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深夜徘徊がたまらなく、チル

昨日の帰りに乗った電車が乗り換え必須だったのに、まさかのしそびれて想定外に遅くなり…乗る筈の便に間に合わず、長めの歩きを要する。

日付を超えて、今日になる。

しかし人生にとってはほんの少しの周り道だ。以前はそれすら煩わしいと思っていたけど、30代になって寄り道にこそ生まれる楽しさがあるということを日々感じる。予定通りにいかない方が、新たな発見があり面白い。

そうしなければきっとこの風景には出逢っていない。

冷えた暗闇に映える山茶花。

夜通し咲いていてすごい。ねぇ、花はいつ休むのさ?寒空の下、寝り切った街の中で咲いたまま、強く生々しい色香を放ち続ける。ハート形の花弁を一枚ずつ落としながら。

カッコよすぎやろ山茶花よ。濃紺に差す力強い桃色、チルったらありゃしない!

きっと日中でも、咲いていることには気付いていただろうけど、同じようには思えなかったと思う。誰かの話し声とか、車の音とか、いろんな事ごとにかき消されてしまうくらい、静かに街の情景を支えている。

昨日と同じ道を歩いていても違う魅力に気づく。同じ日はひとつもないということ。これくらい暗がりで、まだ歩くに耐え切れる寒さで、人がほとんどいなければ、小さな事にも反応出来るんだと。

サザンカの花言葉は「ひたむきな愛」「ひたむきさ」「理想の恋」「困難に打ち勝つ」などがあります。
いずれの花言葉もほかの草花が枯れてしまう寒い冬の時期に明るい花をつけることからついた花言葉とされています。

AND PLANTS サイトより引用

ほー!いい出逢いだ。見た瞬間は、椿…?と思ったけど、どうやら椿はあまり香りが拡散せず、花が丸々落ちるよう散るそうで、これが同科のカメリア科、山茶花だとわかった。起きたら着ける香水は、カメリアの香水にしよう。


帰宅後にコーヒーを飲み、読みかけの本に手をかける。

このまま今日は読書コースかな。先日、文学フリマで購入した本やZINEをちょっと紹介します。時間がない中ほぼ競歩で歩き巡り、出逢えた作品数点。

古井フラさん

詩集『音としてひとつ、手のひらにのる』と詩歌同人誌『浮遊』 の2冊を購入。以前『静けさを水に、かきまわす』という1冊を読ませていただいていたことが帰宅後判明して(帯はどこかへ消えてしまった…!)今回たまたま目について、なんか運命的だなと…(1人で)パラパラと試し読ませてもらいつつ、作詩と作詞についての話をして盛り上がった。パートナーのnaoさんによる顔彩の絵も素敵。そこにある場所や物が持つ重みや意味、目線、それらが古井さんの手や足の一部のようで、生き物としてのテクスチャーを繊細に感じ取れる作品でした。擬音語、擬態語が多い訳でもなく、決して華美な言葉で彩られた訳でもない…むしろスティルな書き口なのに、静寂の中に残された生(せい)を感じる作品ばかり。

七月堂さんZINE

東京の豪徳寺にある書店の発行するZINE。詩とエッセイと書店をテーマにした『AM 4:07』の創刊号と、第二号を購入。綺麗な装丁だなと思って巡ってみると、私に馴染む言葉だったので。アンソロジーとかオムニバスとか、色々な視点からの言葉があるのがいいと思った。

それでいうと、こちらは元からチェックしていて見つけることが出来た。

『tele-』という様々なZINE集、いわば小冊子の福袋のようなもので、21人の言葉が『器』という1つのテーマで寄せられている。vol.5の刊行らしい。

一つひとつの形状やフォント、紙の質感もそれぞれ。大きな器というテーマで封筒に纏められているのも素敵だと思う。試し読みはブースでさせていただいたものの、まだこちらは開けられていない!(読みかけ、というのが得意でなく今読んでいる作品が終わったら小休憩に読もうと)次に読むのを楽しみにしている。

深夜にこっそり読みたいと思いつつ、別の本を読みながら寝落ちして起きては「あぁ、昨日もまだ辿り着けなかったな〜」と、1月19日に入手してからもう2月になってしまった。

今月ほんのり忙しくも、自分の為の時間は取りつつ、やりたい事で日々埋めて。

おおお、ちょっと!徘徊してる場合じゃないよ(笑)
2月は演奏もレッスンも、諸々今後の準備も進めると決めたので。

優先順位と乗る電車は見誤らないように気をつけましょう、堀さん。


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