人生にどのように作用するかについて考えさせる。彼は占いを通じて、失われた信頼を取り戻し、壊れた心を修復する。そして最終的には、他人だけでなく、自分自身をも救うことに成功する。

日常と非日常が交錯するこの物語は、どこか懐かしさを感じさせる。彼の物語は、占い師としてだけでなく、一人の人間としての彼の成長を描いている。それは読者にとって、単なる物語以上のものを提供する。それは、私たち自身の内面を見つめ、もしかしたら忘れていた何かを思い出させてくれるかもしれない。

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