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今日の香り【PUNK MOTEL - CORETERNO(パンクモーテル - コレテルノ)】
最近よく付ける香水。
PUNK MOTEL - CORETERNO
![](https://assets.st-note.com/img/1730481102-SUJkaN2hf9slqt6nyARx8jXH.jpg?width=1200)
わかる人にはわかる、◯リー◯イソン的なラベル。
パンクという名前からは想像できないほど気持ちを落ちつけてくれる香り。
これがパンク?というくらい、柔らかで不思議。箱の裏面をみてみると、
「尋ねてくれるな、何も知らない」
と書かれている。これがどんなものなのかということは自分だけが知っているから、伝えたくないと書かれている。
ほう…なんたるしょっぱさ!ツン過ぎる。
それならばと「パンク」という言葉について調べてみる。
いわゆる音楽的なロックミュージックのジャンルでもある意味と、粗悪であること、受け入れられず役に立たない、不良で空虚、くだらないものという意味もあるそう。
そして箱裏面の続きにはこう書かれている。
(LE SILLAGEのサイトにも別の翻訳が載っているようです)
近頃 自分は「パンク」な存在なのだと思う人が沢山いるようなのだけれど、本当にその状態のものを見た時には自分はそうはなりたくない、と思うのではないだろうか。
私たちは世界のはみ出し者で適合しようとしなかったし、したくもなかった。皆、反逆者だったし、砂漠に枯れ引き千切れた回転草のように風に吹かれ転がっていくような、孤独な戦士だった。
ただ唯一良かったのは、私たちがお互いを見つけて、異なる者だと認識したこと。
パンクモーテルは、そんな異質な者たちの様々な感覚の混在、いわゆる光景や音、匂いから「不協和のシンフォニー(交響曲)」を感じさせてくれる。ただ、その感覚を粗末にしたくないのでこの香水について何か聞かれても、「尋ねてくれるな、何も知らない」と私は言うだろう…これこそがパンクなのだから。 ー 訳: 私
ぐえええええ…何この厨二感?!
最高すぎんか…となったわけです。
バラやベルガモットのような煌びやかな香りが、砂漠に吹き込んだ海からの風(塩味を抜いた少し酸味を含むサリチル酸塩)を纏って霞む。昔の所謂、マリンノートとは違う新解釈、超うっすらマリンともいえるだろうか。そして苔やバニラという対極にあるような全く違うものでありながらトーンバランスを調和させるアンブレットシードが香り全体を結び付け、ハッと気付かずにはいられない印象的なアコードを生み出す。
それぞれ異なる性質のものが どこか空虚さを纏い不協和でありながら、どれもが主張しすぎることなく隣り合い共鳴している。それ故に、この世界が成り立つということですか。
己の美しさは己で知る、冒頭の塩対応(笑)も、放任的思考も、各々が感じた感覚に干渉しない為の優しさというようなメッセージすら感じる…
うわぁぁぁパンクの捉え方深…!
私自身当たり前だと思っていることでも、他人からは理解できないとか、変だとか言われることがよくある。自分の考え方とか存在をも疑うような事もあるけれど、自らが大丈夫だと思えるのならば誰が何と言えど間違いなくそのままでいいのだ。人それぞれ様々に在るからこそ、この世界が存在する。それで、モーテル(車で来て、車両の監視下で寝泊まりできるような平屋のホテル)と付けたのか。上層に積み上げる構造のホテルではなく横に連なっていくモーテルという言葉のチョイスに納得する。
パンクモーテル、周りから浮いているような疎外感や孤独を感じる時に自分自身を調和し、支えになってくれる香りかもしれない。
いわゆる天才バカボンでいう「これでいいのだ」であり、金子みすゞの「みんなちがって、みんないい」というやつ。みすゞー!!!
みんちがだよね、みんちが(流行らせたい)。
とにかく本当に素敵な香りに出逢ってしまった。唯一無二ですごくコンセプトがしっかりしている素敵なメゾンだなぁ。
と、ワーワー言うてますが、香りの知識や専門的なこともわかりやすくご教示していただけるお店がこちら。私がこんな風に深く香りを捉えられるようになったのも、ここに通い訪れる度にまた一歩先へ常に誘ってくれているからだと思います。
気になった方は是非とも秋の京都観光のプランに組み込まれては。好きな香りの発見というのは、今まで気づかなかった自分の再発見で、無意識の境地への旅だと思います。
ちなみに冒頭の金額を見て高尚な趣味だと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、本当に驚くほど良い香りなのと、ここの店主様が「迷ったらすぐに買わないで是非吟味してください」という姿勢で常に接客されるので安心してお店に行ってください(笑)
腕につけたり、ムエットという試香紙に出してくださるので、肌での変化を楽しんで納得してから購入できます。(オンラインからも購入可能です)
人から物を買うことの大切さだったり、本当に香水が好きで好きで堪らない方から得る物だったりを体感しに通わせて貰っている、私のお気に入りのお店です。
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